玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*高校球児たちの夏

2024年07月11日 | 捨て猫の独り言

 この夏の西東京大会に出場する私立の桐朋高校は、プロも注目する最速153㌔の右腕・森井翔太郎を擁して期待されていた。大会初日の7日に府中市民球場における桐朋の初戦の見学は酷暑のため断念。そこで全国の地方大会のすべての試合をリアルタイムで知ることができるネットで試合経過を追跡する。桐朋は一回裏先発投手がいきなり5点を奪われ、森井投手が急遽マウンドに上がるも追いつけず7回コールド負けとなる。翌日の新聞によると、試合後多くの報道陣に囲まれた森井投手は、米国の大学で野球を続けるか、日本でプロを目指すかはこれから考えると答えたという。

 郷里の鹿児島実業高校にもプロ注目の選手がいる。175㎝、77㎏、154㌔の右腕の井上剣也は鹿児島市内の谷山中出身で鹿実に進学後、2年時の秋の新チームでエースの座をつかむ。その夏は鶴丸に1対2と3回戦で敗退。翌年春の県大会は鹿屋農業との決勝戦となり最速151㌔、3安打12kの1対0で完封して優勝。その後の九州大会で8強入りをはたし、一躍プロからも注目される存在となる。この夏の鹿実は神村学園、れいめいについで第3シードである。鹿実は7月9日の初戦の大島に辛くも逆転勝ちして、次の試合は13日に予定されている。監督は井上の難点は制球力と話している。

  

 かつての高校球児左腕の大野稼頭央(19歳)は、中学卒業後は本土の強豪私学の誘いを断り、島から甲子園を目指すとして地元奄美の県立大島高校に進学した。高校では1年秋からエースを務め2年春に県大会4強、同年夏は8強、秋の県大会に優勝して出場した九州大会では興南高校を完封するなどの活躍で準優勝を果たした。そして8年ぶりに2度目となるセンバツ出場を勝ち取る(1度目は21世紀枠での出場)。このとき私は甲子園球場近くの友人宅に泊めてもらいスタンドから観戦した。その初戦の明秀日立との対戦は169球投げて完投したものの8失点を喫して敗退。そして同年夏は県大会全試合を一人で投げ抜き決勝に進出するも、鹿実に敗れ春夏連続出場を逃した。

 大野稼頭央は2022年にドラフト4位で福岡ソフトバンクに入団した。人口6万人の奄美の高校から初めてプロ野球選手の誕生だ。西武ライオンズの松井稼頭央の大ファンだった父親が名付けたという。松井の名が登録名(本名は和夫)であるのに対して大野の場合は本名である。ファームの本拠地は福岡市内から南へ車で1時間ほどの筑後市にある。球場の施設は完備されているが、周囲に飲食店などがほとんどなく、選手には不満の声があるという。大野稼頭央は先発完投型を目指し、同チームの和田投手(42歳)のような寿命の長い選手になりいと話す。背番号は60。年俸は500万。一軍のマウンドに立つ姿を早く見たいものだ。


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