新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

先週の「日曜美術館」

2016-07-31 09:30:08 | 美術館・博物館・アート/テレビ番組

先週のNHK「日曜美術館」は、本編「アートシーン」魅力的で、お出かけしたい気分が激しく盛り上がりました。

まず「本編」「シーボルト 幻の日本博物館」

日本の近代化に大きな影響を与えたシーボルト、日本で研究・蒐集したコレクションを持っていたことは知っていましたが、

ドイツの古城に、大量の日本の美術品や民俗資料が未調査のまま埋もれていた。収集したのは、幕末の日本から地図を持ち出した事件で知られるシーボルト。彼は、世界初の日本博物館を作ろうとしていたのだ。

とまでは知りませんでした。

というか、「幕末期にシーボルトという人物が日本にやって来て、長崎のオランダ商館で医師として活躍する一方、鳴滝塾で日本の青年達に蘭学を教えた」ということくらいしか知らなかったというのが真実に近い…
そもそも、この番組を観るまで、シーボルトドイツ人だとは知りませんでした(オランダ人だとばかり思っていた)。

それはともかく、

その内容は今までなぞに包まれ、幻とされてきたが、国立歴史民俗博物館などがその全貌を初めて再現した。西欧のジャポニスムより早く、初めて日本を紹介しようとしたシーボルト。彼は日本のどのような魅力を伝えたかったのか?

という先週の日曜美術館「シーボルト 幻の日本博物館」は、ホント面白かった

日本に魅せられたシーボルトが集めたコレクションは、美術的な視点よりも、民俗的・博物的な視点によるもののようで、そうしたコレクションは、体系立てた状態で観ることはなかなか難しいもの。
地元に残されていた道具や民具などを展示している公立の博物館は少なくありませんが、ただ陳列しているだけ、とまで言い過ぎかもしれませんが、ゴチャゴチャ感に溢れた展示が多い印象があります。「集めた」よりも「集まった」ものが多いからなのかもしれません。

幕末期の日本にやって来た異邦人が、異邦人の目で当時の日本の風俗や自然を観て、気になったもの・気に入ったものを蒐集したら、どんなコレクションができあるのでしょうか?

千葉・佐倉の国立歴史民俗博物館(歴博)では、

本展では、6年間にわたるシーボルト関係資料の総合的な調査によって得られた新しい成果をもとに、シーボルトがヨーロッパで実際におこなった日本展示に焦点を当てます。

「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」が開催されています。

歴博には5年前前回の訪問記)に行ったきりだし、久しぶりに出かけてみようか、、と思う一方で、やはりちょいと遠い
なんて考えながら日曜美術館「シーボルト 幻の日本博物館」を観ていたら、9月4日まで歴博での展示が終わると、ほぼ続けざま9月13日から江戸東京博物館(江戸博)に巡回するらしい(来年2月には長崎歴史文化博物館、その他詳細不明ながら、名古屋・大阪にも巡回するっぽい
それなら江戸博での開催を待とうか…なんて考えてしまいます。

いずれにしても、絶対行くぞ 「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」

   

先週の日曜美術館 アートシーンで紹介された作品・展覧会も魅力的で、あちこちに出かけたくなってしまいました。

まずは敬愛する山口晃画伯の新作「冨士北麓参詣曼荼羅」
富士河口湖町にある「富士山世界遺産センター」常設展示されているらしいのですが、富士河口湖町といえば、今年5月初め「MISIA星空のライヴIX」河口湖ステラシアター公演で3日連続出撃したのに、そんな雰囲気(?)まったく無かったぞ

と思ったら、富士山世界遺産センターは、6月22日にオープンしたばかりなんだとか。

どこにできたのだろうか? と思ったら、、、、

富士スバルラインの入口近くで、河口湖ステラシアターから歩いて行ける距離ではありませんか

今度河口湖ステラシアターでのライブ出撃するときは、例によって早めに駐車場所を確保したら、徒歩で出かけてみましょうか

ちなみに、静岡・長泉町にある「静岡がんセンター」では山口画伯「階段遊楽圖」2011年にヴァンジ彫刻庭園美術館で開催された「東海道 新風景 山口晃と竹﨑和征」展で現物を拝見済み)が飾られていると聞いていますが、場所が場所だけに、絵画を観るためだけに行くのは憚れます(今年5月に近くを通ったときも迷った)

   

九州国立博物館(九博)で開催中の「東山魁夷」展魅力的

東山魁夷の作品は、断片的に拝見したことはあっても(洗面所の今年のカレンダーは東山魁夷の作品集です)、回顧展は観たことがありません。

それだけでも魅力的だというのに、この展覧会では、唐招提寺御影堂障壁画が展示されるというのですから、見逃すわけにはいかないでしょ
もともとめったに拝観できない作品だし、加えて唐招提寺御影堂自体が修理中のため、5年間は拝観できないし

昨年12月のこちらの記事で、

既に先月末(昨年11月末)修理前の特別公開を終えたようで、 修理期間中は、
修理期間中、鑑真和上坐像は境内での安置を検討。日本画家の東山魁夷さんが描いた堂内のふすま絵についても保管場所などを検討している。(奈良新聞)
だそうですから、もしかすると、唐招提寺以外の場所も含めて、国宝「鑑真和上坐像」東山画伯作の襖絵を拝観できる機会があるかもしれません。
期待しています。

と書きましたが、その「機会」がやって来たわけで、いてもたってもいられず、九博出撃を決めました
マイレージを使えば交通費の大部分が浮きますし、東京国立博物館パスポートも使えますしね

ただ、問題ホテル

手頃な価格の部屋がほんっっっとに無い
休前日の宿泊料が、他の日の2~3倍なんてザラですもの。
首都圏・関西だけでなく、福岡もこんな状況だとは知りませんでした

MISIAが出演する8月28日宗像フェスに絡めて出撃しようかとも思いましたが、手頃なホテルが見つからず、結局、来週末九博単独出撃することにしました。

私の福岡出撃(記事はこちら)は、これまた九博「神品至宝 台北國立故宮博物院」展を観るためだけに出かけた2014年10月以来で、このときは台風のせいで散々だった(こちらの記事をご参照方)ものですから、今回は無事に楽しめることを祈っています。

   

もう一つ、先週の日曜美術館 アートシーンで紹介された大原美術館にも久しぶりに出かけてみたくなりました。

「THE TOUR OF MISIA LOVE BEBOP」では、倉敷公演(17/1/13)が予定されていて、遠征ついでに大原美術館を観てくるテもあるのですが、諸般の事情により、「THE TOUR OF MISIA LOVE BEBOP」ホールツアーへの遠征は、仙台札幌だけです。

と記事を書いているうち歴博に行きたい気分がモゾモゾ

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朝も夜も道路は「夏休みモード」

2016-07-29 22:58:18 | タウンウオッチング

早いもので、きょうで7月が終わります。

毎年、7月も半ばを過ぎると、朝も夜も道路は「夏休みモード」に突入して、酷い渋滞に悩まされるものですが、今年も例によって渋滞が酷い

こちらは、おとなしく渋滞に嵌まってウンザリするだけではつまらないですから、様々な迂回ルートを駆使して対応しています。

もっとも、迂回ルートを使うのが正しかった=早かったのかは判りませんが、少なくとも流れているだけでも気分的には良いものです。

まず、今週の朝のETC利用履歴はこんな風になっています。

私の「通常ETC利用ルートは、「高島平⇒(C2=中央環状線経由)東名接続⇒東京⇒横浜町田」なのですが、今週はその利用実績はゼロ
そもそもC2を使ったのは木曜日だけで、その他の4回遠回りC1=都心環状線経由でした。

朝の「迂回路」のことは、先月の記事「通勤時の迂回路を開拓した話」前編後編で書きましたので、そちらもご参照いただきたいのですが、

今週のルートを整理すると、、

月曜日:首都高速5号線下道⇒環八高速下⇒環八⇒練馬北町陸橋⇒R254北池袋ランプ⇒首都高速5号線⇒竹橋JCT⇒C1⇒谷町JCT⇒首都高速3号線⇒東名接続⇒東名横浜町田IC⇒R246
火曜日:
首都高速5号線下道⇒中台ランプ⇒首都高速5号線⇒竹橋JCT⇒C1⇒谷町JCT⇒首都高速3号線⇒東名接続⇒東名横浜町田IC⇒R246
水曜日
月曜日と同じ
木曜日:
首都高速5号線下道⇒環八高速下⇒環八⇒練馬北町陸橋⇒R254⇒日大病院入口⇒(大谷口界隈)⇒要町三丁目⇒要町通り⇒要町一丁目⇒山手通り⇒西池袋ランプ⇒C2⇒大橋JCT⇒首都高速3号線⇒東名接続⇒東名横浜町田IC⇒R246
金曜日:
首都高速5号線下道⇒環八高速下⇒環八⇒練馬北町陸橋⇒R254北池袋ランプ⇒首都高速5号線⇒竹橋JCT⇒C1⇒谷町JCT⇒首都高速3号線⇒東名接続⇒東名横浜青葉IC⇒R246

5日で4通りのルートを使いました。
今朝は、東名下り「休日のお約束」大和トンネルを先頭にした渋滞横浜青葉IC付近まで伸びていたもので、急遽、横浜青葉IC東名を降りて、R246を走りました。

一方、帰り道渋滞の連続です。

今週の帰り道所要時間はこんな具合でした。

今週の帰り道の逍遥時間

環八区間(瀬田~観蔵院入口)の所要時間は35~40分と、ホント混んでます

上の表で笹目通り区間(観蔵院入口~笹目橋)の水曜日~金曜日(今夜)が空白になっていますな。
これというのも、観蔵院入口からの渋滞ぐわぁ~井荻トンネル内に伸びていたものですから、こちらで書いたルート、環八⇒練馬北町陸橋手前⇒R254⇒新大宮バイパス迂回路3夜連続で使ったのですよ。
このルートは、10km通常の笹目通りルートより2km長いのですが、所要時間ほぼ15分で安定していて、今夜なんぞは約14分と、笹目通りルート遜色ないものでした。

ウダウダと書いてしまいましたが、何を言いたいのかといいますと、毎日、経験とデータとカンを駆使して通勤・帰宅しているということと、臨機応変にルートを変えられるクルマの自由さを感じているということ…。

またまた土地鑑のない人には、何の興味も湧かない記事で失礼いたしました

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「竹岡雄二 台座から空間へ」@遠山記念館(後編)

2016-07-26 22:09:58 | 美術館・博物館・アート

「『竹岡雄二 台座から空間へ』@遠山記念館(前編)」後編は、いよいよ竹岡さんの作品が展示されている遠山邸のお話です。

「竹岡雄二 台座から空間へ」@遠山記念館で展示されている竹岡さんの作品は6点だけ。

出展目録には、その6点の展示場所が示されていますが、予めその場所をチェックしてから観覧するよりも、広大遠山邸探検しながら竹岡さんの作品を探すのが楽しいかもしれません。

(右の画像をクリックするとPDFが開くはず)

例えば、「勝手口」というには余りにも立派「土間」(とはいいながら六角形の石貼りです)にもほら

なんだか覗き見風ですナ

この「金メッキを施したステンレス板」と、隣の囲炉裏のあるメインリビング(?)に展示されているルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインのための台座」は、

日本家屋独特の木のグリッド障子紙と作品とが見事にマッチしているな といった程度の感想だったのですが、中棟大広間からに展示されている「立っている彫刻II」を観たときはちょいと違う感覚が湧き上がってきました。

もともと人工的なものながら、ひたすら自然の再現を目指してつくられた日本庭園の中に佇む、ひたすら人工的石の角柱=「立っている彫刻II」は、強烈パワーを放っていました。

「立っている彫刻II」は、近くで観ても、やはり「ひたすら人工的」でした。

確かに違和感があるのだけれど、その違和感心地良い

これはいったいどうしたことなのでしょうか…

埼玉県立近代美術館(MOMAS)での「竹岡雄二 台座から空間へ」展の見聞録「『台座』の展覧会」で、

あの有機的この上ない遠山邸の中で観る「台座」は、どんな感じなのか、これまた興味津々です。

と書きましたが、期待以上インパクトでした。

この「立っている彫刻II」とか、西棟に展示されていた「萩」「立っている彫刻III」を観て連想したのは、こちらでした。

映画「2001年 宇宙の旅」の終盤に登場するシーンです。

人類進化のステップを迎える場面で現れるモノリス周りの風景・眺めを無視してドーンと立つモノリスの佇まいが、どことなく遠山邸内に展示されている竹岡さんの「台座」と似ている…

「そこに置かれた」ではなく、「そこにある」感じが、なんとなく心地良いのですよ。

合っているかどうかは別として、展覧会のタイトル「台座から空間へ」が持つ意味を、私なりに感じることができた気がしたのでした。

ということで、「『竹岡雄二 台座から空間へ』@遠山記念館」完結ですが、気が向けば、「補遺版」として、久しぶりだった遠山邸のことを書くかもしれません。

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「竹岡雄二 台座から空間へ」@遠山記念館(前編)

2016-07-23 20:12:02 | 美術館・博物館・アート

「竹岡雄二 台座から空間へ」展の遠山記念館展に出かけてきましたので、「『台座』の展覧会」のつづきのような記事を書くことにします。

と、遠山記念館に入る前に、周囲の様子がとても良かったのでちょいと写真撮影

田んぼのが美しい
そして遠山邸の門前の池では、パコパコと咲いていました。

やはりの花は仏さんのイメージですなぁ…

   

さて、それでは入館しましょうか… と、バッグから「タケオカ割」「埼玉県立近代美術館と遠山記念館の「竹岡雄二」展を両方観覧すると、2会場目の観覧料が2割引になります。2会場目の観覧券購入の際に、1会場目の半券をご提示ください。」というもの)用にMOMASからいただいていた半券を取り出そうとすると、、、ぎゃぁ家に忘れてきた

お出かけには忘れずに持ち歩いているクリアホルダーに入れておいたのに、そのクリアホルダーを忘れてくるとは、なんとしたことか

ところが、「捨てる神あれば拾う神あり」で、遠山記念館では「JAF割引」をやっていました
これ幸いと、クルマに戻って、JAFの会員証を持ち出して入場券売場

美術館にある券売所でJAFの会員証をお見せして入場券を買うと、お値段は通常価格の700円から2割引560円
つまり、「タケオカ割」同じ割引率だったのでした
ふぅ~、ミスを挽回できた…

   

「竹岡雄二 台座から空間へ」が開催されている「遠山邸」の前に、美術館で「ガラスと土の造形」展を拝見しました。

こぢんまりした展示スペースながら、なかなか楽しい

一番の見どころは、やはりポスターにも使われているこちら(ポストカードを購入しました)でしょう

仁阿弥道八「黒楽銀彩猫手焙」です。

背中を丸め、目を細めて寛ぐ黒猫をかたどった手焙。背中部分から炭火をいれるようになっており、亀の甲羅形の蓋が付きます。その蓋裏には「仁阿弥」の押印があります。両耳の部分に穴が開けられており、ここから煙が出る仕組みです。黒楽の柔らかさが存分に生かされ、さらに毛艶を際立たせるためか、黒釉の上から銀彩が薄く施してあります。琳派の伝統を汲んだ日本の情緒と茶湯趣味を追及した洒脱な趣の作品で知られ、とくに陶塑物(とうそもの)に優れた腕前をみせた道八の傑作のひとつといえます。

との説明ですが、可愛いったらありません

「手焙」というのは、こちらによれば、

冬季に茶席や腰掛待合(こしかけまちあい)に置いて暖をとるための小形の火鉢。手炉(しゅろ)ともいう。

だそうで、私はこのネコ懐炉のようなもので、ナデナデして暖をとるものかと思ったのですが、ちょいと違う風。かわいいからとなでたら火傷してしまうかも知れません
もしかすると、「黒楽銀彩猫手焙」人生の教訓的な意味を含んだ暖房器具なのかも…

この他、先週の「真田丸」を思い出してしまった呂宋茶壺とか、右に載せた「魚蓮花文様青釉ファイアンス皿」BC1570-1314年頃エジプト新王国時代18王朝のもの)とか、BC 2世紀~1世紀のエジプト又は東地中海域のものという「香油瓶コアガラス(昔の映画館でスクリーン前にかけられていたカーテンのヒダヒダを思い出した)とか、結構楽しめました

そうそう、ネコと一緒にポスターを飾るステンドグラス

 「紋章・グロテスク文様エナメル彩ステンドグラス」という名前のもの(19世紀のヨーロッパ製?)なのですが、その名とは裏腹に、全然グロテスクじゃありません

「グロテスク」と聞けば、

異様で気味の悪いさま。不快になるほど異常なさま。グロ。 「 -な姿」 (大辞林 第3版)

というイメージしか私は持ち得ない。
ところがどっこい、説明板を読んで知ったところによれば、本来は(美術史的には現在でも違う意味なのだとか…
Wikipediaの記述から引用すれば、

美術においては「グロテスク」は、花飾りと小さく幻想的な人間と動物の像とを織り交ぜたアラベスクの装飾的な配置であり、通常はある種の建築構造の周辺の対称的なパターンとして配置されるが、これは確実なものではない。このような意匠は古代ローマでフレスコ壁画や床のモザイクなどとして流行していたもので、 ウィトルウィウス(紀元前30年頃)はこれらを無意味で不合理なものであるとして退ける文脈で実に優れた描写をしている:「カールした葉を伴う葦が縦溝彫りの柱に取って代わり、渦巻飾りがペディメントの代わりとなり、枝付き燭台が神殿の彫像を支持し、その天井には人間の顔が意味もなく載った細身の脚と渦巻飾りが生えている。」
ネロのドムス・アウレアが15世紀末に偶然発見された時、1500年の間土砂に埋もれていた部屋は地下洞窟(grotto)の様相を呈しており、フレスコや繊細なスタッコによるローマの壁面装飾は一大発見であった。

だそうで、「地下洞窟(grotto)」が語源らしい。

いやぁ~、勉強になりますねぇ…

ということで、「竹岡雄二 台座から空間へ」@遠山記念館のことは「後編」で書きます。

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「台座」の展覧会

2016-07-18 18:13:52 | 美術館・博物館・アート

Emerson Lake & Palmerの名盤、「展覧会の絵」レコードジャケットは、

ELP「展覧会の絵」と、額縁絵のタイトルだけが並ぶものでした。

こんな展覧会があったら、かなりシュールだと思うのですが、埼玉県立近代美術館(MOMAS)で開催中の企画展「竹岡雄二 台座から空間へ」は、本来、作品を載せるための台座とか、作品を展示するケースだけが並ぶ、まさしくそんなシュールな展覧会。

もっとも、展示されるはずのものが無いのではなく、

彫刻を学んだ竹岡は、作品を「見せる」際に必要となる台座の存在に注目し、台座そのものをモチーフとする制作に着手します。厳選された素材、形、色彩によって制作された台座は、私たちの視線を誘いこむ彫刻的な姿をまとった作品としてあらわれます。その後、ガラスケース、ショーケース、棚など、陳列するための仕組みをモチーフとした作品に加え、陳列のための空間に眼を向けた制作を手掛けていきます。こうして「見せること」を探るために台座から始まった問いかけは、展示される空間・場所・環境へと拡がっていきます。

と、台座ケース自体がもともと美術作品として制作されたものなのだとか。

展覧会の順路の始めの方に、「オーギュスト・ロダン《青銅時代》」「アルベルト・ジャコメッティのための台座」といった、有名な彫刻作品のための台座のドローイングが展示されていました。
しかし、このドローイングと「特別出品:竹岡雄二による遠山記念館所蔵品展示」を除けば、ただひたすら台座やケースが並ぶだけ。

無機的な展示室に点々と据えられた無機的な台座を観ていると、自然に笑いがこみ上げて来ました。
何だこりゃぁ~って感じ…。

この「竹岡雄二 台座から空間へ」は、MOMAS遠山記念館(最も最近の訪問記)とで同時開催されていまして、あの有機的この上ない遠山邸の中で観る「台座」は、どんな感じなのか、これまた興味津々です。

ちなみに「埼玉県立近代美術館と遠山記念館の “タケオカ割”」というのがありまして、

埼玉県立近代美術館と遠山記念館の「竹岡雄二」展を両方観覧すると、2会場目の観覧料が2割引になります。2会場目の観覧券購入の際に、1会場目の半券をご提示ください。

だそうです。
私の場合、MOMASでは「埼玉県立近代美術館フレンド fam.s」会員ゆえに無料で観覧できたのですが、こんな場合、「タケオカ割」はどうなるのかと思っていたら、入場口(MOMASのいつもの企画展とは出入口が逆)で半券を頂戴できました。
う~む、うれしい

   

MOMAS常設展「MOMASコレクション」は、この土曜日から「第2期」展示替えされています。

これがまた、魅力的な作品がドッサリ展示されていて楽しかったぁ~

とくに、「埼玉の日本画-近代から現代へ」は、小茂田青樹「麦踏」とか、細田竹「あかり」とか、加藤勝重「皎」とか、北沢楽天「ぼんおどり」とか、「お持ち帰り」したい作品が目白押し

また、「『方寸』の時代」で展示されていた「パンの会」機関誌「屋上庭園」1号の表紙画(黒田清輝筆)が、「セレクション:ユトリロとか佐伯祐三とか」で展示されているジュール・パスキン「眠る裸女」とそっくりで、あれまぁ~ でした。
「屋上庭園」第1号の発行が1909年で、パスキンが「眠る裸女」を描いたのが1928年ですから、もしかしてパスキンがパクった? んなこたぁない よな…。

ちなみに「屋上庭園」第2号廃刊だそうな。「3号(合)でつぶれるというカストリ雑誌以下とは…

それはともかく、正直、万人向けとは言いがたい「竹岡雄二 台座から空間へ」と違って、「MOMASコレクション 第2期」万人受けすると思いました。
「MOMASコレクション 第2期」8月30日から後期展示に変わりますので、少なくとももう1回、観に行きますぞ

つづき:2016/07/23 「竹岡雄二 台座から空間へ」@遠山記念館(前編)

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だいぶ新車に慣れてきた

2016-07-17 15:47:13 | 日記・エッセイ・コラム

新車に乗り始めて約1か月が経過しました。

これまでの走行距離は約2,700km。私としては普通のペースです。

ただし、今週は6日間出勤したもので、自宅と勤務先を6往復しまして、768km走りました。
結構エアコンを使ったことから、1給油で6往復できるのか、ちょいと心配したのですが、無事に走りきりました
もっとも、昨日の帰宅時、都県境の笹目橋を渡る辺りから「燃料残量警告灯」が点灯し、「残り航続距離105km」などという表示が点滅しておりましたが…。

ちなみに私のクルマのエアコンは電動コンプレッサーで動いておりまして、駆動用のバッテリーから給電されています。したがいまして、エアコンを多用すると、EV走行できる割合が下がって、その分、エンジンが走行やバッテリーの充電に活躍することになります。

エンジンの駆動力でエアコンのコンプレッサーを動かす普通のガソリン車に比べれば、エアコンのON/OFFによる馬力の変化はかなり小さい気がします、、、っつうか、ほとんど変化はありません
でも、停車時でもエンジンが動いていることがあったりして(停車中にエンジンが動き出すと、ユラユラっとクルマが揺れて、あまり感じ良くない…)、エアコンってやはり結構なエネルギーを使うのだと感じています。

ところで、「新車での通勤3往復完了」で、

ちょっとストレスを感じたり、エンジンが鈍るんじゃないかという不安はあるものの、いつもの通勤には「エコモード」を活用するべきではなかろうかと思った次第です。

と書きましたが、最近は「エコモード」はまったく使わず、「スタンダードモード」のみ
やはり、「エコモード」だと、アクセルをグッと踏み込もうとしたときに抵抗があって、じれったいんですよねぇ。
頼るところは頼りつつも、やはり自分でクルマをコントールしたいですから
エンジン走行からEV走行に切り替えるコツもつかめてきたことですし… (私のクルマ、90km/h超でもEV走行できます)

そんな風に、だいぶ慣れてきた新車ですが、やはり自宅の車庫入れ大変

今日の駐車状態を写真に撮りましたので、ちょいとご覧ください。
左右の後輪の部分です。

こんな具合で、余裕がほとんどありません
右後輪は1cmほど、左後輪は4cmほどしか空いていなくて、まっすぐ後退させないと、うまく駐車できません

1日の生活の中で、一番緊張するのが、帰宅時の「車庫入れ」かもしれません
しかも、車庫入れの最中、ポポポポ…、ポーっと警報鳴り続けで、やかましいったらありゃしない。
こればかりは、今後も慣れることができないかも知れませんナ

   

ところで、新車に乗り始めて1か月経ったというのに、私、まだ購入費用まったく支払っていません
それどころか、旧車下取り代金+リサイクル費用の返金があったもので、「プラス収支です

もちろん、支払いを渋っているのではございませんで、来月初旬には、私の銀行口座から代金ドカンと振り替えされる予定です。

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ミニ6穴手帳用の特製リフィル

2016-07-11 22:27:52 | MISIA/日記・エッセイ・コラム

私、現在プライベートで使っている手帳「ミニ6穴」サイズのシステム手帳で、スケジュールメモに特化しています。
バイブルサイズのものを使っている頃には住所録も入れていたのですが、今は住所録ケータイPCにお任せして、「ミニ6穴」サイズのシステム手帳には住所録は入れていません。

で、ずっと、Personal Memoとか、マイカーの記録とか、MISIAツアー・スケジュールといったものは、PCで編集したものを、ヒサゴリフィル用紙(右の写真)に印刷していました。

このリフィル用紙は、あらかじめが開いていて、すこぶる使いやすい
ラベル編集ソフトのラベルマイティにも登録されていましたし…。

下の写真は、ラベルマイティで作成した「MISIA 星空のライヴV Just Ballade」の編集画面です。

なかなかでございましょ?

ずっとこんな環境(状況)が続くものと思っていたら、、、

なんと、「販売終了」ですと

私のようなことをしている人って少数派だということなんでしょうなぁ…

まだリフィル用紙は残っていますが、いずれは使い切ってしまうのは確実で、その後はどうしようか、とずっと考えていました。

この度、MISIATHE TOUR OF MISIA LOVE BEBOPのスケジュールとか、夏フェスへの出演情報が公開されて、例によって手帳用の特製リフィルを作らねば と思っていた折、ふと、ラベルマイティで、市販の定形紙に印刷できるようにしてみたらどうかと思い立ちました。

そこで、まずは作った原稿がこちらです。

実際の原稿は、表と裏の2つのファイルになっています。

で、A5サイズの用紙ハガキサイズの用紙でも良かったのですが、ハガキサイズだと分厚い用紙しか売られていない)と、パンチを買ってきました。

試しに印刷してみると、とでビミョーズレる

この課題は、片面だけ枠線を印刷して、その枠線に沿って用紙を切り抜けば OK だと気づいて あっさり解決しました

そして、そして、両面に印刷して、カットして、を開けて、手帳にセット

おぉ~ヒサゴのリフィル用紙で作ったものからはほとんど見劣りしません

パンチ(約800円)初期投資はありましたが、用紙は100枚で200円ちょっとと、30枚で300円弱だったヒサゴのリフィル用紙コストパフォーマンス圧倒しています。

もっとも、100枚以上製作しないと初期投資は回収できない 計算になりますが、コスト以上に、ヒサゴのリフィル用紙の在庫が切れる心配から解放される心理的な効用が大きいと思います。 と、自分で自分を納得させたりして…

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MISIA星空のライヴIX on 7/7のこと (中編)

2016-07-08 22:42:51 | MISIA

昨日の記事「MISIA星空のライヴIX on 7/7のこと (前編)」(ひっそりとタイトルビミョーに変更)のつづきです。

あの至福のひとときから24時間以上経過して、なんだか、ホントに体験したことなのか、だったのか、判らなくなってしまう気がします。
きょうは昨日の年休必死のパッチ状態で、完全に日常生活でしたから…。

さて、前編で予告したセットリストを載せます。
私が「欠席」した6日のセットリストは、いつものようにさんた女史(元気そうで良かった)のサイトを参考にさせていただきました。

画像をクリックすると、PDFが開くはずです。

3日間ほとんど異なるセットリストだった河口湖3daysから、東名阪のライヴはどのように変わるか興味津々だったのですが、結果は、おおかた予想通りでした。

まず、まだ東京2daysが終わっただけですが、東名阪のセットリストはある程度固定するだろうということ、そして、河口湖3daysで唯一固定されていた本編ラスト~アンコールの流れは踏襲されるだろうということ。

まぁ、万馬券級の波乱ではありませんでしたっつうか、鉄板に近い決着でしたけれど…。

「MISIA星空のライヴIX on 7/7のこと」は、もうちょっと続きます。

セットリスト(PDF版)を全8公演のものに更新しました。(2016/07/15 22:54)
つづき:2016/08/13 MISIA星空のライヴIX on 7/7のこと (中編)+α

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MISIA星空のライヴIX on 7/7のこと (前編)

2016-07-07 23:50:47 | MISIA

行ってきました、「MISIA星空のライヴIX -PREMIUM LIVE-」@NHKホール

詳しい感想は後日書くことといたしまして、取り急ぎ速報っつうか、簡単な感想を…。
あ、ネタバレがありますのでご注意くださいませ。

NHKホールでのMISIAのライヴって、もしかして2011年4月「THE TOUR OF MISIA JAPAN SOULQUEST」以来か?(記事はこちら

なんて考えていたところ、MISIA自身から、2011年4月NHKホールでのライヴの話が出てきました。
そして、久しぶりに「心の栄養」の話も…。
あの時は、まだ余震がときどき発生していましたっけねぇ…

このMCの後にMISIAが歌ったのは「明日へ」でした。

いやぁ、今夜も見事でした

「見事」といえば、「明日へ」1曲前に歌われた「オルフェンズの涙」も素晴らしかった

河口湖3日目でも、完成の域に達した感のある「オルフェンズの涙」を聴いて息を呑んだこちらの記事)のですが、今夜も、凄まじいパフォーマンスとあのエンディングで、周りからも「ホっ」という、声とも息ともつかない音が聞こえていました。

去年の紅白歌合戦長崎平和公園からの中継で、光の柱が天高く差し上がるシーンが印象的でしたが、今夜は、MISIAの声NHKホールの高い天井を突き破って行くような、そんな感覚でした。

考えてみれば、「オルフェンズの涙」「明日へ」は、どちらもMISIA紅白歌合戦で歌った曲、それもNHKホールではなく、屋外からの中継で放送された曲です。

今夜、この2曲を聴いて確信しました。
MISIAは、紅白歌合戦に出演したとき、NHKホールでではなく、中継で出演するしかなかったんだということ。

とりわけ、今夜のような「オルフェンズの涙」を聴かされたら、次の順番の歌手歌えないですよ 聴衆だって、気持ちのリセットは簡単ではなかったはず

そんなことを考えてしまうような「オルフェンズの涙」「明日へ」の流れでした。

   

ところで、昨日の記事「明日は『MISIA星空のライヴIX -PREMIUM LIVE-』@NHKホール!」で書いた「オリジナルアルバム『LOVE BEBOP』のアナログ盤」は、無事にgetできました

きょうの15時過ぎになって、きょう販売する200枚のアナログ盤のうち7枚だけMISIAのサイン入りのがある なんて発表があったのですが、私がgetしたのにはサインはありませんでした

ということで、セットリストを始めてとして、つづきはまた後日。

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明日は「MISIA星空のライヴIX -PREMIUM LIVE-」@NHKホール!

2016-07-06 22:27:27 | MISIA

MISIA星空のライヴIXきょう、7月6日から「MISIA星空のライヴIX -PREMIUM LIVE-」再開

私の場合、職場から19時前NHKホールに駆けつける為には、定時前に職場を出発しなければならないし、ここしばらく業務多忙のため、NHKホール 2 daysは、明日のバースデーライヴのみの出撃です。

でも、その代わり、明日は年休をとっておりまして、余裕たっぷり

平日休みをとってやるべきことがあるって事情もあるのですが、それよりも、まず忘れてはならないのは、「オリジナルアルバム『LOVE BEBOP』のアナログ盤getすること

公式サイトにもあるように、

MISIA星空のライヴⅨ PREMIUM LIVE会場限定で12th Album「LOVE BEBOP」のアナログ販売中!!
アナログでしか聞けないCD未収録リミックス音源を含む全16曲収録!!
こちらは「MISIA星空のライヴIX」CD即売各会場、200枚限定での販売になります。
購入はお早めに!!

だそうで、

先行開始時間
7月6日(水) 16:00〜17:30
7月7日(木) 16:00〜17:30

に駆けつけねばならないのですよ

「LOVE BEBOP」アナログ盤

「各会場 200枚限定」が多いのか少ないのか、皆目判らないのではありますが、このアナログ盤が販売される5公演のうち、私が出撃するのは明日のみですので、満を持して早めにNHKホールに行きたいと思っています。

   

ところで、アジアで唯一アナログ盤を生産しているという東洋化成のことを7年前の記事「日本経済新聞の文化面(その2)」で取り上げました。
この頃は、アナログ盤の生産は細々とでも続いて行けるのか、不安に思っていたものですが、ここ数年で状況はガラリと変わったようです。

こちらのニュースによれば、

日本レコード協会のまとめでは、平成27年の国内のレコード生産は66万2千枚と、22年の10万5千枚から6倍以上に拡大した。
国内で唯一レコードを生産する東洋化成(横浜市)のプレス工場はフル稼働の状態が続いている。月ごとのプレス枚数はこの3年で3万枚から10万枚に伸びたという。

だとか

当然ながら、レコード針を巡る状況も同様(こちらのサイトをご参照方)。

CDが登場してアナログ盤消え去る運命かと思っていたら、CDネット配信に取って代わられる一方で、アナログ盤ハイレゾ配信拡大と歩調を合わせるように復活するとは、こんな流れを想像できた人は皆無に近いのだろうな…

良い音を楽しむ状況を確保する為には、大変によろしい流れだと思います。

買いためたアナログ盤を捨てなくて良かった…

こちらの記事で紹介した2009年11月の朝日新聞の記事に、こうあります。

MISIAさんのデビュー時はDJブームの全盛期でした。アナログ盤は男子高校生や大学生のあこがれの的でした。そこで、レコード会社は、アナログレコード店を重視する異例の宣伝手法を取りました。「とてつもなく歌のうまい女の子がデビューする」。そんな口コミがDJやクラブファンの間を駆け巡り、その宣伝戦略は的中。アナログ盤(レコード)が発売される前夜の98年1月、渋谷区宇田川町にあった、アナログ専門店の中でも最も有名だった「シスコレコード」には徹夜組が100人以上も並びました。開店と同時に盤は棚から消え、補充する端からひったくるように奪い取られて、在庫は1時間で尽きたといいます。日本語R&Bはアナログ店経由で一気に盛り上がる、という方程式を打ち立てたのがMISIAさんだったのです。

MISIA、アナログ盤、渋谷、、、、この三題噺が明日のNHKホール近辺で再現される、、、こんなことを思っています。

楽しみだぁ

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