玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*新堀用水の胎内堀

2018年11月29日 | 捨て猫の独り言

 最近になって市内全域の用水路の水が止まった。おそらく10月1日の台風24号の後遺症によるものだろうと考えた。ところが新堀用水にある胎内堀の保全工事のためだった。工事については事前の告知があり説明会が開催されている。また用水路の生きものを守ろうという請願が市議会に出されたりもしたらしい。私も胎内堀の横を何度か通り、工事説明の立て札を見ていたが、それをすっかり忘れていたのだった。

 新堀用水は明治に入ってから玉川上水の北側にある分水口を統合してできた。市内のほとんどの用水路は新堀用水から分水されているから、新堀用水の水を止めると水が流れなくなる。新堀用水は玉川上水に沿うようにして流れている。私の住む地域の辺りは、深いまたは浅い大小二つの流れを眺めながら緑道を散策することができる。

 

 水路を掘るとき土地が高くなっているところや、平らで水が流れにくいところは、人がやっと通るくらいのトンネルを掘った。このトンネルを「ほっこぬき」という。「掘りぬく」という意味。胎内掘りは「ほっこぬき」または「たぬき掘り」とも云う。小平市の胎内堀の場所にはト ンネル内の土を出すために掘られた縦穴が4ヶ所鉄柵で囲まれて残る。

 保全工事は来年の1月の終了予定という。失って初めて気づくというが、水の流れない用水路はやはりわびしいものだ。とくに私の住む地域だけが台風がもたらした折れ枝が放置されているような気がする。保全工事が終わるまでにはまだ時間があるということなのか。年内には折れ枝の撤去が終わることを願う。

 

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*あれこれ

2018年11月26日 | 捨て猫の独り言

 上に伸びている枝の先にある柿の実は小鳥たちのために残した。朝の7時前に入れ違いにやって来て、ついばんでは短時間で立ち去る。葉が落ちて小鳥の観察にはいい季節だ。ヒヨドリとシジュウカラは肉眼ですぐそれとわかる。用意していた双眼鏡で覗いて見たのは、たしかメジロだ。道路の柿の落葉拾いもそろそろ終わりを迎える。

 玉川上水緑道の辺りはまだ台風の倒木が処理されずに残っている。破壊された柵の補修などはまだまだ先になりそうだ。また市内全域の用水に送られていた多摩川からの給水は止まっている。そして近くの新堀用水の底にも干からびた大量の枯れ枝が折り重なっている。撤去作業はなかなかはかどらない。(近くの畑で)

 

 アトランタの孫娘は小学一年生の時から夏に短期留学に来ていた。その時に何かと面倒見てくれたのは近くに住む当時小学生の高学年のS君だった。その彼も今では高校1年生だ。都立産業技術高等専門学校に通っている。S君はスマホに詳しいと聞いて、初心者の家人はこれまで2回彼を家に招いて教えを乞うていた。そのS君の母親が勤労感謝の日の朝に我が家に来た。

 これからNHKで「高専ロボコン」が放映される。息子も応援席にいて参加していたので見てやって欲しいと言う。録画してゆっくり見た。何らかのものを入れたペットボトルを自動ロボットに投げさせる技を競う。そして産技高専Aチームは全国大会出場を決めた。産技高専について調べると、首都大学東京(2020年に東京都立大学に名称変更予定)と産業技術大学院大学と連携している。

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*朝日から毎日に

2018年11月18日 | 捨て猫の独り言

 今月から新聞は朝日から毎日になった。2紙を1年ごとの交代で購読する。毎日新聞夕刊の近藤勝重の「しあわせのトンボ」はすでに終了しているが、同じく夕刊で田中優子の「江戸から見ると」や、日曜版の「松尾貴史のちょっと違和感」は続いている。目新しいところでは又吉直樹が9月から夕刊に小説「人間」を連載中だった。

 芥川賞を受賞した「火花」は読んでいない。彼の小説を初めて新聞で読むことになる。又吉の母が奄美の加計呂麻島で、父は沖縄の名護市の出身ということで私は彼の言動に日ごろから関心があった。本人は大阪の寝屋川市で育ち、北陽高校サッカー部の副主将を務め、大阪府代表としてインターハイに出場している。現在でも吉祥寺の井之頭公園にはよく行くという。(鹿児島市の仙厳園にて)

 

 朝日新聞では高橋純子という執筆者が記憶に残っている。1971年に福岡に生まれ93年に朝日に入社、初任地は鹿児島支局だ。現在は編集委員として政治面でのコラム「政治断簡」の担当者の一人である。「断簡」は文書の切れ端ほどの意味のようだ。彼女は反安倍政権の姿勢を貫き、小気味よく歯切れのよい文を書く。ときに物議を醸すこともあるというほどに興味深い。

 つぎは9月の「キリない怠慢 華麗なる欺瞞」の最後の部分である。「憲法改正に取り組んでいく責任がある。発議しないのは国会議員の怠慢である。へー。怠慢だって。ならば教えて頂きたい。同性カップルを念頭に生産性がないと主張し、当事者から強く批判されたのに公式に会見も謝罪もしない国会議員は怠慢ではないのか。それをなんだかよくわからない指導で済ませている自民党は怠慢ではないのか。言い出したらキリがないほど累積している怠慢を放置して憲法改正に固執する首相は怠慢傲慢華麗に欺瞞ではないか。責任を言うならまず、自分のお尻を自分で拭く。話はそれからである」 

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*日展2018

2018年11月14日 | 捨て猫の独り言

 入場無料の「日展の日」は9日の金曜日だった。雨の日だったが、囲碁会を休んで、六本木の新国立美術館(新美)に出かけた。16ページの「日展ニュース」に新美についての記事があった。東京都美術館が日展など全国規模の公募展に使われているため、都の美術館は都民に優先的に使わせて欲しいという陳情が寄せられたことなどから新美の建設構想が出た。

 新美が建っている土地は、江戸時代には伊予宇和島藩伊達家の上屋敷、明治に旧陸軍第一師団歩兵第三連隊の駐屯地、昭和37年からは東京大学の生産技術研究所用地、平成13年に同研究所が駒場に移転、新美が開館して今年で11年目になる。建物は黒川紀章の設計で、展示室は合わせて12区画ありそれらを自在に組み合わせて海外からの特別展や大規模公募展に対応することができる。

 

 かなりの数の作品だからじっくり見て回るということにはならない。どの作家も飽くことなく同じテーマを追求し続けている。日本画の吉岡珠恵の「梅雨入り」は頭上から見たビニール傘の中の子供という構図だ。洋画で伊藤寿雄の昨年の「母の像」には括弧付きで百歳とあった。今年はどうか、これはまるでドキュメンタリードラマだ。島根県の高校教諭の春日裕次が描く青年のモデルは同僚教諭だという。

 

 知人の紹介で会ったことのある鹿児島県姶良市在住の塩屋信敏は「南風(霧島の見える岡)」で、霧島連峰を背にした若き女性を描いた。「ヨロン島の菊お婆」は埼玉県で美術教師だった山田郁子(1941年生まれ)が描いた。今年も「桜島」を出品したのは竹留一夫で、鹿児島の出身で東村山市在住という。子供たちにも楽しめる彫刻の「帰ろうよ!」は、鹿児島県いちき串木野市在住で若手の丸田多賀美の作品だ。

 

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*立冬の頃

2018年11月11日 | 捨て猫の独り言

 立冬は11月7日だった。柿とハナミズキとサルスベリが競うように葉を落としている。多くの人が通る舗装道路に落ちるのはおもに柿の葉だ。朝食前に柿の落葉を拾い集めるのがこの頃の日課になっている。柿を食べない日はない。成りがよい今年は立冬になってもまだ黄色の実が残っている。

 庭にはヒガンバナ科のネリネが咲いた。その出現の唐突さはヒガンバナと似る。それより先にツワブキの黄色の花が咲いた。暖かくなるとその周りを黄色の小型の蝶が舞う。鈴木さんの立冬のパンフをひらいて、キタキチョウと知る。この蝶は年4回世代交代する。飛んでいるのは羽化したばかりの最終のもので、成虫のまま越冬して春にハギが新芽を出す頃に産卵するという。

 我が家の庭のあちこちに咲くツワブキはキタキチョウの蜜源だった。ツワブキは見栄えのしない花だが貴重な蜜源であると思うと輝いて見えてくる。畑には毎年タネを蒔くシュンギクが育ち始めている。今年は初めて「な花」のタネを蒔いてみた。早春のつぼみを食べるとあるが、すでにすでにシュンギクより大きな葉をつけている。

 

 6時に起床して、6:30からのラジオ体操で身体をほぐす。ラジオ体操の歌でその日の最初の声を出す。最近の放送では「ラジオ体操90年」のコールが流れている。第一と第二体操の間にある首の運動では季節に合わせた童謡や唱歌のピアノ伴奏が心地よい。寝過ごしたら、あわてず騒がず自分のかけ声だけで適宜行う。

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*一泊打ち込み会

2018年11月04日 | 捨て猫の独り言

 私の公民館囲碁クラブの参加は8年目を迎えている。会の名称は「碁苦楽会」で毎週金曜日の午後に集まる。現在の参加者は25名ほどだ。私よりも上段者が圧倒的に多い。会では有志を募って10月28日に「一泊打ち込み会」があった。この企画は3回目で私は3回とも参加している。今年の参加者は9名だった。

 行き先は毎年同じ「陣谷温泉」という旅館で、最寄り駅は中央線の高尾駅から二つ目の藤野駅だ。国分寺駅から50分ぐらいの近場である。旅館から送迎車が出る。碁盤25面ある囲碁将棋室があるのが魅力だ。陣馬山のハイキング帰りに入浴で立ち寄る人もいるという。到着直後の昼食と夕食そして翌日の朝食のあとを囲碁三昧に過ごす。

 

 この頃、ひいきのレッドソクスが5年ぶりにMLBワールドシリーズを戦っていて、その28日と29日のゲームが運悪く打ち込み会と重なった。28日は相手のドジャースが4点リードのところで、この流れは負けだろうと速断して家を出た。29日の正午に帰宅すると、この日の勝ちでまもなく優勝だという。昨日は9回に5点も入れて9対6での逆転勝ちだった。

 このシリーズの第3戦は延長18回の7時間20分という試合だった。さすがにこれには付き合いきれなかった。できれば全試合をじっくり観戦したいのだが、このシリーズはなんだかんだで見届けたゲームがほとんどないという結果に終わった。ところで打ち込み会では今回から3、2、1千円の賞金が出て、2位の賞金2千円を獲得した。碁苦楽会は3か月ごとの納会で賞金を出す。私は8年間でこれが初めての栄誉だった。

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*野外写真展

2018年11月01日 | 捨て猫の独り言

 小平市の鷹の台駅に近い創価高校の野球部のグランドが隣接する東大和市に移転したのは8年前だ。創価学園はそこを売却した上で移転したものとばかり思っていた。その後の跡地は雑草が茂り放置されたままだった。そのうち巨大マンションでもできるのだろうと噂し合っていた。

 今年になって跡地の塀がコンクリート壁から工事現場用と思われる白壁に取り換えられた。いよいよ何かの工事が始まると考えた。しかしこの取り換えは通学路や避難路に面したブロック塀の倒壊対策の一環だということが分かった。ところが最近になって外壁を利用した刺激的な野外写真展「地球の貌」が始まっている。

 武蔵野美術大学(MAU)の教授、探検家、医師の関野吉晴氏が企画した展示だった。またMAUでは「関野吉晴ワンダーランド」が11月10日まで開催されているという。野外展の挨拶に「…外壁を創価学会のご厚意により提供していただき、商店街有志、周辺市民、MAUのご協力により…」とあった。なんだ跡地は現在も学会所有なのだ。私の住む地域内には学会の駐車場も多い。宗教法人の税制上の優遇措置に思いを馳せた。

 

 関野氏が50年近く撮りためた、パタゴニア、ギニア高地、アマゾン、アンデス、極北シベリア、ヒマラヤ・チベット、森の民ヤノマミ、海、湖などの写真が展示されている。多数の中高大学生が登下校の途中に見て通る。関野氏は1949年生まれ、一橋大法学部、横浜市立大医学部卒業後外科医となり病院勤務と探検を2,3年おきに繰り返す生活など特異な経歴を持つ。2002年にMAUの教養文化教授に就任している。 

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