百姓通信
自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!
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豊かさの指標づくりを検討する際に、今一度その対象が「豊かさ」で良いのかどうかを改めて問いかけると、実は「豊かさ」こそ、高度成長期にみんなが目指したもので、この「豊かさ」を求めることは、もしかすると単なる経済の指標づくりに成り下がってしまうのではないかという危惧もある。
もし今後、新たに目指すものを設定するとするなら、やはり「幸せ」になるのではないか。しかしこの「幸せ」も、人によって千差万別、それぞれの価値観によって異なる。例えば、「あなたは幸せですか?」と尋ねると、その価値は全て個人の尺度によって測られることになり、そんな数値を統計化することが妥当であるかどうか、先ずは疑わなくてならない。
しかし、こういう疑問に対して、大胆にも国勢調査で国があるという。そう、あのブータンだ。ブータンは『国民総幸福量』を開発政策の根幹をなす概念に据えており、現国王によって1980年代から唱えられたといわれている。現国王は、『国民総幸福量』の増大は、経済成長よりも重要であるとはっきりと述べておられるようだ。しかし、この質問には戸惑いをみせたブータン人もいたようで、「質問が漠然としすぎていて、家族との生活に幸せを感じているか」とか、「仕事に生きがいを感じているか」といった、もう少し限定的な質問にして欲しかったという声もあったようだ。
ブータンは政策の中で、『国民総幸福量』に4つの主要な柱を持っており、それらは・持続可能で公平な社会経済開発、・自然環境の保護、・有形,無形文化財の保護、そして・良い統治になる。経済開発に一辺倒になって、自然環境が破壊されたり、自国の伝統文化が失われてしまっては、何の意味のないというのが、この政策の心にあたる。この『国民総幸福量』の増大の精神にのっとり、社会開発には特に篤い政策がとられているようだ。例えば、医療費は無料で、教育費も制服代などの一部を除いて無料。また、国土に占める森林面積は現在約72%で、今後も最低でも国土の60%以上の森林面積を保つ方針が打ち出されているようだ。また、良い統治という面では、行政と意思決定の両面での地方分権化を推進し、人々は、自分達の住んでいる地域の開発プランについて、自分たちで優先順位を決め、中央政府に提案するという仕組みになっているようだ。
単純に今一度、「あなたは幸せですか」という質問を国民全員にしてみることで、『幸せ』捜しをみんなでしてみるのも一考かもしれない。


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