新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

名古屋旅行記(その16)

2015-05-31 14:05:49 | 旅行記/美術館・博物館・アート

「名古屋旅行記(その15)のつづきは、「かかみがはら航空宇宙博物館」で私がもっともほげぇ~となったこちらの展示から。

H-IIロケットフェアリングです。

大きい

衛星フェアリングは、内部に衛星を格納し、打ち上げ時の空力加熱や音響等の過酷な環境から衛星を保護するとともに、打ち上げ前には衛星の清浄度を維持する役目を果たします。打上げ後、H-IIロケットが大気圏を抜けて空力加熱が十分小さくなった時点で、衛星フェアリングは第2段から切り離されます。

ロケットが大気圏外に抜けると、パカッと割れて、

中に収められていた衛星がむき出しになり、フェアリングはここでお役御免

ロケットのほとんどの構成品と同様、フェアリングは使い捨てなんですな。
もちろん、メインエンジン(下の写真はJAXA筑波宇宙センターの展示館で見たLE-7ピンぼけ御免)も一回限りの使い切り。

LE-7の下半分、ノズルスカートと呼ばれる部分がタテ縞に見えると思うのですが、細いチューブがギッシリと縦に並んでおりまして、約3,000℃にもなるという燃焼ガスからノズルスカートを守るため、このチューブの中を液体水素(-253℃)を流すようになっているのだとか(こちらのサイトをご参照方)。

このチューブが詰まればノズルスカートは熱で破壊されてロケットの進路を制御できなくなるし、チューブから液体水素が漏れ出したら、異常燃焼必至です

たった一度の打ち上げのために、万が一にも不具合の起きないよう、万全を期して組み立てるロケット製造って、例えが適切かどうかちょいと不安ではありますが、やはり打ち上げ花火づくりと似たところがあるような気がします。

   

「かかみがはら航空宇宙博物館」で観た飛行機を全部紹介していたらキリがありませんので、あと3機種だけ紹介しておきましょう。

まずは模型ですが、こちら

この九二式重爆撃機の説明板を転記しましょう。

三菱航空機㈱が、1928(昭和3)年、ドイツのユンカース社から、G-38旅客機を改造したK-51爆撃機の製造権を購入した。仲田信四郎技師を中心に一部改良が行われたが、生産に時間がかかりすぎたことなどから6機で製造が打ち切られた。あまりの大きさに、三菱の大江工場から陸路運送ができず、分解して木曽川を引き船で、各務原まで運ばれた。
この機の製造をとおして、三菱は全金属製の大型機の製造と新しい生産方式、設計システムなどを習得し、後々まで三菱の大きな資産となった。

と、「これ自体は実績を上げることはできなかったが、有意義だった」というわけですな

どれだけ「あまりの大きさ」だったかといいますと、翼の中を人が歩くことができたとか

私の蔵書から宮崎駿の雑想ノートを引っ張り出して、この九二式重爆撃機の弟分、ボストニア王国実存しないみたい…)のWP-30 重空中戦艦」の透視図を見てみましょう。

宮崎駿の雑想ノート
宮崎 駿
大日本絵画

これによれば、飛行中でもエンジンを整備できるという、希有の飛行機だったようです(真偽は不明ですが)

その巨大さだけでも「異様な飛行機」だったですが、平面図を見ると、その異様さが際だちます。

九二式重爆撃機の三面図

ほとんどが「翼」

この角度からの方が判りやすいかも…

「全翼機」一歩手前の「ほとんど全翼機」ですな。

これほどの大型機ならば、さぞかし多くの爆弾を積めるのでしょうけれど、いかんせん最大速度はたったの200km/h

これでは、目的地に到着する前に敵の戦闘機餌食になるのは必然でしょう
援護がついたとしても、戦闘機九二式重爆撃機に歩調を合わせるのは物理的・精神的両面至難の業だったことだろうと思います。

当時の日本に戦略性に欠けていたことを痛感しつつ、「その17に続きます。

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「鳥獣戯画」展にチャレンジするべきか否か悩む

2015-05-30 09:25:36 | 美術館・博物館・アート

東京国立博物館ニュース先日、「東京国立博物館ニュース」が届きました。

ペラペラと眺めていると、「注目の展示」コーナーで自在置物が取り上げられていました。

江戸時代、漆工や金工といった工芸の世界では、太平な世情や武家・町人おのおのの文化の成熟を背景に、多彩な内容・主題・形態の文房調度類が制作されました。動植物を分類・体系化する博物学の発展を背景とし、形状や文様の写実的な表現に成功したものも現れます。用途機能をこえた、観賞性の高い巧緻な造形が志向され始めたのです。元来「鎮(ちん)」つまり「重し」であった「自在置物」はその代表で、写実性のみでなく、曲げ伸ばしなど自由自在な動きが可能です。実はトーハクは自在置物の宝庫。さらに近年寄託された5点を加え、充実の陣容で皆様をお待ちしております。

だそうで、こちらの記事にも登場した明珍宗察「自在龍置物」の写真が載っているのですが、ここで龍がとらされているポーズというのが、、、、

明珍宗察「自在龍置物」 こちらは仰向けになって、
 おなかを見せているポーズです。

ですって

なんともあられのないことで…
さすがに、実際の展示ではこんなポーズをとらせることはないでしょうけれどねぇ…

「自在と置物」は、本館1階13です。
大人気国宝「三条宗近(名物 三日月宗近)」が展示されているコーナーのひとつ手前ですので、超絶技巧自在置物の数々もお見逃しなく

   

ところで、トーハク超好評開催中「鳥獣戯画-京都・高山寺の至宝-」展は、連日、会場の平成館内と外大行列をつくっているようです。

会期の残りが1週間を切ろうとしている中(6月7日まで)、その行列はますます長くなるんでしょうなぁ。オリジナルで拝見するのあきらめこちらで書いた模本で我慢しようかとも考えていた私ですが、先日届いたを斜め読みしていて、かなり心が揺らいでいます

ヘンな日本美術史
山口 晃
祥伝社

私は「鳥獣戯画」があまり好きではありませんでした。

という山口画伯鳥獣戯画の特に甲巻などは「よくできすぎている」として

手本がずっと並んでいるような印象を受けてしまう。“あまりにも”な感じに溢れていて、そう言っては身も蓋もないのですが、私にはこの「上手でございます」ぶりがやや退屈に感じられてしまうのです。

だとか。
そんな山口画伯鳥獣戯画をご覧になったところ、

何と言っても墨が吃驚するほどに綺麗なのです。墨で描かれているのだから単に黒一色だろうと云うのは大間違いで、ガラス絵を見ているような透明度と色の奥行きが感じられます。(中略)
この感じは、印刷した図版では絶対に分かりません。印刷の技術ももちろん進歩していますが、今でも油絵における、表装に透明度のある材質がのっているような感じは出ないのです。(中略)
紙本、とくに墨で描かれたものは油絵などに比べて印刷でも再現しやすいかと思っていましたが、やはりそうした実物ならではの部分があると云うのは新鮮な発見で、恥ずかしながら最近になって気付いた訳です。

だそうです

この一文を読んだら、やはり鳥獣戯画現物を観ないと、一生の後悔になりそうな気がしてきます

大行列覚悟で突撃しますか?
う~む、、、決心がつかない…

ちなみに、前回トーハクに出かけたとき、帰り口で観客のお一人が係員さんに「鳥獣戯画-京都・高山寺の至宝-」展空いている時間帯を尋ねていました。
その答は、

金曜日を除く平日の遅い時間が比較的空いている

とのこと。
実際、「『鳥獣戯画展』混雑状況お知らせ」ツイートを眺めていると、確かにその傾向があるようです。
そして、最終週の平日は、

と、開館時間延長するのだとか。

大行列覚悟で土日突撃するか、午後半休をとって繰り出すか、はたまた諦めるか、悩みます…

ちなみに今日は、半ば仕事絡みの外出ですので、トーハクには行けませぬ

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名古屋旅行記(その15)

2015-05-27 22:04:45 | 旅行記/美術館・博物館・アート

「名古屋旅行記(その14)つづきなんですが、「その14で書き漏らしていたことから…。

かかみがはら航空宇宙博物館「ペンシルロケットの説明板をよく読むと、最後の部分に、

その後もロケットの大型化を行い、現在ではミュー(M)型ロケットにより各種科学衛星の打ち上げを行っている。

とあります。

かの「はやぶさ」こちらの記事をご参照方)を打ち上げたことでも知られるミューロケットですが、2006年9月に太陽観測衛星「ひので(SOLAR-B)を打ち上げたM-Vロケット7号機」を最後に引退して、日本伝統固体燃料ロケットは、イプシロンロケットに引き継がれているはずなんですけど…

上の写真は去年の夏に東京都現代美術館ガチャガチャで手に入れたかなりデキの悪いイプシロンロケットフィギュアです(記事はこちら)。

そろそろかかみがはら航空宇宙博物館は説明板をリバイスするべきではなかろうかと思います。

ところで、この記事を書きながらNHK「ニュースウオッチ9」チラ見していたら、スクラップ目前だったYS-11が再び日本の空を飛んだというお話を放送していました。

NHK「ニュースウオッチ9」のキャスター

NHKのサイトに載っている上の写真、河野鈴木両キャスターがくっつき過ぎだと思うのですが…

それはともかく、YS-11のことを「名古屋旅行記(その12)」で書いたばかりだったもので、かなり感慨深く拝見いたしました。

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名古屋旅行記(その14)

2015-05-26 22:11:25 | 旅行記/美術館・博物館・アート

「名古屋旅行記(その13)」のつづきです。
まだまだ「かかみがはら航空宇宙博物館」の見聞録が続きます!

これほどの規模の航空関係の博物館といえば、他に「航空科学博物館」訪問記)と「所沢航空発祥記念館」訪問記)くらいしか思いつかないのですが、「かかみがはら航空宇宙博物館」は、展示の内容といい、規模といい、「所沢航空発祥記念館」8掛けしたような印象を持ちました。
Wikipediaには、

現存する日本最古の飛行場で航空自衛隊の飛行開発実験団が所在している岐阜基地、日本では数少ない航空機製造工場である川崎重工業岐阜工場が基地の反対側に位置してるなど周辺部は「飛行機の街・各務原」の中心となっている。

と記載されているのですが、そんな「地の利」生かし切れていない気がするのは私だけでしょうか? ちょっともったいないなぁ…
こんな感想を持ったのは、日頃、私の職場周辺を、厚木基地を離発着する日米の軍用機(現役)が頻繁に飛び交っているせいかも知れませんナ。

とはいえ、そこは「かかみがはら航空宇宙博物館」を名乗っているだけに宇宙に関する展示では「航空科学博物館」「所沢航空発祥記念館」及ぶところではないと思いました。

例えば、こちら

日本の宇宙開発において「初めの一歩」となったペンシルロケットの実物大模型です。

説明板には、

1955(昭和30)年4月12日、東京国分寺で、「ペンシル」と呼ばれた小さなロケットの発射実験が行われた。
終戦後の航空機の研究禁止が、1952年に解禁されたのにともない、東京大学生産技術研究所の糸川教授は、「これからはロケットの時代。最終的には2時間半で太平洋を横断できるロケット旅客機をつくろう」と各方面を説得し研究を始め、この日の発射となった

とあるんですが、私が「かかみがはら航空宇宙博物館」を訪れたのは、2015年4月12日

ホントに偶然なのですが、「ペンシルロケット」の最初の発射から60周年記念日でした

この日の朝、ホテルで見ていたNHKニュースで、「ペンシルロケットの発射実験から60年」というのを知ったのですが、まさか、模型とはいえ、記念日当日「ペンシルロケット」を拝見することになろうとは、想像しておりませんでした。
もしかして私は「持っているのかも…

まだまだ「つづく」
短くて、ごめんなさい m(_ _)m

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名古屋旅行記(その13)

2015-05-25 23:00:24 | 旅行記/美術館・博物館・アート

「名古屋旅行記(その12)」のつづきもかかみがはら航空宇宙博物館のお話です。

飛行機というものは、自動車と違って、ボディにいろいろと文字が書かれています。
軍用機のプラモデルのキットには、細々とした文字のデカールがたっぷりとついてきて、それを貼るだけでも神経時間を費やすものです。
旅客機でも、主翼のフラップとかに「NO STEPという文字を見ることができますなぁ。

でも、軍用機の場合、その注意書きの量はハンパありません
例えばこちらエンジンナセルだけを見ても、こんなに書かれています。

「注意書きとしては、こんなのも

これより先をつかんで
機体をゆするな

だそうです。

これは「T-2 高等練習機」の先端にある「ピトー管」に書かれているものなのですが、それにしても、ピトー管を掴んで機体を揺する必要ってあるのでしょうか?

かかみがはら航空宇宙博物館に展示されていた「T-2」は、ブルーインパルス仕様のカラーリング、、、つううか、実際にブルーインパルスで使用された機体だそうです。
ちなみに、現在ブルーインパルス、が使用しているのは「T-4」で、その模型が展示されていました。

冒頭の飛行機に戻る前に、「ピトー管」つながりで、こちら

クジラの一種「イッカク」を彷彿とさせるピトー管を持つのは、「低騒音STOL実験機『飛鳥』」です。

「飛鳥」は、4年半前「飛べ! 100年の夢 空と宇宙展」(記事はこちら)で模型を観たのですが、

写真や模型でしか見たことのないものの現物を観られた瞬間って、いつも感動します

ちなみに、異様に長ぁ~い「飛鳥」のピトー管、Wikipedia

試験飛行を行うプロトタイプの航空機では、さらに正確な計測が要求されるため、長いブーム(棒)の先端に設けられることがある(これを標準ピトーもしくは計測ピトーと呼ぶことがある)

という記述からすれば、「実験機」たる「飛鳥」としては、きわめて自然な姿なのかもしれません。

と、納得したところで、きょうはお終い

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映画「セッション」は「血と汗と涙」のスポ根もの?

2015-05-24 11:55:28 | 映画

私、中学~高校の頃、ブラバンをやっていました。ブラバンはいわゆる「文化系」の部活に括られますが、実質的には「運動部系」と一緒で、毎日毎日、顧問の先生の罵詈雑言なだめすかし「よいしょ物理的攻撃などが入り交じった「指導」の下、ひたすら練習の連続です。

さて、昨夜、映画「セッション」を観てきました。

「セッション」のフライヤーこの作品は、公式サイトから転記しますと、

名門音楽大学に入学したニーマン(マイルズ・テラー)はフレッチャーJ・K・シモンズ)のバンドにスカウトされる。ここで成功すれば偉大な音楽家になるという野心は叶ったも同然。だが、待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取りつかれたフレッチャーの常人には理解できない〈完璧〉を求める狂気のレッスンだった。浴びせられる罵声、仕掛けられる罠…。ニーマンの精神はじりじりと追い詰められていく。恋人、家族、人生さえも投げ打ち、フレッチャーが目指す極みへと這い上がろうともがくニーマン。しかし…。

というもの。

監督・脚本「弱冠28歳」デイミアン・チャゼルで、チャゼル監督自身、高校時代にジャズ・バンドでドラムをやっていたものの「鬼コーチスパルタ指導に耐えかねて挫折したという経験の持主だとか。

チャゼル監督が、そんな経験(トラウマ)膨らませたのか、薄めたのか、そのままなのかは判りませんが、フレッチャー先生の指導たるや凄い っつうか 酷い っつうか怖い

フレッチャー先生の指導は、「のだめカンタービレ」のだめも幼少期のスパルタレッスントラウマになってましたっけ…)の千秋「口撃ハリセン「物理的攻撃強烈に強化したものに、陰湿さを加えた感じ。

学生を育てることと、自分が目指す音楽を作り上げること、自分の憂さをはらすこと、それらが渾然一体となったものがフレッチャー先生の指導なのかもしれません。

それにしても、まだまだ甘ちゃんの若造でしかないアンドリューに対して、あそこまでするか? (熱血指導のことではありません) ありゃ大人げなさすぎだと思いますゾ
はっきり言って、人間性にかなりの問題あり です。

この作品の原題「WHIPLASH」「Whiplash」は、作品中に何度も演奏される曲のタイトルなのですが、一般名詞としては、

という意味です。なるほど…

「セッション」という邦題では甘すぎると思う一方、「ウィップラッシュ」じゃ意味が判らないし、曲名に掛けた意味合いが消えてしまうんだよなぁでも、まさか「愛と青春のスティック」なんてのでは、鳥肌が立ってしまう…邦題をつけるのは難しい作業なんですなぁ…

低予算(3億円)で、かつ短期間に制作されたこの作品、CG大がかりなセットも使われていませんが、いや、だからこそ、観客が画面の中に感情移入していける気がします。

ちなみにこの作品は今年のアカデミー賞5部門にノミネートされ、助演男優賞(J・K・シモンズ)録音賞編集賞を受賞しています。いやぁ~、凄かった、おっかなかった、J・K・シモンズの演技

難を言えば、テクニックの面からのみ音楽の高みを目指す話に終始してて、音楽って(特にジャズって)そんなものじゃないんじゃないの? と思いました。でも、一流の音楽芸術全般がそうだと思う)は、ベースにテクニックがあってこそのものなわけで、仕方のないことなのかもしれません。とくにアンドリューの場合は音大の1年生ですし…

さはさりながら、久しぶりに手作り感にあふれた良い映画を観ました

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名古屋旅行記(その12)

2015-05-23 18:20:39 | 旅行記/美術館・博物館・アート

「名古屋旅行記(その11)」のつづきは、名古屋2日目のお出かけのこと。

この日の移動手段は、レンタカーのEV リーフです。

予定では総走行距離が100km程度ですし、空調も不要の季節ですから、無充電で走りきれるはずだというので、EVを選びました。
「満タン返し」が基本のガソリン車と違って、EV充電しないで返して良い(つまり「燃料費がかからない可能性が高い)という気楽さもありますし。

ところが、このクルマを借り出して、運転席に収まり、走行可能距離を見ると、

あれま、満充電されているというのに、116kmしかありません
新品なら12目盛りある容量計が10目盛りしかありませんから、結構バッテリーへたっているもようです
走行距離が短い割には、かなり酷使されたんだろうなぁ…
予定していた行程をこなすことは可能でしょうけれど、電費に注意して運転せねば

そして、EV特有の圧倒的な発進加速を楽しむのを封じて、走ること約40分目的地に到着しました

かかみがはら航空宇宙博物館です。
来たかったんですよぉ~、ここ

エリアに入って(まだ無料エリア)、最初に登場したのは、古いヘリコプター

名古屋市消防局1973~1989年にわたって使っていたという「SA316BアルエットIII型」だそうな。

その隣には、昆虫系の顔つきの「V-107A輸送ヘリコプター」

同じヘリコプターでも、まるっちい感じの「SA316」「V-107」から一転して、館内にモックアップが展示されていた「XOH-1」は精悍そのもの。愛称どおり「ニンジャ」のイメージですな。

XOH-1小型観測ヘリコプター

話は外に戻りまして、次は私も乗ったことのある機種、YS-11です。

YS-11は機内に入ることもできまして、まずはメーターだらけコックピット

>

そして、客室

私がYS-11に乗ったのは、秋田⇒大阪(伊丹)の1回だけだと記憶しているのですが、当時は機内でタバコを吸うことができました。

YS-11に乗った印象は、座席が翼の付け根付近だったせいか、微振動が絶え間なく続いて、快適性がイマイチだというもの。
灰皿の上に残ったタバコが、微振動のせいで、自動的に灰皿の中に落ち込んでいくのは計算ずくだったのかなぁ…

古い記憶を呼び戻されながら次

黒い団子っ鼻cute「US-1A救難飛行艇」です。

この飛行機のことは5年近く前の記事「科博は楽しい♪ でも、やかましい(その3)」でも取り上げましたが、私、この機種がお気に入りでございます。

初めて間近に「US-1A救難飛行艇」を見ると、超短足前脚も、

後ろに引き込んで、ボディサイドに格納するという珍しい機構の後脚も、

真下を観測するための窓「バブル・ウインドウ」周りの設計も、かなり良い

ますます「US-1A救難飛行艇」がお気に入りになったのでありました。

屋外にはもう1機、大型機が展示されているのですが、ここから先は「その13」以降につづきます。

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「鳥獣戯画」を生で観るべきか…(後編)

2015-05-22 23:33:01 | 美術館・博物館・アート

「『鳥獣戯画』を生で観るべきか…(前編)」のつづきです。

東京国立博物館(トーハク)「絶賛開催中特別展「鳥獣戯画-京都・高山寺の至宝-」「出品目録 + 鳥獣戯画鑑賞の手引き」にこんな記載があります。

「明治時代に写された鳥獣戯画の模本を本館で公開中」とあります。
本館2階の「特別1室」で、「鳥獣戯画と高山寺の近代-明治時代の宝物調査と文化財の記録-」という特集陳列が行われておりまして、HPでは

近代における鳥獣戯画という文化財と、高山寺をめぐる状況を、明治5年の壬申検査の記録や、その後に写された模本や写真資料などからたどります。「模写」に加えて「写真」という新たな文化財の記録方法が導入されるようになった最初期の事例をご覧いただきます。

と、小難しく解説されていますが、要は、山崎董詮(やまざき とうせん)という絵師が明治初年に模写した「鳥獣戯画」溝口禎次郎という方が模写した「明恵上人像(樹上坐禅像)」

width=

横山松三郎が明治5(1872)に撮影した貴重高山寺の写真(重要文化財)なんぞが展示されていました。

この展示の中で注目するべきは、特別展「鳥獣戯画-京都・高山寺の至宝-」では前期・後期に分けて展示されている「鳥獣戯画・甲巻」が、

本特集では、明治に写された極めて精緻な鳥獣戯画の模本の中から、甲巻の全場面を一挙公開します。

なのですよ
しかも、こちらでは写真撮影OK

ということで、数時間も行列に並ばないと観ることができない本物の「鳥獣戯画・甲巻」と違って、こちらは、待ち時間なしで、甲巻の全場面(の模本)を観られるわけです

こちら笑い転げるカエルがいいなぁ

さらに、かわいいというよりも結構グロな生き物たちが躍動する「丙巻」

軽妙な筆致が冴えまくる「丁巻」と、

もう、「鳥獣戯画を独り占めの感覚です

上に載せた「丁巻」の場面は、「甲巻」のこちらの場面パクリですな、K.I.T

そりゃ本物に勝るものはない でしょうけれど、模本でも相当に楽しめるのもまた事実 だと思います。

鳥獣戯画本物を観ることができるのかなぁ…

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「鳥獣戯画」を生で観るべきか…(前編)

2015-05-21 23:03:01 | 美術館・博物館・アート

「上野の人出は相当なものだった」シリーズでほのめかしましたように、東京国立博物館(トーハク)で開催中の特別展「鳥獣戯画-京都・高山寺の至宝-」大盛況のようで、平日のきょうでさえ、

「

会場の平成館に入るまでに60分、入場してから人気「鳥獣戯画・甲巻」を目にするまで160分、つまり、トーハクに着いてからあのウサギやカエルにお目にかかるまでしめて4時間近くかかるなんて、よほどか、よほど覚悟を決めて出かけないとならない状況になっています。

私といたしましても、「鳥獣戯画・甲巻」チャレンジするべきか、見送るべきか迷っている状況です。

私と同様、迷っている方々に、チャレンジしたとき、見送った とき、どちらでも有効な楽しみ方について、ちょいと紹介したいと思います。

まずは、

①平成館前の池

池の中に、こんなのがあります

「鳥獣戯画・甲巻」のいくつかの場面が再現(?)されています
とりわけ、こちらなんて、妙にリアルだったりします。

こんなのを観たら、「現物を観るぞと、萎えかかった気分高揚するのではないでしょうか?

つづいて、

②出品目録がこんなところ、そして、ただの出品目録ではない

普通の展覧会では、出品目録は展示会場に入ってすぐの場所に置かれているものですが、私がトーハクで下見したときには、平成館前の池のそばに置かれたラックから出品目録を頂けるようになっていました。
入館するまでの時間つぶしになるのはもちろん、この出品目録ただの出品目録ではなく、

  [出品目録 + 鳥獣戯画鑑賞の手引き]

になっているのですよ

甲巻には兎、蛙、猿に加え、鹿、狐、猪、猫、鼠、雉、鼬、梟といった、実に11種の動物が登場します。いずれも甲巻が描かれた平安時代に、日本で目にすることができた動物たちです。

なんて解説を読んだら、現物を目の前にしたときの見方が変わるというもの。
「入館待ち」しながら予習できるなんて、見事なアイデアだと思いました。

さらに、

③パズルに興じると時間を忘れる

[出品目録 + 鳥獣戯画鑑賞の手引き]と一緒に、とあるリーフレットが置かれていました。

 「鳥獣戯画 パズル」だそうな

 「入場待ちの時間つぶしにどうぞ~という趣向なのでしょうけれど、以前にもありましたな、、って、どの展覧会だったのか思い出せない

それはさておき、私は、実際に活用させていただく可能性を考慮して、ザザッとしかこのリーフレットを読んでいませんけれど、かなり歯ごたえのあるパズルだと思いました

時間つぶしのつもりが、パズルに熱中してしまって、「何だよぉ~、もう入館か もう少しパズルしていたいんだけど…」なんて本末転倒の事態に陥る可能性が十分にありますよ、これは

そして、「極めつきともいうべき、

 ④・・・

これはまた、あした…

ごめんなさいねぇ~

つづき:2015/05/22 「鳥獣戯画」を生で観るべきか…(後編)

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上野の人出は相当なものだった (最終編)

2015-05-18 23:00:56 | 美術館・博物館・アート/タウンウォッチング

「上野の人出は相当なものだった (後編)で完結できず、「最終編」に突入であります

東京国立博物館(トーハク)の本館1階15室では「歴史の記録 江戸城と寛永寺」と題して、

この展示では、江戸城と、その鬼門(東北)にあたる上野の台地に建立された寛永寺をとりあげます。頻発する火災によって江戸城は変貌し、慶応4年(1868)彰義隊の戦で伽藍の多くを焼失した寛永寺では、その跡地に上野公園がつくられました。それぞれの歴史を示す地図、図面、錦絵などの関連資料を展示します。

という展示が行われていました。

およそ河鍋暁斎の筆によるとは思えない、フツーの錦絵「東京名所之内明治十年上野公園地内国勧業博覧会開場之図」もさることながら(「暁斎筆」ということ自体が「見どころ」かも…)、

私の目惹き付けたのは、

揚州周延「上野不忍大競馬之図」

揚州周延「上野不忍大競馬之図」でした

この作品、こちらの記事で取り上げた同じ揚州周延「上野不忍共同競馬会社開業式之図」と似ているのですが、明らかに違います

開業式右回り(時計回り)なのに対して、「大競馬」東京競馬場新潟競馬場と同じ左回り(反時計回り)です。
競馬場は、最後の直線を長くとるべく、右回り左回りかは固定しているのが常なのですが、この上野不忍池競馬場は、どちら回りが本来のコース設定だったのでしょうか?

調べても答えが見つかりませんので、先に進みます

次の着目点は、例の「浮かびもの」です。
開業式では、

、ハチマキをしたタコ金魚、そして「メリー・ポピンズ」こと傘を差した洋装の女性だったのですが、「大競馬」は、

「 

落下傘立ち雛、竿付きの日の丸お公家さんと、、、、何だろ、、、これ?

判らんなぁ…

   

トーハク「鳥獣戯画-京都・高山寺の至宝-」展「太刀 銘三条(名物三日月宗近)」の相乗効果か、たいへん人出が多かったのですが、トーハクの正面、竹の台広場では、5月16-17日の両日にわたって「えちご 長岡・佐渡 広域観光フェア」が開催されていまして、こちらも大変賑わっていました。

私は、両日ともこのフェアを「冷やかし」したのですが、鮎の塩焼きを食べようか、牛串を食べようか迷った挙げ句後回しにしたらタイムアウトになってしまうという痛恨の事態に陥ったのでありました(開催時間を確かめておくんだった…)。

でも、数体集まっていた「ご当地キャラ」の中に、目立って面白いキャラを発見

/p>

「ブリカツくん」だそうで、見た目強烈さもさることながら(スカートのように見えるのはカツのコロモらしい)、その言動がかなり来てました

今後注目したいゾ

ということで、「上野の人出は相当なものだった」シリーズ完結であります。

「鳥獣戯画」関係は別立てとさせていただきますので、あしからず

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