玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*ついに補聴器

2014年06月30日 | 捨て猫の独り言

P1000047

 最近は運動不足解消のために、気が向いた時にウォ-キングを行っている。体育館のトレーニング室で定期的に開かれるエアロビクスに参加したこともあったが長続きはしなかった。散歩でもなく、スロージョギングでもなく玉川上水の緑のトンネルの中を手を大きく振り、普段の歩行より足を一歩前に踏み出す。上流へ向かって歩き出し2キロの地点にある小川橋で折り返す。往復40分ほどだが、少し汗ばんで心地よい。二人の小学生を送り出した後に行う。

P1000048

 自分の耳に異変を感じて早くも八か月が経過した。会話には困らないが片方の耳は聞こえないという人など耳の話を聞く機会が多くなる。それに補聴器の広告に目が止まるようになる。自分はテレビなどの音が割れて聞こえるが、それを除けばとくに困らない。しかし周りが困るのだと猛抗議を受けた。たとえば介護の現場で認知症の人はそれなりに対応できるが、耳のとおい人はどこまで理解したか分からずにコミニュケーションをとることが難しいという。

P1000051

 隣りの町の国分寺にリオン株式会社の本社がある。旧社名は小林理研製作所で、昭和19年の設立だという。我が国で初の補聴器を発売した会社だ。知人の女性にそこの補聴相談室の存在を教えられて訪ねることにした。通院しているクリニックで紹介された業者が持ってきたのは外国製の高額のもので、迷ったあげくにお断りした直後だった。相談室では聴力検査のあと調整された補聴器を無料で一週間貸し出してくれた。私が選んだのはポケット型で、市販の単四型アルカリ電池一個を使う。

P1000056

 相談室には2時間ほど滞在した。なるほど改善されてほどほどに聞こえるようになった。まずは歯、つぎに眼、それに続いて、こんどは耳の通院で、医療費の増加にどれほど加担したことか。命長ければ恥も多いが、金もかかる。補聴器をマイクロホンに見立てて、小学生とインタビューのまねごとをして遊んだ。相談室を紹介してくれた知人の女性は、4歳の男の子の母親で言語聴覚士だ。その男の子に「今朝は涼しいね」と挨拶すると「ひんやりするね」と訂正された。(写真はいずれも6月26日)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*多摩六都科学館

2014年06月23日 | 捨て猫の独り言

P1000025

 このところ立夏、小満、芒種のオープンギャラリーの観察会に出ていない。そして展示の切り替えの手伝いもできていない。夏至の展示の切り替えの日である20日の金曜日に久しぶりに鈴木さんに会った。私は自転車に乗ったチビッコ4人をひきつれて公園に行く途中にギャラリーに立ち寄った。鈴木さんに挨拶だけでもしておきたかった。昨年顔なじみになった孫娘を見て鈴木さんは「どう、元気だった」と声をかけてくれた。孫娘は短く「うん」とだけ答えた。作業の邪魔にならないよう早々に立ち去った。

P1000042

 そして夏至の観察会は朝からの激しい雨で中止である。しかし晴れたとして、私が観察会に出ていたかどうかはあやしい。なぜなら最近の私の生活は二人の孫娘の生活に寄り添うことを最優先としているからだ。孫とはいえ預った責任は重いものがある。さて雨の日曜日に私は二人を多摩六都科学館に連れ出すことにした。はげしい雨の中を二人の祖母の運転で隣町の科学館まで送ってもらう。夕刻には雨が上がるということで帰りはバスと電車にした。祖母にもホッとする時間が必要だった。

P1000039

 途中コンビニで食料を買い込んで到着早々に一階の休憩室に向かった。今は小学2年となった姉と私は昨年も一度来ているので科学館のだいたいの様子はわかっている。私はこの休憩室が気に入っている。大きな窓から雑木林の風景を見ながらゆっくりくつろげる。全154席、お弁当をもちこんで食事ができる。お手洗い、授乳室、水飲み場、自動販売機がある。小平、東村山、清瀬、東久留米、西東京(田無と保谷が合併)が設置した参加体験型の科学館である。この3月で20周年を迎えた。

P1000046

 三人で食事を始めたのはちょうど正午で、幸運にも空いたテーブルが一つだけあった。15分ほどの腹ごしらえのあとはいよいよ展示室めぐりだ。地下一階には3つ、二階には2つの展示室がある。世界最大級のプラネタリウムはすでに満席だ。入場料は大人500円、子供200円でこの日は4時間あまりも滞在した。智恵の輪などの不思議なおもちゃが揃ったコーナー、希望する鳥や花や昆虫などの塗り絵のコーナー、軽い木片の積み木の広場、引き出すと無地の魚が着色されて現れるセロハンのマジックなどを体験した。また来たいと二人は言う。サイエンスセンターと呼ぶことにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*母と娘

2014年06月16日 | 無断転載

P1000006

 庭のキュウリの収穫がぼちぼち始まっている。トマトの実はまだまだ小さくて青い。我家の小さな留学生には、地域の子供たちとたくさん遊ぶ時間をもって欲しいと願っている。ところが姉妹は二人になると英語でまくしたてて喧嘩もする。昨年は姉が一人での来日だったので姉は日本語しか話せない厳しい状況だった。ところで学校のない日の過ごし方は思案のしどころだ。帰国後のことも考えて、土日は向こうのカリキュラムに触れたり、私が英語を教わろうという気持ちでつきあうことにしている。

 土曜日に伯母の葬儀に出た。伯母には二か月前にお会いしたばかりだった。お会いしておいてほんとうによかったと思う。「お世話になった皆様へ心より感謝申し上げます」と題する「ご会葬御礼」が印象深かったので、ここに掲載しておきたい。喪主は残された御主人である。喪主の簡潔な挨拶の前に書かれている 「~娘より」 の部分はつぎのとおりだ。亡くなった伯母には二人の子供がいた。その二人娘の合作と想像される。

P1000005

 「穏やかでとにかく優しい性格。それでも胸には決して揺らぐことのない強さを兼ね備え、母は家族をしっかりと支えてくれました。家事や子育てをこなしながら大好きな音楽に親しみ、私たち子が手を離れると、声楽や合唱サークルに入って、自身の趣味を謳歌するようになりました。家でも気付けば歌を口ずさみ、皆の心をほっと和ませてくれた在りし日。年をかさねるとともに父と旅行に出かける機会も増え、母は本当に賑やかで温かな毎日を紡いでいたものです。晩年体調を崩してからは、ままならない身体に辛い思いを抱いていたはずですが、父や皆様の支えのもと、最後まで頑張りぬいた母。面影を偲ぶほどに別れが惜しまれますが、今は去りゆく母の背に溢れる感謝の思いを捧げ、彼の地での平穏を願います」(6月16日の新堀用水のアジサイ)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*トイレのつまり

2014年06月11日 | 捨て猫の独り言

P1000001_2

 庭の萩が早くも開花した。地上部は枯死し毎年新しい芽を出すことから「はえぎ(生え芽)」となりしだいに「はぎ」に変化したという。萩の字は「秋の草」なのでまさに秋の花だが、早くもこの時期に萩の花が咲きこぼれている。開花時期は6/5~10/末頃とあり長きにわたるが、やはり秋が見頃だろう。春のお彼岸に供えるのは「こしあん」の「牡丹餅」、秋のお彼岸は「つぶあん」の「御萩」と生活は季節と共にある。

 孫娘二人を預り、我家は合宿所のような雰囲気が漂う。小さな客人は生活面でいろいろな違いを体験しながらそれを乗り越えて新しい環境に適応しているようだ。先日「トイレのつまり」が発生する騒ぎがあった。思い切りが必要だったが、便器に手を入れて奥へ押し込んだ。つまりは解消したかに見えた。しかし水は流れて引くのだが、持ち去る勢いに欠ける。流路が狭い部分があるせいだろう。血管の老化現象を連想してしまった。

P1000002_4

 そこで、つまりを取る道具を購入した。説明書の通り透明のビニール袋の中央に穴をあけ、そこにおわんに付いた柄を通す。しかし慣れない作業のためビニール袋の効果はなく、柄をひと押しするごとに水は床に溢れだした。なんとかつまりの解消に成功したあとで、トイレと配管の構造に興味がわきネットで調べた。道具名はいろいろあるようだが、ラバーカップはその一つだ。静かに押しつけて、勢いよく引くのがコツだ。このように研究はいつも後手になることが多い。

 おしり洗浄機付きトイレは世界の中でもユニークなものの一つだろう。下の孫娘もとまどっているようだ。今朝の孫娘は大便のあと便器をおりて、立ったままの姿勢で手を後ろに回してペーパーを使っている。これを目にして洗浄機とペーパーの使い方を考える機会をもつようになった。そこには男女の違いもあるだろうか。そういえばかつて和式トイレの場合は私も手を後ろに回してペーパーを使っていた。そして洋式の今、私は便器に腰かけて小便の用を足している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*赤い宝石

2014年06月04日 | 玉川上水の四季

P1110347

 オープンギャラリーの夏の小満の展示のテーマは「赤い宝石」だ。春の雨水は「青い宝石」だった。カワセミが青い宝石と呼ばれることから考え出されたテーマ名と想像される。月の順に12枚の写真が展示されている。2月は紅梅、3月はアカハラ、4月はベニシジミ(蝶)、5月はアカシジミ(蝶)、6月はウラナミ(蝶)、7月はアカタテハ(蝶)、8月はウラギンシジミ(蝶)、9月はヒガンバナ、10月はヒメアカタテハ(蝶)、11月はマユミの実、12月はアカゲラ、1月はロゼット(ギシギシ)である。

 鈴木さんはつぎのように呼びかける。「玉川上水をゆっくり歩いてみると、思わぬ出会いや、気づきがありますね!季節の出会いを毎年繰り返していますといつしか季節の出会いを待つようになります。自分なりの赤い宝石をみつけてみませんか」何気ない言葉のようにみえる「ゆっくりと歩く」ということに鈴木さんの思いを読みとる。さらに「出会いを待つようになる」ということと、あるとき突然それを知るということとでは、かなりの差があることなのですよと教えているようだ。

P1110349

 西側展示の小満の詩はつぎの通りである。「ウツギ、(ヤマボウシ)咲いたよ カルガモの親子に出会ったよ コヒルガオ、(ドクダミ) ヤブジラミ咲いたね カワセミ巣立ちも近いよ ナツグミ色付いた ムクドリ子育て奮闘中だ 歩こうよゆっくり歩こうよ」その横には、詩に登場する(括弧の中のものを除いた)8枚の写真が展示されている。近くの郵便局の軒下にツバメが巣を作り子育て中である。巣の下の糞で道行く人は気付く。なぜかギャラリーでは、これまでツバメの写真が展示されたことはないのではないか。

 野鳥情報がひさびさに出た。「今年もヒナが誕生」というタイトルだ。「玉川上水に隣接する小平第四中学校の校庭にある池には、毎年カルガモが子育てをします。今年もヒナが誕生して元気に親に見守られ校庭の隅に生えるハコベなどを食べ、池の中で自由に動きまわっています」そこで私は学校に見学可能かどうか電話で問い合わせをしてみた。ところが雨のあとしばらく姿が見えなくなったという。毎年夏休みの前ごろまでは池で過ごしていたという。みんなが心配しているという事務室の返事だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*短歌二つ

2014年06月03日 | 捨て猫の独り言

P1110338

岡井隆

「政治とは 遂におろかに われわれの ふかき現実の 生を覆わず」

小野茂樹

「あの夏の 数かぎりなき そしてまた たった一つの 表情をせよ」

P1110346_2

 生活にゆとりがなくなっているときに、上の二つの短歌に出会いました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする