百姓通信
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島津製作所の田中耕一氏がノーベル化学賞を授賞して18 年になる。
彼の大発見のきっかけは重なり合った連続したミスによるモノだったという。
「ふだん金属微粉末はアセトンという有機溶媒に溶かして使うのですが、間違ってグリセリンに溶かしてしまったのです。でも捨てるのはもったいないと思い、実験に使いました。しかも、グリセリンを早く乾かそうとしてレーザーを当てた。そして1分でも早く測定結果を知りたかったので、ずっと測定値をモニター(観察)していました。」
4つの偶然にそろって初めて高分子の質量分析を可能にする現象を発見できたのだという。
そんな彼は、ノーベル賞授賞後あまり表舞台には出なかった、サインを求められても応じることはなかったという。というのは、彼曰く
「ノーベル賞に値することをやっていたとは、私自身思っていなかった。周りの人もそう思っていた。受賞する人たちの功績を見ると、最初に発見をしたこと、かつそれを育てていったこと、ペアでやっている方が多い。私はあくまで発見しただけで、何か大きなことを成し遂げた気持ちになれなかった」
その後苦悩する中で新たな目標を見つけ、社内で特別な予算と研究環境を設けてもらい、タンパク質を分析する技術を更に発展させ、「血液一滴で病気を診断する方法を開発する」ことに尽力することとなる。
しかし新たな目標は決して簡単なモノではなくその後悪戦苦闘し、やっと見つけたタンパク質も医学会からは認められず、それにもめげず研究を続ける中で学界では、理論上、存在が否定されていた「未知のタンパク質」の検出に偶然成功するに至る。
「大いなる発見」は単なる偶然ではない、失敗を恐れずにチャレンジし続ける、絶え間ない努力の中で「偶然は、強い意志によってもたらされるモノ」と言えるのだろう。

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