ハフィントンポストに載っていたコラムですが、「アホになるか」どうかはおいておいて、この批判自体には共感を覚えました。
ハフィントンポスト(2014年7月21日)
日本人は凄いという内容の本やテレビ番組をみて喜んでいるとアホになる
By ふとい眼鏡さん
http://www.huffingtonpost.jp/futoimegane/story_b_5604629.html?utm_hp_ref=mostpopular
鏡に「世界で一番うつくしいのはあなたです」と言わせて喜んでいる王妃の姿はおぞましいですが、テレビに「日本人は世界中で尊敬されているんです」と言わせて喜んでいる視聴者の姿も同じくらいおぞましいものです。
世界には様々な意見を持った人がいます。その中から「日本のここが凄い」とか「日本人はこんなに尊敬されている」なんていう、自分達にとって耳当たりの良い話だけを集めてもそれは客観的評価ではありません。自分にとって耳当たりの良い話だけを聞いて喜んでいるというのでは裸の王様と同じです。
テレビ局は視聴率の取りやすい番組を作ろうとします。こういうバカげた番組を作って視聴率を稼ごうとするテレビ局の倫理観の低さにはもちろん問題がありますが、こういうバカげた番組の視聴率を上げてしまう視聴者にこそ最も大きな問題があります。
(後略)
こうした番組が一番多いのはテレビ東京ですが、そのなかで『和風総本家』は日本の職人に焦点を当てていたり、外国人の日本体験の模様を取り上げているだけなのでおぞましさを感じませんし、海外からの旅行者から振り回されたり、利用される場面がある『Youは何しに日本へ』はまだ愛嬌がある(といっても、出国間際の外国人にお土産を取り出して見せてもらう企画は、一寸迷惑かもしれない・・・と思います。)ように思えます。
しかし、テレビ東京にしても他のTV局にしても、「外国人に日本を称賛させて視聴者の自尊心を満足させるのを第一の目的としているような番組」については、今、日本政府主導の「Cool Japan」というネーミング、「おもてなしキャンペーン」に対して持つ違和感と同じようなものが残ります。
「自信やプライドがあれば、外国人に褒めてもらう番組を作ったり、自画自賛みたいなキャンペーンをしなくてもよいはずなのに。」
と。
また、私はたまたま日本好きの外国人の友人達がいて、彼らから日本-とりわけ文化や芸術の魅力についてよく聞かされますが、彼や彼女たちは日本を褒めると同時に、自国の文化や芸術についても誇りを持って話してくれるのです。
番組では外国人やスタジオの出演者に「日本人は凄い」と言わせて終わらせたりしないで、海外の凄いところも、バランスよく取り上げたなら、まだマシになるかもしれないですね。
いずれにしても、ブラウン管を通しての外国人の日本を褒める言葉を聞いて自尊心を満足させるというのは、コラム冒頭の、「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだーれ?」と聞いている王妃(実は魔女)と変わりません。
この王妃には鏡に「この世で一番美しいのは白雪姫」と言われ、「自分を抜いた白雪姫が憎い!」という発想をするわけですが・・・・これって、ちょっと現代の外国人排斥運動をする人達の発想と似ていませんか?