私が一番最近(といっても十数年前ですが)購入した岩波書店の本は、こちらです。
愛蔵版 妖怪画談 | |
水木 しげる | |
岩波書店 |
水木しげるさんの「愛蔵版 妖怪画談」です。
岩波書店といえば、眉間にしわを寄せて読むような本ばかりを出版しているようなイメージなのですが(私だけじゃないですよネ)、こんな楽しい本も出版しているのですよ
本棚から久しぶりにこの本を取り出し、ページを繰っていると、この妖怪にDeja Vu
「やろか水」という、「昔、尾張(愛知県西部)とか美濃(岐阜県南部)で、木曽川にまつわる話としてよく聞かれたものである」もので、
大雨の降り続いたとき、川の上流からしきりに「遣(や)ろうか、遣ろうか」という声がする。
村の人々は皆気味悪がって黙っていたのに、中の一人がなんと思ったのか、
「よこさば、よこせ」
と返事をした。すると流れは急に増して、みるみるうちに、あたり一帯は海のようになってしまった。
この水を“遣(や)ろか水”という。
(中略)
「遣ろうか、遣ろうか」とは、挑発的な言い方で、思わず売り言葉に買い言葉の返事をしたくなるが、そこが妖怪の狙い目だ。
だそうです。
この絵と説明を見て思ったのは、
もしかして、「やろか水」は、あの「平成の妖怪」の元ネタか?
ということ。
そう、「平成の指示待ち妖怪どうしたろうかしゃん」です
うん、うん、イラストの感じとか、妖怪の名前とか、きっとそうだ
この「平成の指示待ち妖怪どうしたろうかしゃん」は、今年の大晦日にNHKホールに出現しそうな予感があるのですが、それはともかく、私にとってきょう一番のニュースは、
でした
「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」など妖怪をテーマにした作品で知られる漫画家の水木しげるさんが、30日朝、東京都内の病院で多臓器不全のために亡くなりました。93歳でした。
水木さんは高齢でいらっしゃいましたから、遠からぬ時期にこうしたニュースを耳にするだろうなとは思っていましたが(わずか1か月半前に熊倉一雄さんの訃報を聞いていましたし)、実際に水木さんが亡くなられたニュースを聞くと、「20世紀少年」たる私としては、やはり悲しいし、淋しい…
でも、水木さんの場合は、大往生といってもよい年齢ですし、あの世で、大勢の妖怪たちや熊倉さんなんかと、
ゲ、ゲ、ゲっゲゲ~のゲ~
と楽しく歌っていそうです。
水木さんから与えていただいた大きな楽しみと思い出に深く感謝しつつ、合掌…