玉川上水に「ヒイラギ」の数はそれほど多くはない。そのヒイラギには密生した白色の小花が咲いている。似たような形だがヒイラギにくらべて葉が大きく縁にあらい鋸歯があるのはヒイラギとギンモクセイの雑種である「ヒイラギモクセイ」だという。ヒガンバナは葉だけが生い茂り、その後を継ぐように庭ではヒガンバナ科のネリネが薄紫の花を開いた。フキノトウはすでに黄色の花を咲かせている。この花に蝶が訪れるのを心待ちしているがその姿を見ることはない。サルスベリはすっかり葉を落とした。今はハナミズキに遅れまいと、カキが葉を落とし始めている。
今月は近くの医院に耳の治療で通うことになった。診察券が1枚増えた。気になって調べてみると手持ちの診察券は合計6枚だ。内訳は総合病院2枚、近くの内科2枚、眼科1枚、それに耳鼻咽喉科1枚が加わった。これまで総合病院の1枚で済ませていたつもりだったがいつの間にやらこんなにも貯め込んでいた。今月はそのうちの3枚も使っている。大げさに言えば私が通院することは国家の医療費の増大につながる。先ず健康であることが理想だが、今の私にできることは安いジェネリック医薬品を使うことぐらいだろうか。
内科でもらった2枚の印刷物には説得された。症状のあるときに避けたい食べ物として「甘いもの」「牛乳」「酒」「フルーツ」「キムチ」「めんつゆ」「塩麹」が挙げられている。これを2週間も続けると変わりますと医者は断言した。「これらの食品に共通するのは糖分がたくさん含まれているということです。糖や人工甘味料の摂りすぎは、腸内細菌叢の悪化を招きます。異常発酵により発生したガスは、門脈という肝臓に行く大きな血管の圧迫を引き起こし、肝臓に負担をかけます。気血の流れは悪くなり、免疫力の低下やあらゆる不調の原因となります」酒の蒸留酒は可だが醸造酒は不可とあった。
医者がインタビューの後で私に手渡したこの印刷物には、思い当たることが多かった。この指針に従ってまず2週間は食に気配りをしてみよう。血圧の不安定さが解消できることだろうと思った。2週間の病院食で体が軽くなり気分もすっきりとの友人の体験談が思い出された。もう一枚の印刷物は食材の分類表だった。体を冷やす(寒涼)、平、体を温める(温熱)が縦軸に3つで、余分な水分をとる(燥)、平、体の潤いを増す(潤)が横軸に3つの、「食材の寒熱燥潤」という9枠に分類されたものである。あなたは冷え症だと医者は私に告げた。私にとっては予想外なことだった。その一方で減塩についての言及はなかった。(写真は小平アートサイトの作品)