Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

ピクミンの『愛の歌』と16世紀の歴史のなかの『残酷』

2013年07月29日 | 異文化

スペインの友人ベゴーニャさんは、現在16,17世紀に自国を訪れた日本人の使節団、天正使節団、慶長使節団について学んでいます。

もともと歴史大好きな彼女ですが、彼女がこれらに興味を持つのは、カトリック教徒として、そして『日本の漆器』に興味があってのことです。

そんな彼女に、「この使節団について、日本人は学校で学びますか?そして、日本ではよく知られています?」

と 期待をこめて書いてきた彼女に、

「学校の歴史で学びはするけど、あまり深く教わるわけでもなく、一部の学生以外はほとんど学校を卒業するくらいには忘れてしまうと思います。」

と返事をしました。

なお、慶長使節団も、天正使節団も、ともにイタリアを訪問していますが、イタリアのエリーさんによると、イタリアの学校でこれを学んだことはないと言います。

さらに彼女は、

「イタリアで日本の歴史や芸術についてはあまり学ばず、歴史については第二次世界大戦のときに少しでてくるくらい。イタリア人の多くが日本で思いおこすのは、やはり『アニメ、漫画』」

と。

先週はこの歴史の話をする前に、「ピクミンのゲームや歌」についてスペイン、イタリア、アメリカの友人達に質問していました。

ピクミンの『愛の歌』(英語の字幕付)

http://www.youtube.com/watch?v=SL2ePovKMtg )

その話から、まずスペインのベゴーニャさんが、

「スペインではこんな残酷な歌やゲームに違和感を覚える人は多いと思う。音楽は子守唄のようでも、歌詞は・・・。皆どう思うのかしら??」

「いや、私もこの歌詞やゲームの残酷性は好きではなくて、この歌詞のピクミンの扱いは、まるで『徴兵された兵士』を想像してしまう。

もともと日本の童謡では悲しくて怖いものもあるけど、これはちょっと・・。

歌や童話の残酷さは、マザーグース、グリムやペロー童話に重なるわね。」

と私。

「スペインでは、子どもに残酷なものを与えるのは、あまり好まれないわ。」

と再びベゴーニャさん。

(イタリア人2人は、ピクミンの歌もゲームに否定的ではありませんでした。)

このあと、『残酷』という部分に触れた部分もあったこともあるのと、エリーさんが(昔話題にした)『人種差別』にも言及したこともあり、話が、16世紀の『日本人奴隷』の話に流れていきました。

以下がそのときに送った記事等のリンクです。

Japan Times (2013.5.26)

The rarely, if ever, told story of Japanese sold as slaves by Portuguese traders 

http://www.japantimes.co.jp/culture/2013/05/26/books/the-rarely-if-ever-told-story-of-japanese-sold-as-slaves-by-portuguese-traders/

Japanese Daily Press (2013.5.14)

Records show Japanese slaves crossed the Pacific to Mexico in 16th century

http://japandailypress.com/records-show-japanese-slaves-crossed-the-pacific-to-mexico-in-16th-century-1428777/

MRI Fourum 68

Commercila Networks and Slavery in 16th Century Macao

http://www.riccimac.org/eng/mriforum/68.htm

ポルトガルから銃の変わりに売られて言った日本人奴隷。

ほとんどが、アフリカの奴隷や(北アフリカの海賊に捕らえられた)ヨーロッパ人の奴隷と違って、誘拐ではなく、貧困のため親に売られた人たちであったのだと思います(誘拐された人、戦の捕虜もいたでしょう。)。

そして、「宣教師達が日本人奴隷を連れ帰った」「キリシタン弾圧や鎖国は、日本人奴隷を守る為」などという意見を言う日本人もいたりして(私としてはこの解釈は無理があると思います)、日本にとっても、他国にとってもあまりプラスにならない歴史です。

しかし、そうであっても、本来こうした、『残酷』『暗黒』な部分も、解明されてないとしても、歴史教育では言及すべきことではないのか、と思います。

(この話、敬虔なカトリック教徒のベゴーニャさんには特にハッピーな話ではないですが、彼女は知っていました。)

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