玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*旅のあと

2014年10月27日 | 捨て猫の独り言

 きちんと下調べをして旅に出ることはあまりない。あとで簡単に調べ直すのが常だ。富山の見学地は市内の薬屋さんと内陸部の南砺市にある瑞泉寺だ。富山藩主が江戸城で大名にすすめた「反魂丹」で腹痛が治ったことから越中売薬が広まったという。真宗大谷派の瑞泉寺は北陸最大の大伽藍でその門前には彫刻工房が並ぶ石畳の通りがあり、木彫りの街・井波で知られる。建立は620年前で戦国時代の一向一揆のほぼ100年前だ。

 一泊目は砺波平野の散居村を一望できる高台のホテルだ。4年前には青春18きっぷの北陸・山陰線の一人旅で富山市の安宿に一泊している。ちょうど30年前に高校生2年生の少人数の北陸旅行の引率をした。岐阜の白川郷と金沢の兼六園と福井の永平寺はその時に訪れているから今回が2回目だった。白川郷のあと、おなじ世界遺産であるわずか9棟の合掌集落の富山の五箇山(ごかやま)で郷土料理の昼食とる。

 二泊目の山中温泉に向う北陸自動車道のバスの中でガイドさんが松井秀喜のベースボールミュージアムの建物を指さした。小松空港の近く、彼の生家がある能美市に建てられている。彼は高校時代からあの顔ですねと笑わせた。立川志の輔は富山市と高岡市の間にある射水(いみず)市の出身で富山の観光宣伝によく協力しているという。福井では歌手の五木ひろしを招いて「美浜・五木ひろしマラソン」が毎年開催されているという。

 道元が曹洞宗を開いたのが1227年だ。その3年前に親鸞が浄土真宗を開いている。永平寺が建てられたのは1244年で今から770年前だ。谷の斜面に建てられて階段の多い廻廊で結ばれている。その永平寺の廻廊のどこかで「和敬」と書かれた額を見かけた。我家にも書道の大家から贈られた「和敬」と書かれた色紙がある。「和敬清寂」とは「和でいるコツは相手を敬うこと。その結果居心地のよい清々しい関係ができます」とある。

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*北越急行

2014年10月23日 | 捨て猫の独り言

 旅行中に手にした富山県の観光パンフレットの裏表紙には「2015年春 北陸新幹線 富山へ!富山⇔東京2時間7分(1時間短縮)」とあった。富山のバスのガイドさんは開業初日の3月14日に は東京に日帰りで買い物に行く計画だと熱く話していた。ところが北陸新幹線は長野新幹線から糸魚川を経て富山と金沢に至る。これが東京と北陸の新たなメインルートになり、今回私たちが利用した上越新幹線の越後湯沢から富山・金沢に向う北越急行の特急「はくたか」はその使命を終えて消えるかもしれない。東京~金沢は航空の金沢~小松線がドル箱路線のようだ。

                                                                                         

 北越急行は1997年3月「ほくほく線」の線名で開業した。六日町~犀潟間59.5㎞の三セクター鉄道である。開業以来特急「はくたか」は越後湯沢~金沢間の特急列車として上越新幹線と接続して東京と北陸を結ぶ役割を果たしている。豪雪地帯にあって「いつでもくほく線は動く」との評価を得てローカル利用は成長しているという。来春の北陸新幹線開業でも直江津などへのビジネス需要は残るものと予想されている。

 

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*北陸の旅

2014年10月20日 | 捨て猫の独り言

 ( ごあいさつ)gooブログの「玉川上水の辺りにてハナミズキと共に」にお越しいただきありがとうございます。やっと新しいアドレスでのブログの体裁が整い、記事を更新できる運びとなりました。この新しい画面に慣れるまでにはしばらく時間がかかりそうです。また新しい機能をどれぐらい使いこなせるのか手探り状態が続きます。今後ともどうぞよろしくお願いします。


 先週末に二泊三日の北陸の旅に出かけた。若い女性の添乗員がついて20名の団体旅行だ。まず上越新幹線で東京を出発し越後湯沢で特急「はくたか」に乗り換えて富山で降りる。その途中で列車は予想もしていなかった十日町に停車した。十日町は8月末に逝去した私の同僚が生まれ育った街だ。身を乗り出して過ぎ去る街を眺めていた。

 
 「はくたか」の運行業者は第三セクターの北陸急行とJR東日本、JR西日本の三者である。首都圏と北陸を連絡する。北陸急行ほくほく線内では長いトンネルの中を在来線の中では最高速度で走行する。来年の3月14日の北陸新幹線の開業が大きな話題になっていた。長野から糸魚川、富山などを経て金沢までの新幹線である。

 
 この旅行で日本三霊山(名山)というのは富士山、立山、白山であることを認識した。古くからの信仰の対象の山々である。この時期に白山や立山連峰の頂上部分はうっすらと雪化粧していた。二日目の宿は山中温泉にあった。記録によれば芭蕉は7月27日から8月4日まで山中温泉に長逗留している。永平寺で私は道元を祀る霊廟である承陽殿に注目した。

 

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*津田塾の公開講座

2014年10月06日 | 捨て猫の独り言

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 しばらく雨が降らずに玉川上水の緑道は土ぼこりが舞い上がっていた。その緑道は昨夜からの台風の雨で甦った。小枝や葉の散乱もそれほど見られない。昼過ぎには天気は急速に回復し青空が顔を見せ始めている。各地で避難勧告などの台風情報が流れる中で、ここだけはまるで別世界のようだ。庭のハナミズキやサルスベリや柿の落葉は以前から始まっていた。それが今日はすこし多いかなという程度である。

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 私は先ほどまで、まさに別世界のできごとであるMLBの試合を楽しんでいた。青木選手が所属するカンザスシティ・ロイヤルズが予想を覆してロサンゼルス・エンジェルスに3連勝した。これから地区優勝決定シリーズそしてワールドシリーズへと進んでいく。毎年のようにMLBの30チームの間では選手の移籍が頻繁に行われる。上原投手の活躍で昨年ワールドシリーズ優勝のボストン・レッドソックスは地区の最下位に沈んだ。

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 9月18日に津田塾大学の「総合2014」の後期が始まった。この公開講座は95年から続いているという。正門で記帳して午後一時から学生と一緒に受講する。18日の講師は津田塾大学の名誉教授林哲(Lim Chol)氏で演題は「東アジアにおける歴史認識の相克」だった。南北朝鮮の近代百年の、あるいは内戦と分断の経験・苦悩に対する理解不足vs平和憲法の下での戦後日本の歩みに対する理解不足を述べていた。25日は北里大学衛生管理学研究室講師の伊予亨氏で、その物質が毒物であるか否かは物質によらず単にその量によるなどと述べていた。趣味が海上自衛隊見学で、好きな作家は井沢元彦と自己紹介していた。

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 10月2日は「あなたはHomeレス?Houseレス?」という演題でノンフィクションライターの北村年子氏だった。「ソケリッサ」とは造語で、ホームレスの人、またホームレス経験者の踊りを主体とした肉体表現のことだ。講演者の要請により小磯松美氏(66歳・男性)が特別出演して、講演の最後にその踊りを見せてくれた。「ビッグイシュー」とは世界で販売されているストリート新聞であることを知る。一冊が350円で180円が販売者の収入になるという。そのことを京都府育ちという北村氏が紹介していた。9月18日にキャンパスの北東の角にある津田梅子の墓を初めて訪ねた。墓はテニスコートの奥の木立の中にあった。今年は生誕150年という。

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