新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

日本経済新聞の文化面(その1)

2009-06-12 21:33:04 | 日記・エッセイ・コラム

私、新聞は日経を購読してるんですが、日経が他紙に圧倒的に勝っているのはスポーツ面の署名入りコラムと、朝刊なら最終面の文化面だと思っています。もっとも、文化面すべてというわけではなく、連載小説と、書く人によって当たり外れが極端な「私の履歴書」、そして鼻につくモノが多い「交友抄」は除きます。って、残るは、「○○十選」と「文化往来」と日替わりエッセイくらいのものですが…。

   

昨日(6月11日←修正しました)から、美術家(この肩書きからしてイイ山口晃氏による「美のよりしろ 十選」が始まりました。「世の中に普通に存在するモノに、美を見いだす」という趣向の連載のようで、昨日は家庭用ビデオカメラ、今日は東京モノレールの車内が取り上げられていました。
東京モノレールに乗ったことのある人はご存じのとおり、東京モノレールの車内は他の一般的な電車とまったく違います。いわゆる「ボックス席」があるかと思えば、荷物置き場があるし、車内の真ん中に背中合わせ(座ると窓を向く)のロングシートがあるしで、かなり独特です。

ここから山口氏の文を引用します。


写真徒然煙草注:東京モノレール2000形車両の内部をご覧いただければ解るとおり、大きさのまちまちな座席が、これまたあちらこちらを向いて配置されている。更に、写真では解りにくいが、床に段差がついており、手前の座席(徒然煙草注:車両の真ん中のロングシート)は他より一段高くなっている。

私はこの変化に富んだしつらえを見ていると、桂離宮の新御殿上段の間の桂棚を思い起こさずにはいられない。少々乱暴な比較だが、この二つには何処か通底するものを感じる。


この部分を読んで、私はうなりました。
さすが、見立ての達人:山口画伯です。
確かに、東京モノレールの座席が織りなす軽やかなリズムは、桂棚(こちらのサイトをご参照方)と相通じるものがある気がします。
それにしても、こうした連載を読める日経って、ある意味すごい!

残りの「八選」も楽しみです

   

山口晃画伯のことについては、以前にも、3月6日の「大阪遠征の楽しみ」、3月8日の「さて、大山崎」、3月15日の「ミニ屏風を作ってみた」と何度も書いてしまうように、私、ファンです。

きょう、改めて、「さて、大山崎」展の図録を眺めてみましたら、実は、かなり凝った装丁だったんですねぇ(今さら、ですが…)。

さて、大山崎
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:2009-03-04

まず、カバー&腰巻のフル装備だとこんな風です。極めて普通の装丁です。
090612_1_1

これから腰巻を取り去ると、おや、まぁ、かな~り地味な装丁になってしまいました。

090612_1_2_2

じゃ、カバーを取ってみましょうか。
たいていの本なら、派手なカバーを取ると地味な本体が姿を現すものですが…。
090612_1_3

おおっっと、出たぁ~ 意表を突いたフルカラー(「大山崎交通乃圖」<部分>)だぁ~

やってくれます。

   

話を日経の文化面に戻しますと、「レコードよ 永遠に回れ」と題するカッティング・エンジニアの手塚和巳さんのエッセイについても書きたいところですが、諸事情により、こちらは明日に順延させていただきます。


つづき:09/06/13 日本経済新聞の文化面(その2)

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