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ラクイラ地震裁判-逆転無罪

2014年11月11日 | 海外ニュース・できごと

ラクイラ地震の裁判について、以下の記事がありました。 

読売新聞 (2014年11月11日)
地震直前に安全宣言、専門家に逆転無罪…伊高裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141111-00050067-yom-int 

【ローマ=青木佐知子】300人以上が死亡した2009年のイタリア中部ラクイラ震災の直前、事実上の「安全宣言」を出したとして過失致死罪などに問われ、1審で禁錮6年の実刑判決を受けた地震などを専門とする科学者ら7人のうちの6人に対し、ラクイラ高裁は10日、1審判決を破棄し、無罪を言い渡した。

 逆転無罪となったのは、政府の防災諮問委員会に所属していた科学者6人。防災庁のデベルナルディニス副長官(当時)については、執行猶予付きの禁錮2年が言い渡された。12年の1審判決では、地震の危険性を適切に警告しなかったとして7人に禁錮6年が言い渡され、全員が控訴していた。

 同国では、判決理由は後日に公表される。科学者の刑事責任を認めた1審判決は、「科学者は地震予知に協力できなくなる」と、世界で議論を巻き起こした。

この事件の一人の被告はイタリア国立地球物理学火山研究所(Italy's National Institute of Geophysics and Volcanology 略称INGV)の所長(President)、Enzo Boschi氏でしたが、偶然、私のイタリアのペンフレンドの一人が、彼の秘書をしていました。

その関係で、2011年11月からこの裁判を追ってきていましたので、興味がある方はどうぞ。海外のニュースサイトのリンクはほとんどまだ生きているようです。

『地震を予告できなかった専門家に責任を問うイタリア』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/1078d1438dc3c07c65abaf6853770ef4

『イタリアとブルガリアの地震で考える』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/f366a91891afc3f1431b62ab6d06d2f8

『イタリア地震裁判の判決-イタリアは文明国か?』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/d82123ceb4e8d9e57c06c081dfe1567d

『イタリア地震の判決を支持する人の言い分-司法と理性』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/512b7f6f7757fd5821fae645180bf9b3

『ラクイラ地震裁判、検察側の言い分-本当に裁かれるべきは・・・』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/5b287f8fcc22739d177cf4f21ac7be2a
 

前に書いた通り、私はマグニチュード6.3で壊れる建物を許すような国やラクイラ市が訴えられないばかりか、批判をされないということについて、フェアではなかったと思います。

(2012年にブルガリアのソフィアでも大きな地震がありました。でも、建物にひびが入ったりしても、崩壊した建物はなかったといいます。  

それに比べて、イタリアでは、ちょっとした地震で建物がこわれたりすることもあるようです。ボローニャ近郊の地震のときもそうでしたが。(地震がなくとも、ミラノのアーケードから大きな煉瓦がおちてくることもあるらしいです。))
 
結局、ラクイラ裁判で得をしたのは、訴えられないでごまかしきった国とラクイラ市でしょうから、実は今回の無罪まで含めて、シナリオ通りだったのかもしれません。
 
といっても、INGVにも、やはり落ち度があるわけです。
(地震の兆候を指摘していた市井の研究者の意見を退けるだけだったのは、専門家のプライドを優先させるためだったと思います。これについては一番下の『ラクイラ地震裁判、検察分の言い分-本当に裁かれるべきは』の中に、詳しい記事のリンクがあります。) 

今回の裁判の判決には、「普賢岳で火山の変化を察知しながら、危険レベルを上げないでいた日本の気象庁にお咎めなし」ということも、ひょっとしたら関係しているのではないか、と思ってしまいます。 

いずれにしても、ラクイラ地震の被災者たちや遺族は気持ちのやりどころがないでしょう。

なんともすっきりしない結果に終わりました。

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