新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

「えきねっと」が重い (>_<)

2012-11-30 22:59:34 | 日記・エッセイ・コラム

気がつけば11月は今日でお終い。


来月の30日には実家に帰省することにしていまして、きょうの昼前、こんなメールが届きました。


121130_1_02


JR指定券をおとりできました【えきねっと】


よしっ


と、、、Uターンのきっぷも取らなくては


JR東日本のえきねっと会員になると、指定席発売の1週間前から「予約の予約」ができまして、発売当日にPCとにらめっこなんてことが不要です。
この「予約の予約」をしたからといって、先着順できっぷが取れるわけではなく、発売開始時に「厳正な抽籤」をしているという触れ込みです。ですから、発売の1週間前から発売直前までに「予約の予約」をしておけば、あとは運を天に任せるだけ
ある意味、先着順よりよほど気楽です。


そんな気分で、きょう、帰宅してからUターンのきっぷ「予約の予約」をしようとすると、、、えきねっとが重い…


121130_1_03


トップページ自体の表示が遅いし、ログインして「予約の予約」をしようとすると、、、


121130_1_01


なんどかトップページに戻ってトライしましたが、ダメ…


まぁ、Uターンのきっぷの発売日まで5日あるわけですし、気長に行きましょう


【追記】けさ(12月1日早朝)、無事にエントリーを完了しました (2012/12/01 09:06)

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元祖「いつも赤信号な交差点」が近頃不調

2012-11-28 22:35:11 | タウンウオッチング

10月22日の記事「きょうの帰り道はかなりスムーズ」で、


国道246号線の「東名入口」陸橋から、笹目通りと新大宮バイパスが交差する笹目橋交差点まで、赤信号で停められた交差点をメモってきました。


と書きましたが、実は、その後もこのメモを続けておりまして、標本数が22になりました。

そこで、ここまでの「いつも赤信号」度を一挙公開 なんて大げさなことではありませんけど…


と、その前に、定義を書いておきましょう。


私が言う「いつも赤信号な交差点」は、「渋滞しているわけでもないのに、いつも赤信号で停められる」交差点を意味しておりまして、集計では、渋滞のために青信号なのに停止せざるをえなくなって、そのうちに赤信号になってしまったケースは「渋滞」と判定して、分子からも分母からも除外しています。
また、青信号になっているのに直前までの赤信号で停まっていたクルマが滞っていて、私も停まらざるを得なかった場合は「赤信号」判定ですが、完全に停止する前に車列が流れ出した場合は「ノーコンテスト」として、これまた分子からも分母からも除外しています。

さらに、国道246号線が側道から環八に入る「瀬田交差点」笹目通りが側道から新大宮バイパスに合流する「笹目橋交差点」別格扱いでランキングから除外します。


ということで、ランキングはこんな風になっています。は9月8日の記事「『いつも赤信号な交差点』度を★で格付けしてみる」での格付けです。


1位:土支田(笹目通り) 100% ★★★
2位:千歳台(環八) 90.5%
★★★
3位:下長津田(R246) 59.1%
(未格付)
3位:有馬病院入口(R246) 59.1%
(未格付)
5位:世田谷清掃工場前(環八) 57.1% ★★★
5位:谷原三丁目(笹目通り) 57.1% -
7位:宮の前(R246)
55.6% (未格付)
8位:有馬四丁目(R246) 54.5%
(未格付)
9位:名無し[ENEOS前](環八) 52.6% -
10位:梶ヶ谷(R246) 52.4%
(未格付)


意外に、まだ格付けしていなかった国道246号線の交差点が多い…

また、元祖「いつも赤信号な交差点」世田谷清掃工場前交差点が低迷(?)しているほか、「★★」組や「★★or」組がランク外に落ちています


その「いつも赤信号な交差点」度はと言いますと、「★★」組が、


東電荻窪支社前(環八) 42.9%
環八神明通り(環八) 36.8%
(仮)高松六丁目(笹目通り) 28.6%


そして「★★or」組が、


牛房歩道橋南(笹目通り) 50.0%
名無し[Victoria前](環八) 47.4%
坂上歩道橋前(笹目通り) 45.0%
牛房歩道橋北(笹目通り) 23.8%


といった具合。


いましばらく様子をみて、格付けをやり直さなければならないようです…


   


ちなみに、渋滞のケースも加えて、「いつも停められる交差点」度で集計しますと、ランキングは、こんな具合に変わります。


1位:土支田(笹目通り) 100% ★★★
2位:千歳台(環八) 90.5% ★★★
3
位:東工大入口(R246) 73.3% (未格付け)

4位:環八神明通り(環八) 71.8% ★★
5位:環八中の橋(環八) 71.2%
6位:名無し[Victoria前](環八) 66.4% ★★or


渋滞の多い交差点が一気にランクインしています。


但し、渋滞の多い交差点そのものが渋滞の原因というわけではなく、問題の所在は別の交差点にあるような気がしています。

具体的には、3位「東工大入口交差点」は隣りの「つくし野交差点」が、


<iframe height="250" width="400" scrolling="no" frameborder="0" src="https://local.google.co.jp/maps?q=35.519295,139.484233&amp;num=1&amp;brcurrent=3,0x6018f85fecc64a7d:0x7eeef5000e2812fe,0&amp;ie=UTF8&amp;t=m&amp;ll=35.518779,139.483516&amp;spn=0.004366,0.008562&amp;z=16&amp;output=embed" marginwidth="0" marginheight="0"> </iframe>

大きな地図で見る


4~6位の各交差点は「川南交差点」ボトルネックになっているのではなかろうかと…


<iframe height="250" width="400" scrolling="no" frameborder="0" src="https://local.google.co.jp/maps?q=35.696175,139.617829&amp;num=1&amp;brcurrent=3,0x6018f20e2f342609:0x23a679294a7dd604,0&amp;ie=UTF8&amp;t=m&amp;ll=35.694389,139.619751&amp;spn=0.017427,0.034246&amp;z=14&amp;output=embed" marginwidth="0" marginheight="0"> </iframe>

大きな地図で見る


というわけで(?)、この「調査」、しばらく続けます。


【追記】集計方法に間違いが見つかりました。この記事を修正しようかとも思いましたが、面倒な作業になりそうなので、修正版として別記事を仕立てました(2012/12/01 08:55)


修正版としてのつづき:2012/12/01 「いつも赤信号な交差点」ランキングを修正

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祝! 記事1500本!

2012-11-27 21:41:34 | 日記・エッセイ・コラム

気がつけば、昨夜の記事「予定を変更して…」が、このブログ1500本目の記事でした。

ということで、いつもようにキリ番記事行きます

1500本目までの経緯は、

100本目
200本目
300本目
400本目
500本目
600本目
700本目
800本目
900本目
1000本目
1100本目
1200本目
1300本目
1400本目
1500本目
09/04/05
09/06/19
09/09/02
09/11/16
10/01/29
10/04/24
10/07/23
10/10/16
11/01/16
11/04/17
11/08/05
11/12/11
12/03/28
12/07/22
12/11/26
73日間
74日間
73日間
74日間
73日間
85日間
89日間
83日間
90日間
91日間
108日間
126日間
107日間
114日間
124日間
  花見に行ってきました
イントゥザライト、出走!
「火の鳥」第1・4巻を持ち帰った
エゾシカの寿司!?
J.D.サリンジャーの訃報
あれ? 「のだめ24巻」がきょう届く?
「空頭」って?
大宮を出発
アールデコの楽園であ~る
さすがに北海道は寒いぞ
頼朝さんはかっこよかった!(その4:完結編)
これから帰ります
今日の通勤"も"往復とも散々…
フェルメールの2点の「真珠」が上野に来訪中(その6)
予定を変更して…

と、そこそこのペースではありますナ。

カテゴリー別の記事数は、1~1500本目の通算が、

1位:日記・エッセイ・コラム (406本・27.1%)、2位:MISIA (384本・25.6%)、
3位:美術館・博物館・アート (343本・22.9%)、4位:旅行記 (252本・16.8%)、
5位:ニュース (181本・12.1%)…16位:トイレからの脱出 (14本・0.9%)

と、上位(そして最下位)の順位には1400本目までとまったく変動がありません。

次に、直近100の記事のカテゴリー別本数上位陣はこんな風になっています。

1位:美術館・博物館・アート (34本)、2位:MISIA (25本)、
3位:日記・エッセイ・コラム (24本)、4位:旅行記 (16本)、
5位:ニュース (14本)、6位:タウンウオッチング (13本)

そして、この約4か月間、1本も新ネタがなかったのは、エキナカ(休日くらいしか電車に乗ってない…)、トイレからの脱出(新ネタがあったら困る)、映画演芸・演劇(どちらも、最近、観てない)、競馬の5カテゴリーでした。納得です。

次の100本、大胆予想では、MISIAカテゴリーが首位を奪還 とみた

さて、どうなりますことやら。

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予定を変更して…

2012-11-26 23:12:40 | MISIA

きょうは、MISIA関係の記事を書く予定っつうか、書くつもりだったのですが、意表を突く展開なもので、一昨日のお話を…

   

私行きつけの美術館、埼玉県立近代美術館(MOMAS)では、11月17日(土)から「丸沼芸術の森所蔵 ベン・シャーン展 ー線の魔術師ー」が開催中です。

私が企画展を無料で見られるMOMASで、大好きなベン・シャーンの展覧会、となれば、行くしかない わけで、3連休の中日に行ってまいりました。

121126_1_01

で、もって、震えるような線に心が震えたぁ~ でした。

丸森芸術の森所蔵作品によるベン・シャーン展は、同じMOMAS2006年2-3月に開催された「ベン・シャーン展 わたしは憎むものを描く。わたしは愛するものを描く。」でも観ておりまして(回顧録はこちら)、また、出展作品もかなりダブっていたのですが、それでもやはり、ベン・シャーンの線は凄い

これでもかとばかりに次から次へと現れるベン・シャーンの作品、そのを観ていると、私の心の針幸福度300%まで振り切れます

例えば、今年初めに出かけた神奈川県立近代美術館 葉山での「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト-写真、版画、グラフィックアート-」展で最も気に入った「至福」(1952年)のバリエーション、「実り」(1969年)とか、

121126_1_02

「ハムレット-テレビ脚本」の挿絵下絵の「槍に取り囲まれるハムレット」とか、

121126_1_03実在の著名人の肖像とか…。

特に、キング牧師とか、ガンディーとか、カザルスの肖像は、ザザザッと描いたような、「ただの線描」にもかかわらず、描かれた人の存在感が伝わってきます。

やはり好きだなぁ~、ベン・シャーン…

   

しばしば凝ったフライヤーを制作するMOMAS、今回もやってくれました
「ベン・シャーン展 わたしは憎むものを描く。わたしは愛するものを描く。」の時はA3を二つ折りしたデザインのフライヤーでしたが、今回は、見た目、こんな風(サイズはA4)。

121126_1_04 これを広げると、A2サイズになって、こんな図柄になります(むりやりくっつけました)。

121126_1_05 「版画集『一行の詩のためには』:リルケ『マルテの手紙』より」から「愛に満ちた多くの夜の回想」です。

こりゃ、「ベン・シャーン展 わたしは憎むものを描く。わたしは愛するものを描く。」のフライヤーと同様、パネルにしてしまうしかないでしょう

ということで、こんな風に寝室に飾りました。

121126_1_06 折り目が目立つことと、フレームがきちんと組み立てられていないことが難点ですが、それはまぁ、ご愛敬ということで…。

「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト-写真、版画、グラフィックアート-」展のポスター2,500円だったのに、

121126_1_07 こちらは無料ですから

   

「丸沼芸術の森所蔵 ベン・シャーン展 ー線の魔術師ー」の会期は来年1月14日までと、たっぷりありますから、もう一度行ってみようかな、思っています。

それにしても、MISIAのあの件の「正式発表」はいつなのだろうか? そもそも、この記事正しいのだろうか?

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先週末も博物館・美術館をハシゴ(その6・最終回)

2012-11-25 14:07:33 | 美術館・博物館・アート

「先週末も博物館・美術館をハシゴ(その5)」のつづきは、このシリーズの最終回、先週日曜日(11/18)に東京国立博物館(東博)総合文化展で観た作品のご紹介です。

東博名物(?)のユリノキ真っ黄色紅葉していました。

121125_2_02

ちなみにJR上野駅公園口から道路を渡ったところにあるイチョウは、盛りまであと一歩の状態で、今日あたりは見頃かもしれません。

   

東博の本館2階 高円宮コレクション室では「根付 高円宮コレクション」が公開されていて、根付コレクションを楽しむことができます。
加えて今、高円宮コレクション室に加えて特別4室(2階)で特集陳列「東京国立博物館140周年・高円宮殿下十年式年祭記念特集陳列 根付 高円宮コレクション」が行われています(12月9日まで)。
さらにさらに、本館14室(1階)では特集陳列「根付 郷コレクション」が公開されていて(12月9日まで)、
今、東博では、根付の名品がいったい何個陳列されているだろうか という状況になっています
この「根付 郷コレクション」は、こちらで書いたように明治中期~昭和初期の財界の超大物郷誠之助」さんが収集した根付のコレクションで、普段は本館10室「浮世絵と衣装―江戸(衣装)」で少しずつ公開されています。
ですから、特集陳列「根付 郷コレクション」でも見覚えのある作品がチラホラ…。

そんな「根付 郷コレクション」からこの一品を

121125_2_03

決して吐いている様子ではありませんで、お歯黒をつけているところです
江戸時代(19世紀)の作品だとか。
要するにお化粧の最中を捉えた根付だなんて、どういう趣味をしているが身につけていたんんでしょうねぇ

   

121125_2_08 毎回お楽しみの甲冑コーナー(武士の装い―平安~江戸)には初めて観る(英語では“Helmet”)が展示されていました。

紺糸素懸威置手拭形兜(こんいと すがけおどし おきてぬぐい なりの かぶと)」、さすがは意表を突く甲冑の黄金期「安土桃山~江戸時代・17世紀」のものだけのことはあります

説明板では、

筒型の板の上に中央を高くした板を乗せて鉢を形作る。上に乗せた板が、手拭を乗せた様を連想させることから置手拭形と称される。鋲の座に梅花形を入れ、正面に眉形の切鉄(きりがね)を打つ。この種の鉢を紀州雑賀(さいが)や奈良の甲冑師春田が製作したことが知られている。

だそうです。
珍しい形状の兜ですが、全体のバランスは良くないなぁ…

   

本館1階の正面玄関の真裏にあたるラウンジ(モザイクの壁がステキです)を通り過ぎるとき、ふと時計を見上げると、

121125_2_04

あれっ

この写真のタイムスタンプは「15:53」。
止まっているだけか、はたまた壊れたか…
前回見たとき(今年10月)はきちんと動いていたのだけれど…。

   

次はコチラの埴輪

121125_2_05_2 真岡市・鶏塚古墳こちらでも登場)出土の「挂甲の武人」(古墳時代・6世紀)なんですが、あごひもがないし、腰パンしているみたいで、何ともだらしない

国宝「挂甲の武人」(群馬県太田市飯塚町出土)は随分と見てくれが違いますぞ

121125_2_09 でも、「鶏塚の武人」にも見どころがありまして、全体が市松模様になっています。
それも、彩色だけではなく、色違いのパネルを組み合わせたようになっているんです

121125_2_06 どことなく呪術的な香りが漂っています…

   

次は、座敷でが座り込んでいる不思議なこちらの絵。

121125_2_07 南北朝時代(14世紀)に描かれた「聖徳太子絵伝断簡」で、説明書きには、

伊予藩主・久松家に伝来した太子伝絵巻の残欠の一部。場面は、太子の愛馬の黒駒が、歩行を乱して太子を驚かせたことを悔やみ、食事すらしなかったところ、太子の温情ある言葉を伝え聞いて安心して食事をしたという、心和む説話の一齣(ひとこま)。

とあります。

心和む笑ってしまうかは別にして、面白いお話です。
ただ、聖徳太子の伝記絵にしては装束が平安時代していて、なんだかですな。

   

長々と書き連ねてきたこのシリーズ、こちらの作品で締めましょう

121125_2_10 季節感あふれる展示替えが得意な(収蔵品を大量に持たないと不可能)東博らしく、勝川春潮の錦絵「風流七五三」(江戸時代・18世紀)です。

なんともお父さんの顔が優しい

3歳の男の子(裃姿)7歳の女の子(振り袖姿)は判るのですが(でも7歳にしては大きすぎない?)、5歳児らしき坊主頭の男の子は何なんでしょうか?

ところで、この日、紀尾井町から四谷駅に向かって歩く途中、こんなポスターを見かけました

121125_2_11聖イグナチオ教会「七五三祝福式」ですって

へぇ~、教会でもやってるんだぁ

ポスターには、

 

七五三を迎えるお子さんであれば信者ではなくても参加できます。

とありますが、クリスチャンでない人が、わざわざ七五三のために教会にいくだろうか…

と考えたのですが、ここで言う「信者ではなくても」は、キリスト教の別宗派、例えばプロテスタントの人なんかを意識しているんじゃなかろうか

それにしても、教会で七五三ねぇ~
もっとも、七五三のお参りは神社でもお寺でもOKなわけだから、キリスト教会でも、イスラム教会でもOKなのかもしれません。

ということで、なんとか1週間以内で「先週末も博物館・美術館をハシゴ」シリーズ完結であります。
とっぴんぱらりのぷう

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先週末も博物館・美術館をハシゴ(その5)

2012-11-25 09:26:05 | 美術館・博物館・アート

「先週末も博物館・美術館をハシゴ(その4)」のつづきは、東京国立博物館(東博)のリターンマッチ、総合文化展のお話です。

私が東博の門を入ったのは15:30頃だったのですが、驚いたことに、本館前には特別展「出雲―聖地の至宝―」に入場待ちの行列ができていました(第一会場と第二会場の間にも入場待ちの列が)。先週来たとき(記事はこちら)は楽々だったのに…
さらに、本館正面の池のユリノキちゃんとトーハクくんのボードがある記念撮影スポットに人だかりができています。

121125_1_01

なんじゃ、あれは 千木と勝男木を頭に載せた着ぐるみ
なんでも、「しまねっこ」という名前の島根県のゆるキャラで、

神話博しまねが終わって、初の出張にゃ~!!
今回は初めての東京国立博物館に行って来るにゃ!
今、東京国立博物館で、特別展「出雲―聖地の至宝―」を開催しているにゃ。
しまねっこはそこで、特別展と島根県のPRをするにゃ。
“しまねっこダンス”も踊るから、お友達のみんなも来て一緒に踊ろうにゃ。楽しみにゃ~

だそうな(今週末は羽生市で開催されている「ゆるキャラサミット in 羽生」にご出張だとか)。

   

さて、このシリーズ「先週末も博物館・美術館をハシゴ」、うかうかしていると「先週末」じゃなくなってしまいますので、さっさと仕上げてしまいたいところ。
でも、1本の記事でこの日の東博見聞記をまとめるのはかなりしんどいのも事実です。それほど盛り沢山な東博・総合文化展でした。何度も来てるのにね…
これというのも、菱川師宣の作品「歌舞伎図屏風」と「伝・菱川師宣筆」とされる「浮世人物図鑑 下」が何とも元禄で、楽しくて、見入ってしまったのですよ。

まずは、菱川師宣の代表作のひとつ「歌舞伎図屏風」から。

この作品は六曲一双屏風ですから、私のカメラでは、っつうか、展示室内では全貌を1枚で捉えるのはほぼ無理。なもので、撮ってきた2枚の写真を繋げてみました。

121125_1_02

これじゃ小さくてよく判りませんナ

気を取り直して、右隻の写真を載せましょう。

121125_1_04

この「歌舞伎図屏風」は、説明書きによれば、

右に芝居小屋「中村座」の入口と、役者総出の太平楽の華やかな舞台と観客席、左に楽屋とこれに繋がる茶屋が緻密な描写と構成によって、臨場感をもって表現されている。285人のさまざまな人びとの姿が、活き活きと描き込まれた師宣最晩年の代表作である。

というもの。
「中村座」は、江戸東京博物館に一部が実物大で再現されていましたっけ…。

121125_1_03

この再現された江戸博の中村座19世紀初期のものだそうですが、師宣が描いたのは17世紀末、まさに元禄時代の中村座です。

121125_1_05 小屋の外は、呼び込みの声や雑踏のざわめきが聞こえるようですなぁ。

そして、中では観衆がてんで勝手に楽しんでいます。

なぜか客席(土間)の最前列では授乳中のお母さんがいたりして…

121125_1_07_2 ところで、日本絵画の伝統として、屋根や天井をとっぱらって、上空から俯瞰する構図(吹抜屋台(ふきぬきやたい))がありますが、この作品はそうではありません。

実際、劇場(客席)には屋根がなかったらしいのですよ

劇場の入口(木戸)付近をよく見ると、壁というよりが伸びていて、内部では、舞台に屋根がついているし、観客もを被っている人がいたりします。

こちらのサイトによりますと、

元禄初期頃の劇場の様子では、舞台、楽屋、桟敷には屋根が付いているが、後の土間となる一般席部分には屋根がなかったので、雨天には興行ができなかった。享保期(1716-36)に見物席の全体を覆う屋根が許される。

だそうな

不思議なことに、シェイクスピアが活躍したエリザベス朝(16世紀末~17世紀初)のイングランドでも、劇場の一般席は平土間で、屋根がかけられていなかったのだとか。

121125_1_13

上の写真は6年前に撮ったロンドンのグローブ座です。

恋におちたシェイクスピア [DVD] 恋におちたシェイクスピア [DVD]
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2012-04-13

話が逸れてしまいました

で、桟敷の観客もまた…

121125_1_06

いかにも風流人っぽい格好で、舞台に背を向けて…って、何をしに中村座にやって来たんでしょうかねぇ

前記のように左隻には「楽屋とこれに繋がる茶屋」が描かれています。

121125_1_14

この楽屋の様子がイイ

121125_1_15 鬼(?)の被り物をつけようとしている役者、着付けしてもらっている役者、チューニングしているらしい鳴物方、一仕事終えたのか談笑している人…。

大勢の人たちがエンタテインメント業に携わっていて、老若男女が貧富の差を問わずに着飾ってエンタテインメントを楽しむ様子、見ている方も楽しくなってきます。

時、まさに元禄、楽しむべし、って感じですなぁ

   

もう一つの作品、「浮世人物図鑑 下」もまた華やかで楽しくて、「元禄」を発揮しています。

この作品(巻物)は、「歌舞伎図屏風」と比べてに味が足りませんが、こちらを観るとやはり師宣っぽい…

121125_1_12 「見返り美人」ならぬ「見返り母」です。

それはさておき、「浮世人物図鑑 下」に描かれた川遊びが豪勢

なにも川遊びの最中に囲碁なんかしなくてもよいとは思いつつも、

121125_1_16 三味線の音を聞きながら碁を打つのもまたオツなものってやつかもしれません。

また、こちらの親子

121125_1_17 花火を楽しむために二人きりで川に漕ぎ出した?

こちらのお侍さんは大勢の人が乗り込んだ屋形船から花火を打ち上げています。

121125_1_18 皆さん、楽しんでいらっしゃいますなぁ。

楽しむお客さんを横目に、料理人たちも一所懸命に仕事をしています。

きっと揺れているだろうに刺身を造っている料理人…、

121125_1_08 かと思ったら、この人、腰にを差しています もしかして、お侍さんが趣味の手料理を披露しているのでしょうか?

一方、こちらは何かを焼いています。

121125_1_10 何を焼いているのかよく判りませんが、なんとなく蒲焼きっぽい…。

300年以上前の音や匂いが封じ込まれているようで、楽しい作品です。

ということで、今日中に(その6)をアップして、「先週末も博物館・美術館をハシゴ」シリーズを完結させることにします

つづき:2012/11/25 先週末も博物館・美術館をハシゴ(その6・最終回)

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先週末も博物館・美術館をハシゴ(その4)

2012-11-24 11:18:13 | 美術館・博物館・アート

「先週末も博物館・美術館をハシゴ(その3)」のつづきです。

私、上野に「奏楽堂」と呼ばれる施設が二つあるとは知りませんでした。また、東京都美術館の裏側に立つステキな木造の「奏楽堂」江東区の所有・管理する施設であることも知りませんでした。

121124_1_03

この建物の正式な名称は「台東区立旧東京音楽学校奏楽堂」で、元の所有者・東京藝術大学には、1984年に老朽化を理由に旧奏楽堂が解体(移設)のあと、新しい奏楽堂が建てられています。

その存在すら知らなかった東京芸大の新「奏楽堂」はもちろん、こちらの旧東京音楽学校奏楽堂もこれまで外観を眺めるだけで内部に入ったのは今回が初めてでした(入館料は300円)。

121124_1_01

狭義「奏楽堂」=ホールは建物の2階にありまして、こんな感じ(演奏中・リハーサル中は撮影・録音禁止)。

121124_1_04

客席数338のこぢんまりしたコンサートホールです。

外光が入るホールは珍しいと思うのですが、それ以上に驚いたことに、ホールの壁際には暖房用のラジエーターが並んでいて(ピンぼけ、ゴメン)、

121124_1_05

座席の下にもラジエーター式の暖房装置が

121124_1_06 でも、考えてみれば、温風暖房だとどうしても風音がして、音楽鑑賞の邪魔になりますが、温水orスチーム暖房だと、無音で暖まります

でも、はどうする?
もしかして、冷房なし?

それはともかく、この旧東京音楽学校奏楽堂、オリジナルは1890年に建てられたもので、本格的な西洋式音楽ホールとしては日本初だとか

そして、ステージ中央に鎮座するパイプオルガンは、紀州徳川家(また出た)第16代当主の徳川頼貞さんが私設の音楽堂「南葵楽堂」に据え付けるべく1920年にUKから輸入し、1928年に東京音楽学校に寄贈したもので、コンサート用オルガンとしては、これまた日本最古のものだそうな。

121124_1_10

「南葵楽堂」こちらのサイトに写真が載っています)は私設の音楽堂とはいえ、紀州徳川家の菩提寺・長保寺のサイトに載っている頼貞さんの述懐によれば、

間口七間、奥行十五間半、天井の高さ二十八尺で、建坪はおよそ百坪であり、座席は三百五十名をいれられた。

というもので、メートル法に換算すれば、12.7m×28.2m×8.5m、建坪約330㎡と、旧東京音楽学校奏楽堂(梁行16.4メートル、桁行26.4メートル、客席338席)とほぼ同じ規模です。

頼貞さんが「南葵楽堂」用に輸入・組み立てたパイプオルガン(輸入も組立も相当大変だった模様)を、8年後に東京音楽学校に寄贈したのはなぜか?

頼貞さんの述懐によれば、

南葵楽堂は関東大地震災で大きな被害を蒙ったので、私はパイプ・オルガンを東京音楽学校に寄附した。現在同校演奏室にあるのがそれである。

だとか。
「譲渡」「売却」ではなく、「寄附」というところが、太っ腹、さすがお殿様です

もっとも、Wikipediaの記載によれば、当時の紀州徳川家の家計は大変な状況だったようで、周りの人たちの反対を振り切っての「寄附」だったのではなかろうかと推察します。

このパイプオルガンは、ホールともども現役で、隔週日曜日に演奏を聴くことができます。

121124_1_07 旧東京音楽学校奏楽堂では、「日曜コンサート」と題して、第1・第3日曜日にはチェンバロ第2・第3日曜日にはパイプオルガンの演奏会が開催されています。いずれも14時と15時の2回公演で、演奏者は東京芸大の学生・院生。入館料(300円)だけで聴けます

私、恥ずかしながら、こんな素晴らしい企画があることもこの日に初めて知りました。

私が行った時はチェンバロの演奏会でしたが(右の画像をクリックするとPDFが開きます)、生まれて初めて生チェンバロの音を聴けたし(予想以上に音量が小さい)、演奏もなかなかだったし、ホールもよかったし、これまで「日曜コンサート」を知らなかったことでをしていた気がします(ただ、聴衆の中には、乳幼児を連れた人がいたりして、ちょっと…

次回はパイプオルガン(生パイプオルガンの演奏は友人の結婚式で聴いたことがあります)の演奏会を聴きに行きたいものです

   

旧東京音楽学校奏楽堂の1階は展示室と楽屋・リハーサル室になっています。

121124_1_08

展示室3~5では特別展「こどものうた~大正時代の童謡運動~」が、展示室1・2では旧奏楽堂の構造物(こういうの、好きなんだぁ)などの展示が行われていました。

特別展「こどものうた~大正時代の童謡運動~」は、

「赤い靴」や「青い目の人形」を作由した本居長世を中心に、東京音楽学校出身の作曲家たちの直筆譜や関連資料を公開。大正時代に花開いた童謡の様相を展望します。

というもので、本居長世こちらこちらの記事でも登場)の他、成田「浜辺の歌」為三こちらの記事でも登場)、中山「シャボン玉」晋平山田(赤とんぼ)耕筰中田(小さい秋みつけた)喜直といった日本を代表する作曲家の方々の直筆譜などが展示されていました。

この中に本居長世「童心如神」の書がありまして、上記の「日曜コンサート」の途中にむずかっていた赤ちゃんの泣き声「神の声だったのだろうか…とつまらないことを考えてしまいました。でも、ものごころつかない赤ちゃんにはまだ「童心」はないのだろうな…

展示室1・2に展示されていた旧奏楽堂の壁の構造見ものです

現代の住宅建築では壁の内側にグラスウールなどの断熱材が仕込まれますが、旧奏楽堂の壁の内側には吸音材・遮音材としておが屑が詰められていたというのです(Wikipediaにも書かれていました)。

まさに手抜きなしって感じですなぁ。

   

Wikipediaには、

1972年(昭和47年)、老朽化のため大学構内から愛知県犬山市にある博物館明治村への移築保存で合意されたが、日本建築学会、音楽家グループ、市民らの反対により撤回され、1983年(昭和58年)に台東区へ譲渡された。
1984年(昭和59年)、台東区は解体・修理後に上野公園内へ移築を行い、1987年(昭和62年)10月から一般公開が開始した。翌1988年(昭和63年)1月、国の重要文化財に指定された。

とありますが、明治村(いつか行きたい)ではなく、上野公園の一角に移築され、そして現役のホールとして使われているというのは、両ウイングが短くなってしまったことは残念ながらも、うれしいことです。

ところが、移築から30年近く経ち、

121124_1_02 「設備等に老朽化がみられるようになったため」来年4月から休館するようです。

休館期間は、来年春に出る「老朽度・耐震強度等の調査」の結果を受けて明らかにされるのだそうで、現時点では不明です。

素人的には、旧奏楽堂関東大震災に耐え、旧東京音楽学校奏楽堂東日本大震災に耐えた建物ですから耐震性は大丈夫そうな気がするのですが、木造建築ですから経年劣化は避けられないでしょうし、こんなステキな施設が末永く使われていくためには、ここいらでお手入れも必要でしょう。

休館の前に、また出かけて、「日曜コンサート」を楽しみたいと思っています。

つづき:2012/11/25 先週末も博物館・美術館をハシゴ(その5)

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先週末も博物館・美術館をハシゴ(その3)

2012-11-23 14:03:08 | 本と雑誌

「先週末も博物館・美術館をハシゴ(その2)」のつづきもまた回想から始まります。

その昔、神田神保町のすずらん通り三省堂書店のちょい先に見事な建物が立っていました。

121123_2_03 冨山房です。

1932年に竣工したもので、設計は、早稲田大学大隈記念講堂(1927年)、日比谷公会堂・市政会館(1929年)、津田塾大学(1931年)などを設計した佐藤功一
私が初めてこの建物を観たとき、なんとキレイな、そして見事な建物なのだろうと感激したものでした。
ところが、それからまもなく(1985年)この建物は建て替えのため解体されてしまい、もう、写真でしか見ることができません

ちなみに左の写真はこちらの本から拝借しました。

昭和二十年東京地図
価格:¥ 3,570(税込)
発売日:1986-08-15

さて、なぜここで冨山房の話を、それも出版関係ではなく、建物関係で持ち出したかといいますと、ニューオータニ美術館で観た「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」の出品作の中にこちらを見つけたからなんです

121123_2_02

冨山房が編集して関係者に配布したもの(非売品)と思われる「新築落成記念 冨山房」(1932年)ですと

これは意外な作品に出会いました

121123_2_01 さて、「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」は、金子國義さん所蔵の肉筆画「星祭り」(←大好き)「茄子」とか、埼玉県立美術館(MOMAS)所蔵の紅梅図の着物と帯舞台装置原画なんかもありましたが、基本的に本の装幀の展示がほとんどでした。
そして、2年半ほど前にMOMASでの「小村雪岱とその時代」展(記事はこちら)で観たものと重なる作品も多かったのですけれど、やはり雪岱いいなぁ~

そして、この2年半の時代の変化が、雪岱の装幀になるに対する感慨を深めてくれます。

先日、Amazonからkindleの広告メールが届きました。

121123_2_04

しばらく足踏み状態だった気がする「電子書籍」が、タブレット端末の種類が増えたことやWiFi環境が整ってきたことを背景にしてか、一気に花開いてきた気がします。

音楽の分野でCDからネット配信にシフトしていったように、電子書籍にシフトしていくのでしょうか?

「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」で展示されていた芸術作品としかいいようのない美しい本の数々を眺めていると、こうした「紙の本」は、好事家のための奢侈品になってしまのかなぁ…と思ってしまいます。
寝台列車での旅行が、時間お金に余裕がある人たちのものになってしまったように…。

121123_2_05 こんなことを考えながら「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」の図録を眺めていると、平田雅樹さんが、

雪岱の装幀本は、まさに手のひらの上の美術である。多色木版画技術の粋を凝らした数十度摺りの精巧なものから、黒表紙に黒一色摺りや光の反射で輝く膠摺など手にした者にしか分からないシンプルで繊細な意匠まで、多種多様な装幀で観る者を楽しませてくれる。他の国に類を見ないこの日本独特の書物の美も、電子書籍が主流となりつつある現代においては、アナクロニズムと言われれば首肯せざるを得ない。それでもなお、美しく装幀された書物という「オブジェ」は、手にする者を魅了し続けると筆者は信じる。

と書かれていました。

「紙の本」アナクロニズムになるとは思えませんが、生きる道が狭まる可能性は充分にあります。そして、街の本屋さんはますます経営が厳しくなるのは確実だと思っています。
出版社は「電子出版」に移行すれば済むものの、街の本屋さんはどうしたらよいのでしょうかねぇ…

「紙の本」ネットで買うことが多くなってしまった私ですが、たまに街の本屋さんに行って書棚や平台を眺めると、ネットショッピングでは気がつくはずもない意外な本と出会えます。
やはりが街の本屋さんなくなってしまったら困るだろうね、きっと…

ところで、「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」の会期は今週末(11月25日)までです。
興味のある方はお急ぎください

つづき:2012/11/24 先週末も博物館・美術館をハシゴ(その4)

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先週末も博物館・美術館をハシゴ(その2)

2012-11-23 10:38:47 | 美術館・博物館・アート

「先週末も博物館・美術館をハシゴ(その1)」のつづきなんですが、16年ほど前(そんな前だったか…)、埼玉県立近代美術館(MOMAS)で、「読解された風景 現代アメリカ美術の一断面」という企画展を観ました。

この企画展は、フライヤーの記述を借りれば、121123_1_01

「風景」は、アメリカ美術の歴史を貫くもっとも重要なテーマです。19世紀の風景画家から戦前のチャールズ・シーラーなどの画家に至るまで、「風景」は直接的に、あるいは変形されて描かれ続けてきました。そして、現代のアーティストにとっても、「風景」や「場所」の意識が重要であることは変わりません。しかし、今日ではその意味も大きく変化しました。もはや「風景」とは単なる地理的な景観ではなく、政治風土や社会構造であったり、心理状態を反映するものでもあります。そして、それらのアーティストたちは、絵画や彫刻ばかりではなく、写真やインスタレーションなど様々な技法を通して、それぞれ異なる批評的、美的な解釈による「風景」や「場所」の表現を試みています。この展覧会はこうした傾向に焦点をしぼり、オハイオ州に在住する11人のアーティストを紹介しようとするものです。

というもの。

そして、出品作品の中に、16年経っても忘れられないほど私の頭の中に深く刻み込まれた作品がありまして、それが、こちら。

121123_1_02

マスミ・ハヤシ「マンザナール強制収容所(Manzanar Relocation Camp, Guard Gate)」です。

「マンザナール強制収容所」というのは、Wikipediaの記述によれば、

第二次世界大戦中に日系アメリカ人が収容された収容所の一つ。

で、

収容所は最も多くて10,046名を収容した。合計では11,070名が収容された。アメリカ全土で日系人110,000名以上が大統領令9066号によって強制的に抑留され、多くはその財産全てを失った(詳細は日系人の強制収容を参照のこと)。

とのこと。

マスミ・ハヤシさんの作品として切り出された荒涼とした沙漠の中に残る「生活の跡」から、収容されていた日系人の人たちへ思いを馳せ、さらにその数年前に読んだドウス昌代さんの「ブリエアの解放者たち」を思い出しました。

ブリエアの解放者たち (文春文庫) ブリエアの解放者たち (文春文庫)
価格:¥ 530(税込)
発売日:1986-12

   

121123_1_03 東京藝術大学大学美術館で開催中の「尊厳の芸術展 -The Art of Gaman-」で展示されているのは、強制収容された日系アメリカ人の人たちが「限られた材料と道具をもとに作られた美術工芸品や日用品の数々」

「アメリカ人」として普通の生活を送っていた人たちが、日系人だから敵国・日本にルーツを持っているから、という理由で、「準備期間すら満足に与えられなかった上、わずかな手荷物だけしか手にすることを許されず、着の身着のままで強制収容所に収容された(Wikipedia)」人たちが創りだした品々は、椅子や杖、カゴ、そろばんといった日用品から、ブローチ、置物、花札といった「趣味の品」、仏壇や日本人形、硯といった「日本」的なものと様々です。

共通するのは、材料がDIYショップで買ってきたような「新(さら)の素材」ではなく、廃材や農作物用の袋(を解いた糸)、鉄パイプ、小石や貝殻、コンクリートといった拾ってきたものであること。

手荷物程度しかモノがない状態で、というか、いつまで収容所生活が続くのかまったく判らない状態での生活は、どれほどシビアなことだったかと思うのですが、そんな状況で、展示されている品々が創り出されたことは衝撃でした。

展示品を観て、私の頭の中に浮かんだ言葉は、展覧会のタイトルにもなっている「尊厳」です。英文タイトルの「Gaman」よりも「尊厳」の方がずっとふさわしい
喰って寝るだけなら「ヒト」という動物です。強制収容所の日系アメリカ人たちは「ヒト」でいることに飽き足らず、モノを創ったり遊んだりすることで「人間」でいつづけることができたのではなかろうか。

その象徴的な作品が、先週のNHK日曜美術館「GAMANの芸術 戦時下に刻まれた不屈の魂」 でも取り上げていた「表札」でしょう。

121123_1_04 管理するアメリカ人から番号で呼ばれることに嫌気がさした山市兼一さんは、廃材を使って表札を創り、それをバラックのドアに釘で打ちつけたのだとか。

番号で呼ぶな 俺は山市兼一だ

という人間宣言です

また、ヤシの葉で飾りがつけらた廃材製の テーブル(作者不詳)や、色とりどりの小石をコンクリートで固めた鉛筆立て(ヘイキチ エザキ)などは、困難な生活の中でも「おしゃれ」を楽しもうとする心の豊かさ強さを感じました。

一方、芸術作品的な輝きを放っていたのが「線刻花器」(ノリチカ アカマツ)でした。(お持ち帰りしたかった…)
黒光りする円筒の側面に線刻が施された花器なんですが、その素材が驚き
「鉄製の下水道管だというのです

なんとまぁ…デス

モノがあふれているのに「買いたいモノがない」なんていう贅沢な現代に生きる日本人は刮目するべき展覧会だと思います。

東京藝術大学大学美術館での会期は12月9日まで入場無料)、その後、福島(2013年2月9日~3月11日)、仙台(2013年5月5日~5月18日)、沖縄(2013年6月1日~6月30日)、広島(2013年7月20日~9月1日)を巡回するようです。
お近くで開催される際には、是非足を運んでみてください。
お薦めです

つづき:2012/11/23 先週末も博物館・美術館をハシゴ(その3)

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最近、毎日確実に届くもの

2012-11-21 22:11:02 | 日記・エッセイ・コラム

ここしばらく、帰宅すると必ずと言って良いほど「季節のはがき」が届いています。

「季節のはがき」というのは、そう、喪中欠礼のはがきです。
友知人から届く「父母が亡くなった」「義父母が亡くなった」というはがきは例年になく多い気がします。
私もそんな年頃なんですなぁ…
親を大事にしなくては、と切に思う今日この頃です。

   

もうひとつ、ここしばらくひっきりなしに届いているのが、スパム・コメント
コチラで書いた「ソフトバンクモバイルのIPアドレスから」のスパムはなりをひそめたようですが()、代わって「グッチのアウトレット・ショップ」(どうせ、コピー品でしょ)へのリンクを貼ったスパムが続々とやって来ます。

ここ5日間に届いたスパムの「投稿者」はこんな方々

グッチ 財布
グッチ バッグ ボストン
グッチ シャツ
グッチ 通販
グッチ バッグ
グッチ アウトレット 財布
グッチ 時計 レディース

そして、コメントは、

はじめまして。突然のコメント。失礼しました。

というのがあるかと思えば、

こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま~す。よろしくお願いします

があって、そのあとに、またもや

はじめまして。突然のコメント。失礼しました。

と、支離滅裂
更に、

匿名なのに、私には誰だか分かる・・・(^_^;)ありがとう。。。

なんて不気味なコメントもあったりして…

でも、最初に「グッチ 時計 レディース」と称する「投稿者」からスパム・コメントが届くや否や、さっさと禁止IPアドレス・キーワード」「グッチ」を登録したところ、ぜぇ~んぶ、最初からスパム扱いです

ちなみに「グッチ ●●」からのスパムは、規則性の見当たらないIPアドレスから送られてきていますので、この「キーワード」はかなり有効だったようです。
ただ、もしもグッチ裕三さんからコメントが来たら、救済措置をとらなければ…

でも、「スパム」コーナーにどんどん投稿が貯まるのは、ある意味、鬱陶しい…

【追記】「『ソフトバンクモバイルのIPアドレスから』のスパムはなりをひそめたようですが」なんて書いたら、今朝、また届いていました まったく・・・ (2012/11/22 08:16)

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