玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*大寒

2012年01月23日 | 玉川上水の四季

013

 昨日の日曜日の朝は雨模様のお天気だった。それで「大寒の玉川上水ミニ観察会」は実施されないと私は予測していた。ところが天気予報がはずれて雨は早めに上がった。前回の小寒の観察会は、自宅にいながら他のことに夢中になっていて、うっかり欠席した。そのことを残念に思う気持ちもあってなにやら落ち着かない。2回連続の欠席は避けたい。定刻の10時を少し過ぎたことに気付いた私はやりかけていたことをあわてて中断しギャラリーに駆けつけた。はたして中止なのか実施なのか気がもめた。

 いつもより少ない人影が見えて、鈴木さんが展示写真について解説する大きな声が聞こえてきた。諦めずに駈けつけてよかった。雨が落ちてきそうもないので散策を実施することになったようだ。決行するかどうかは成り行きまかせといえども、必ず顔を出さねばならない主催者側のご苦労を私は思った。こんなとき鈴木さんはこれは私の道楽ですと豪快に笑いとばすのが常である。 この日はまず近くの畑地にあるソシンロウバイの芳香を楽しんだ。次なるテーマは、すっかり葉を落とした木々の形を真近からでなく遠景として観察することだった。

014

 公園内のメタセコイア、イチョウの並木はどの木も直線的に天空に伸びている。緑道のクヌギ、イヌシデの大木は複雑に入り組み堂々とした枝ぶりである。導かれてしみじみ眺めると不思議と印象深い景色として感受される。この時期は木々がまるはだかだから容易に野鳥たちの姿を発見することができる。高いところに役割を終えたカラスの巣が見える。この日は散策の途中で鈴木さんが私に個人的に声をかけてきた。昨夜鈴木さんが打ったうどんがあるから散策の後で鈴木さんの家に立ち寄れという。なんと特別なご招待である。

 この日重大な誤解をしていたことの一つが判明した。観察会にいつも参加している女性を私はスタッフの一人であり、鈴木さんの奥さんでもあると誤解していたのである。あの女性は鈴木さんの奥さんではなかった。まさか鈴木さんは私の思い違いに気付いてそれとなく私を本当の奥さんに会わせることにしたのではあるまい。私は喜んで鈴木さん宅にお供をし、まず別棟にある仕事場の「花のアトリエ」を見学した。2週間に一度の展示作品や、パンフレット作成のための印刷作業がここで行われる。しばらくして母屋に案内された。居間の炬燵から小鳥たちが飛来する餌台が窓ガラス越しによく見える。この庭で生まれた小鳥もいるというから楽しい。きさくで柔和な奥さんの煮ものを肴に熱燗をいただき、仕上げはざるうどんという贅沢な日曜の午後を過ごさせていただいた。(写真は日展会場にて)

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最近遭遇したひとこま | トップ | その後どうしてるの? »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
心ゆたかな時間と交流をもつものは幸いなり、それ... (なんという贅沢な午後)
2012-01-24 17:49:12
心ゆたかな時間と交流をもつものは幸いなり、それは筆者の平素の心がけへの贈り物である。リーダーは時間に拘束される。メンバーは、気きまぐれ。義務や拘束も道楽と聞いてひと安心。
返信する

コメントを投稿

玉川上水の四季」カテゴリの最新記事