玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*秋分

2015年09月28日 | 玉川上水の四季

 我家から玉川上水の緑道を上流に向って10分ほど歩いたところに小平西高等学校がある。市報によれば、この高校の2年生が「ハイスクールマンザイ2015」で優勝したという。大阪の「なんばグランド花月」で開かれた決勝大会で全国500組の頂点に立ったのは小平西高の矢島君と松尾君のコンビ「パンケーキ」だ。二人は来年度も優勝を狙うと意気込んでいるという。どこまで成長するのか見守りたいと思う。

 オープンギャラリーの「秋分」の展示は樹木がヤマボウシ、ハナミズキ、チャノキ、キンモクセイで、花がセンダングサ、ホトトギス、ミズヒキ、イシミカワである。これまでセンダングサとイシミカワについては知らなかった。野鳥はモズ、ヤマガラで、昆虫はジョロウグモ、スズメバチ、カマキリである。クモとカマキリの世界では、大きなメスが小さなオスを喰い殺すことがあるという点では同じだ。(写真は27日の観察会、カナムグラにキタテハの幼虫、センダングサ)

 

 観察会では一人では気づかないことをスタッフにいろいろと教えてもらう。十数人で歩いているとメンバーの中から発見の声があがることもある。いくらか目も耳も不自由な私だが参加の意欲はまだ衰えていない。今回は最初にスズメバチの巣のある場所に案内してもらった。歩道から見上げると巣に蜂が出入りしている。モズのテリトリーでは、人家のテレビアンテナに止まりながらオスが一羽で巡回していた。

 ムラサキシジミの食草であるシラカシとアラカシは見分けるのが難しい。カナムグラの葉が折り曲げられて中にキタテハの幼虫が育っているのを覗き込んだ。この節気で私が新たに認識したのが「センダングサ」である。空き地などに群生するセンダングサの頭花は筒状花ばかりで花びらがないように見える。花期は9月から11月までと長く 、生き延びている蝶や蜂が集まる。頭花は冬には衣服に着く「ひっつき虫」の一種になる。

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*翁長知事の国連演説

2015年09月24日 | 捨て猫の独り言

 沖縄の翁長知事は14日の会見で国連の人権理事会で演説する理由について「日米安保体制が自国民にすら自由・平等と民主主義を保障できないのに、なぜそれを他国と共有できるか、海外にも発信すべきと考えた」と説明した。21日のスイスのジュネーブでの国連演説の前にNGO主催のシンポジュウムでも講演し、新しい基地をつくらせない流れを作りたいと訴えた。

 シンポジュウムでは沖縄が独自の言語、文化を持つ独立国だった歴史を説明。1879年に日本の一部となった琉球処分や、戦後の米軍基地建設など一貫して自己決定権がなかったと強調。「沖縄県に、県民がどうぞと土地を差し出した基地など一つもない。普天間飛行場が老朽化し危険だから、沖縄に負担しろと言われることに理不尽さを感じる」と述べた。(写真は9月15日撮影)

 辺野古への移設計画についてあらゆる手段を使って基地建設を止める覚悟だと英語で2分間演説した。昨年11月の沖縄知事選などで住民の多数が基地の県内移設に反対の意志を示していることについて、日本政府は民意を一顧だにせず建設作業を強行しようとしていると述べた。演説後、取材に応じた翁長知事は「辺野古で強引に工事が進む可能性があるので、世界中の人が日本と米国の民主主義にぜひ目を向け、それぞれ発信してもらいたい」と話した。

 一方日本政府の代表者が知事の発言を受けて理事会で発言。「一番大切なことは、安全保障環境が悪化する中、国民の安全を守ることだ。辺野古への移設は米軍の存在による抑止力を維持し、住宅密集地にある普天間飛行場のリスクを取り除く唯一の道だ」と語った。また米国務省の報道官は記者会見で辺野古移設を見直す考えのないことを強調した。「この道しかない」が政府の決まり文句だ。

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*国会周辺

2015年09月15日 | 捨て猫の独り言

 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の「9月14日に国会に集まろう!」の一面ぶち抜きの新聞広告に賛同して出かけた。私としては8月30日に続いて国会周辺はこれで2回目である。13時から17時までの正門前座り込み行動に参加して夕食までには帰宅の予定だったが、より大勢の市民が集まる18:30からのデモの前半まで居続けることになった。

 座り込みといっても国会周辺にある庭園の歩道沿いに、おもいおもいのプラカードやノボリを掲げて腰かけている。スピーカーがふんだんに設置されていて参加者はどこにいてもスピーチを聞き取ることができる。私は国会周辺の地理をこれまで全く知らなかった。8月30日の時は人混みの中を行方も知れず歩きまわっていた。この日は集会が断続的に進行したので、その合間に国会の敷地の周りをなんと2回も歩き回った。

 

 

 国会正門前の通りをはさんで和洋二つの庭園がある。正門を望んだ右手の洋式庭園の隣りにある憲政記念館を見学した。「人生の本舞台は常に将来に在り」の言葉を残した尾崎行雄のメモリアルホールがある。ここの食堂前にある団体休憩所の長椅子を私は大いに利用した。憲政記念館から時計回りに国会の周りを歩いた。裏手にある近代的な衆参両院の議員会館の前の通りにも人々が歩道に座り込んでいる。そして角を曲がった国会図書館前の歩道にも人々は集まり始めていた。

 公園では「沖縄のあつき血汐にふれも見で哀しからずや基地を説く安倍」などいくつかのパロディーを名調子で詠みあげる素適な老紳士もいた。夜の集会のために参加者にはペンライトが配られた。人々は続々と集まり始め騒然とした雰囲気が生まれてくる。青信号で規制する警察官に「通せ!通せ!」の合唱が起きる。道路沿いに設置された鉄柵が決壊して車道に人があふれ始めた。私は地下鉄の入口を捜してさまよった。

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*白露

2015年09月14日 | 玉川上水の四季

 ヒガンバナが姿をみせた。8日から22日は二十四節気の白露で、大気が冷えてきて露を結ぶころのことだ。9日には台風18号が知多半島に上陸し日本海に抜けて温帯低気圧となった。10日はその低気圧と日本の東の海上を北上する台風17号の影響で関東と東北は記録的な大雨となった。そして鬼怒川の堤防が決壊するなどして大きな被害がもたらされた。多摩川の真水を引き込んでいる近くの新堀用水は白濁した流れになっている。

 オープンギャラリーの展示は節気の前日に入れ替えを行う。9月になってからは雨の日が多く、7日の白露の展示の入れ替えの日も雨だった。私は展示の入れ替えは台風が過ぎ去るまで、数日は遅れるにちがいないと考えていた。ところが展示はきちんと7日に行われていたのである。後で鈴木さんに伺うと7日の午前中に一時間だけ雨が落ちてこない時間帯があったという。(13日の白露の観察会・順にサルトリイバラ、イノコズチ、カラムシ、ガマズミなど)

 

 

  まるでマジックのようだった。鈴木さんが展示物を持って玄関を出る時にはまだ雨が落ちていたという。この話を聞いて私はあらためて鈴木さんのギャラリーに懸ける執念を見る思いがした。ギャラリーの小さな花壇にはルリタテハの幼虫の食草であるサルトリイバラが育っている。這うように伸びる茎を針金でうまく誘導している。花壇には他にシソ、ホトトギス、スミレなどがある。

 白露の樹木としてコムラサキ、ニシキギ、ヌルデ、ガマズミ、花はヤマジノホトトギス、イノコズチ、ヒガンバナ、カラムシを紹介している。イノコズチについてくわしい掲示があった。「晩秋に玉川上水を歩くと衣服に『ひっつき虫』として知られています。この時期に小さい花を咲かせているのはミズヒキとイノコズチでミズヒキは赤い部分の中に小さい花をつけ、イノコズチはミズヒキよりも小さな花でルーペで見ないと花が咲いているかどうかわからないほどです」私は観察にふまじめでルーペを持ち歩かない。玉川上水の自然観察を大勢の人に紹介したいという鈴木さんの活躍ぶりを拝見することで私は満足なのだ。

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*新聞論調に大差

2015年09月07日 | 捨て猫の独り言

 旅行で夜遅く帰宅した翌日の30日の午後、国会正門前の安保法案反対集会に出かけた。この日は小雨模様でこうもり傘を持ち歩く。2時の開始時刻に20分ほど遅れて地下鉄の国会議事堂前駅に到着した。地上への階段には大勢の人が並び、時間をかけて一歩づつしか進めない。将棋倒しになったらと恐怖心が湧いた。やっと地上に出ると、立ち止まらずそのまま右に流れてとスピーカーの指示があった。

 あちこちでトイレに並ぶ行列ができている。議事堂が正面に見える場所まで人の流れに沿って歩いた。坂本龍一の「シールズの若者たち、女性たちが発言しているのを見て、日本にもまだ希望があると思っている。イギリス人にとってのマグナ・カルタ、フランス人にとってのフランス革命に近いことが、今ここで起きているんじゃないか。一過性のものにしないで行動を続けてほしい。僕も皆さんと一緒に行動していきます」というスピーチは心に届いた。

 翌日の毎日の朝刊は一面2番手に国会上空から撮影した写真で、「安保法案反対の波」の見出しとともに報じ、社会面は全国の世代を超えた参加者の声を見開きで伝えた。前日の法案賛成派のデモの様子も記事にしていた。そして7日には30日のデモを全国紙、地方紙がどう伝えたかを比較し、同じ事象で論調にこれほど大きな差があることを危惧する大石康彦・青山学院大教授の話を紹介していた。

 毎日の木曜夕刊の近藤勝重の「しあわせのトンボ」を毎回楽しみに読んでいる。8月13日のコラムは「人生のラストがほのみえて、次世代のことが頭をかすめる。核、テロ、原発、ミサイル、・・・・。すでに戦争などできっこない世界になっているだろうに、米国と一緒に戦う平和って何なんだ。ぼくたちが何としても子孫に残さなければならないものは何か。その問いに『地球』と答えて、もはや異論などないのではなかろうか」とあった。

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