日本共産党 前玉野市議会議員 松田たつおのブログ ニュース

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玉野市の家庭ごみ有料化に異議あり

2021年04月10日 | 玉野市政
2021年3月議会最終日の反対討論のうち、ごみ有料化条例に対する反対討論の主旨

次に、議案第19号玉野市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部を改正する条例は、可燃ごみ(ごみ袋)有料化を来年4月より実施する条例改正案であり、反対するものです。
 玉野市のごみ行政はどうでしょうか。黒田市政のもと2007年4月策定の総合計画では、「ごみを適正に処理する」施策の項で、2005年の現状値1人1日当たりごみ排出量は1,056gで、10年後の2016年の目標値は930グラムでした。ところが、2019年4月策定の新総合計画では「廃棄物の適正処理」の施策で、1人1日当たりのごみ総排出量は、2017年度現状値は1,078gです。11年経過してもごみの削減・減量化まったく進んでいません。新総合計画では2022年度に953g、2026年度に900gと目標値を掲げていますが、この目標自体が低すぎるもので、直ちに見直すべきです。
 さて、100万都市、広島市は、「ゼロエミッションシティ広島への挑戦」と題して、ごみ減量化をすすめ、2013年度実績で1人1日当たりのごみ排出量は895gで、政令指定都市の中でごみ量は最小の水準を維持しています。2024年度までに785gにする目標を掲げています。
広島市の2015年3月策定の「一般廃棄物ごみ処理基本計画」では、その39ページに「家庭ごみ有料化について」の項を設け、次のように記述しています。2007年4月に広島市廃棄物処理事業審議会に対し、家庭ごみの有料化について諮問を行い、その後、2008年12月に「家庭ごみの有料化は、ゼロエミッションシティの実現に向けた施策として有効である」という答申を得ていますが、広島市として経済情勢が悪化していたことや、ごみの排出量の見込などを総合的に勘案し、まずは、市民と事業者・行政が一体となった全市的な運動としてごみ減量を進めていくことが重要であると考え、家庭ごみの有料化の実施を見送ったという経緯があります。「まずは、資源の循環システムの構築やごみの減量・リサイクルに更に取り組むなど、循環型社会形成の推進に向けた、たゆまぬ努力を最大限行い、その上で、今後のごみ排出量の推移や社会経済情勢等を踏まえ、市民等の意見を十分聞きながら、慎重に検討する必要があります。」と記載されています。広島市は今も「家庭ごみ有料化」を見送り、市民・事業者の協力で「ごみ減量化」を前進させています。
玉野市の場合は、この10数年間のごみ行政の無為無策と、行財政改革による発想でのごみ有料化を、このコロナ禍の市民生活がより悪化しているもとで来年度から押し進めようとしています。このごみ行政における広島市政と玉野市政との違いは、どこからくるのでしょうか。日本共産党市議団は、この広島市のごみ行政に学び、ごみ行政を市民との協働のまちづくりとして位置づけ、市民に寄り添ったものとするため、本市のごみ行政をただす立場から、家庭ごみ有料化には賛成できません。
ちなみに、2016年度実績で津山市は1人1日当たり883g、備前市は835g、瀬戸内市は795g、井原市は794g、赤磐市791g、美作市788gです。これら6市の5年前の実績で平均814gです。本市の2026年度までの目標値は900gですから、大きく立ち遅れた目標といわなければなりません。広島市は2024年度に785gを目標としています。玉野市の目標値を2026年度までに800g以下にする必要があると考えます。この目標とその実現が、岡山市とのごみ処理広域化に対応した本市の負担軽減、市民の負担を最小限おさえる道でもあります。以上の理由から本議案に反対するものです。