Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

ジャーマンウイングス航空機事故-フランスの発表に対する違和感

2015年03月27日 | 海外ニュース・できごと

バロセロナ発デュッセルドルフ行きジャーマンウィングス9525便の墜落事故情報があった直後、九州の友人のまきさんから、
「ジャーマンウィングスがフランス南部で墜落したようですが、お友達は大丈夫でしょうか?」
と、私の海外の友人達(および私)を気に掛けるメールをもらいましました。 

この時私はまだインターネットのニュースの表題は読んでいたものの、記事を読んでいなかったのでドイツ発南仏行きの飛行機事故だろうと思い、
「私のドイツ人の友人たちに「フランスに行く」と言っていた人達はいないので、大丈夫だと思います。ありがとうございます。それにしても、最近は飛行機事故が本当に続きますね。」
と彼女の心遣いに感謝と、続く飛行機事故に関しての感想だけを書いて返事をしました。 

しかし、のちにニュースなどでこの9525便がバロセロナ発のデュッセルドルフ行きであり、この便に搭乗していた16名の学生と引率の教師のギムナジウムが、ドイツ人の友人の家から15キロしか離れていないことがわかりました。 

そして別の一人もデュッセルドルフ近郊に住んでいて、夫婦、もしくは子供たちが仕事やバカンスでよく欧州内を飛び回っていることを思い出し、同時に元ルフトハンザのメカニックである友人もこの事故に衝撃を受けているだろうと思い、(本人の無事確認の意味も含めて)彼らに短く事故に対する慰めのメールを送りました。 

さらに今日はWSJの記事で、この事故で墜落の犯人とされてしまっている副操縦士の出身地が「モンタバウア」という町であるのを知りました。ここは、元ルフトハンザメカニックの友人の住んでいる近郊の町です。 

ウォール・ストリート・ジャーナル(2015年3月27日)
独墜落機の副操縦士、物静かな男だった-149人を死の道連れか
http://jp.wsj.com/articles/SB12540086375885754248404580543012415052230?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst
 

この副操縦士が住んでいたというこの町は、フランクフルトとケルン方面を走るICE専用、いわゆる新幹線だけが停車するだけの駅がある町で、以前友人が、「もしまたドイツにきたときには、モンタバウアを案内させて」言ってくれていたので、覚えていたのです。 

ここは、いわゆる有名観光名所ではないですが、古城やドイツらしい民家が立ち並ぶ町で、ICEを使えば、フランクフルトもケルンもすぐ行き来できます。 

また、この町にはフランクフルト空港もデュッセルドルフ空港も時間的には短い時間で移動できるので、航空関係者も多く住んでいるのではないか、と思えます。 

そんな環境で育って、飛行機が大好きだったというこの副操縦士、そして彼を知る人々の話からすると、とても149名を道連れに自殺を図るような人とは、私でも思えません。
「内向的」「鬱病」であっても、勤務の途中まで普通に会話をしていた人間が、ここまでのことを本当にしでかすのでしょうか。 

更に、 

①    事故が起きて比較的早い段階に、フランスのオランド大統領が、「生存者はほぼいない模様」と発表した。その後のフランスの、「テロやハイジャックの可能性はほとんどない」という説明もちょっと早すぎ。

②    最初は「ブラックボックスは壊れていた」と言いながら、結果的にブラックボックスの解析が早かったこと
(エアバス社はフランスの会社でも、ドイツは大株主ですし、ジャーマンウィングスはドイツのルフトハンザの子会社。解析は利害のない第三者国でしてほしい。) 

③    ブラックボックス解析の発表を待っていたかのように、この発表後、マルセイユ管制塔が当時の様子を発表したこと 

④    そもそも離陸後数十分で、機長がコックピットから出る必要があったのか 

⑤    なるべく陸地は通らないにしても、バロセロナからデュッセルドルフに飛ぶにしては、地中海を迂回しすぎではないか 

大勢の方が無くなっている事故を、素人がどうのこうのは言うのはよくないことですが、それでも、違和感を覚えてしまいます。 

被害者の方々のご冥福をお祈りします。 

追記: フランス政府に年々不信感を募らせている私が書いたこのポスト、割り引いて読んでください。
しかし、「フランスの重工業界は日本同様に政府が最も大切にするものです。」ということは、言えると思います。 
(機体があまりに粉々なので、「テロかハイジャックされた飛行機をフランスが撃墜では?」という人もいるようですが、私はこれは流石に考えすぎだと思います。)

蛇足ですが、重工業会といえば、アジアインフラ投資銀行(AIIB)ができて欧州で一番喜んでいるのは、フランスではないか、と私は思います。数年前、「世銀が原発に融資してくれない」と南アでのスピーチで文句を言っていたのはサルコジでしたが、オランドもまた同じ気持ちでしょう。「AIIBならば原発融資もしてくれるだろう」してくれるとフランスは見込んでいるのではないかと思います。 

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