毎日、1000件以上のアクセス、4000件以上の閲覧がある情報発信ブログ。花や有機農業・野菜作り、市民運動、行政訴訟など
てらまち・ねっと



 裁判員裁判制度が始まり、無作為に国民が”裁判官”役をするようになって5月21日で丸4年。
 昨日、裁判員を務めた人がストレス障害になったとして、国家賠償請求の訴訟を起こしたそうだ。

 ネットで見ると、産経新聞が経過を分かりやすく残している。
 判決後の記者会見の様子について 4月18日の産経新聞は「血まみれ写真に動揺し『弁当吐いた』」との見出しの記事。
  「福島地裁郡山支部の裁判員裁判で裁判員を務めた後、
   『(写真で見た)殺害現場の様子は血の海だった。裁判中に出された弁当の肉類が食べられず、吐いた』と自身の変調に触れた。」

  「検察側は証拠調べで、殺害現場の写真を見せたほか、被害者の女性が119番通報した音声を再生し、犯行の残虐さを強調した。
   裁判員の1人が「血まみれになった現場を見ると、死刑しかないと思う」と話すなど、判決に大きな影響を与えたとみられる。」


 提訴は、慰謝料などが目的でなく、裁判員を務めることが憲法の禁じる「意に反する苦役」に当たると、国の責任を問うという。
 昨日の毎日新聞は、
   「裁判員制度が苦役からの自由を保障した憲法18条や、個人の尊厳や職業選択の自由を認める同13、22条に反するとし、
    法案提出から3カ月弱の審議で成立させた衆参両院にも過失があったと訴えている。」
 という。
 さらに毎日は分かりやすく書いている。

  「裁判員制度を巡っては、覚せい剤取締法違反罪などに問われ、1審で懲役9年の判決を受けた外国籍の被告が、
   上告審で『制度は下級裁判所の裁判官は内閣で任命するとした憲法80条や同18条などに違反する』と主張したが、
   最高裁大法廷は11年11月に『合憲』と判断している。
   女性の代理人の織田信夫弁護士(仙台弁護士会)は
   『今回の訴えは裁判員経験者が起こしたもので事案が異なる。新たな憲法判断が必要だ』と語った。」

 これらの報道を見ていて、国会の決めたことをこのような形で問うことができる、
 しかも、憲法違反ということで問うというのは とても興味深いことだと感じた。
 
 ともかく、実質・強制的に裁判員をやらされて後遺症を持つ人は少なくないのだろう。

人気ブログランキング = 今、2位あたり
 ★携帯でも クリック可にしました →→ 携帯でまずここをクリックし、次に出てくる「リンク先に移動」をクリックして頂くだけで「10点」 ←←

 ★パソコンは こちらをクリックしてください →→←←このワン・クリックだけで10点

  最高裁Webページ ⇒ 裁判員制度 平成21年5月21日にスタート!! 
 (新着情報)
裁判員制度の運用等に関する有識者懇談会(第22回)を開催しました(2013.5)
裁判員裁判の実施状況について(2013.4)
各地の裁判所が開催している裁判員経験者の意見交換会の議事録について(各裁判所のウェブサイトへのリンクを設定しました。)(2013.3)
調査票の返送・回答状況等について(2013.1)
裁判員裁判実施状況の検証報告書について(2012.12)
11月12日,裁判員候補者名簿に登録された方に名簿記載通知を発送しました。なお,引き続き,裁判所を騙った不審な電話・郵便等にご注意ください。(2012.11)
平成23年における裁判員裁判の実施状況等に関する資料について(2012.7)



●死刑判決言い渡しの裁判員がストレス障害 「脳裏に殺害現場写真」 地裁郡山支部
         産経 2013.4.18
 強盗殺人罪などに問われた男に死刑判決を言い渡した3月の福島地裁郡山支部の裁判員裁判で、裁判員を務めた福島県の60代女性が公判後にストレス障害と診断されたことが関係者への取材で分かった。
それによると、女性は「審理で見た血みどろの殺害現場のカラー写真がフラッシュバックする」と話し、国への法的措置などを検討している。

 最高裁によると、2009年に裁判員制度が始まって以来、裁判が原因で裁判員経験者が精神疾患を発症し、規定に基づき公務災害と認定された事例はない。
裁判員の精神的負担はこれまでも懸念されてきたが、実際に精神疾患の事例が出たことでサポート体制の充実などが求められそうだ。

 関係者によると、女性は判決日を含む6日間の公判全日程に参加。殺害現場の写真をモニターで見た3月4日には休廷中に嘔吐した。
その後も食事がのどを通らず、脳裏に写真がフラッシュバックして就寝中に何度も目が覚めるといった症状が、毎日のように出たとしている。


 判決後、裁判員経験者の相談に応じる最高裁の窓口を利用したが症状は改善せず、県内の病院に通院。
 3月下旬にストレス障害と診断され、現在も治療を受けている。女性は過去に精神疾患になったことはないという。

 福島地検は「真実を伝えるため必要最小限のカラー写真を見せたのは事実」とする一方、女性のストレス障害は「承知していない」としている。

 審理では写真のほか、被害者が助けを求める119番の音声も流れ、判決後の記者会見では、複数の裁判員経験者が精神的負担が大きかったと話した。

 この裁判で福島地裁郡山支部は3月14日、昨年7月に福島県会津美里町で夫婦を殺害したとして強盗殺人罪などに問われた無職高橋明彦被告(46)に求刑通り死刑の判決を言い渡し弁護側が即日控訴した。

●血まみれ写真に動揺し「弁当吐いた」
          産経 2013.4.18
 福島地裁郡山支部の裁判員裁判で裁判員を務めた後、ストレス障害と診断された福島県の60代女性は、審理で見た殺害現場の写真が頭に焼き付いて離れず、3月14日の判決後の記者会見でも「弁当が食べられず、吐いた」と打ち明けていた。

 会見には女性のほか、裁判員3人と補充裁判員1人の計5人が出席した。

 女性は「精神的に耐えられるか不安だった。終わってほっとしている」と感想を述べたが、つらかった点として「(写真で見た)殺害現場の様子は血の海だった。裁判中に出された弁当の肉類が食べられず、吐いた」と自身の変調に触れた。

 検察側は証拠調べで、殺害現場の写真を見せたほか、被害者の女性が119番通報した音声を再生し、犯行の残虐さを強調した。裁判員の1人が「血まみれになった現場を見ると、死刑しかないと思う」と話すなど、判決に大きな影響を与えたとみられる。

 一方で女性以外の裁判員らからも「精神的、肉体的につらかった」「夜、寝ていても頭に出てきた」「神経質になった」など、心理的負担を訴える声が相次いだ。

●福島地検「立証活動は適正」
                     産経 2013.4.18
 福島地裁郡山支部の裁判員裁判で裁判員を務めた女性が公判後にストレス障害と診断された問題で、福島地検の渡辺ゆり次席検事は18日、報道各社の取材に応じ「立証活動は適正だった」との見解を示した。

 渡辺次席検事は、裁判員に示した強盗殺人事件の現場のカラー写真について「今回の事件は極めて犯情が重い。2人の方が亡くなった事実を伝えるのに必要最小限のものにした」と説明。

 「裁判員の心理的な負担を考えつつ、配慮はできる限りしていた。今後も、どのような負担があるかを考えながら適切に行う」とした。
女性のストレス障害については、裁判後も接点がなく「どういう状態か承知していない」としている。



●非日常の体験、負担重く…裁判所の対応に課題
        産経 2013.4.18
 裁判員裁判の対象となる殺人などの重大事件では、悲惨な現場や遺体の写真に接する機会が多く、長期審理や死刑の判断を求められることもある。
ふだんの市民生活とは全く違う体験による精神的負担を心配する声は制度発足前からあった。

 事件の状況を示す証拠を裁判員に「見せない」という選択は難しい。裁判員裁判を数多く担当したベテラン裁判官は「悲惨な写真など不必要なものは見せず、証拠として必要な場合も白黒写真やイラストにしている」と現場の工夫を明かす。

 この裁判官は、有罪か無罪かの判断や、刑の重さを決める前には「9人全員の知恵の結晶。1人で責任を感じる必要はないですよ」と語り掛け、緊張を和らげているという。

 裁判員の心理的な負担軽減のため、最高裁は、24時間相談を受け付ける「裁判員メンタルヘルスサポート窓口」を開設した。
昨年5月末までに選任された裁判員や補充裁判員は2万9574人に上るが、電話などを通じた相談件数は163件と少ない。

 裁判員経験者で、経験者の交流団体をつくった東京都の田口真義さん(37)は「サポート窓口に連絡するのは二の足を踏むという人が多い。裁判所が実施する経験者の意見交換会でも、ざっくばらんな話はできない」と指摘。「裁判員経験者が気軽に経験を話せる場所が必要だ」としている。

●ストレス障害の元裁判員女性が提訴へ 「意に反する苦役」と国賠請求
         産経 2013.5.3
 強盗殺人罪などに問われた男に死刑判決を言い渡した3月の福島地裁郡山支部の裁判員裁判で、裁判員を務めた福島県の60代女性が、審理で見た殺害現場の写真などの影響で急性ストレス障害になったとして、国に慰謝料など約200万円を求める国家賠償請求訴訟を、週明けにも仙台地裁に起こすことが3日、関係者への取材で分かった。

 女性側は裁判員を務めることが憲法の禁じる「意に反する苦役」に当たると主張し、国の責任を問う方針。裁判員制度をめぐり、裁判員経験者が提訴するのは全国初とみられる。

 関係者によると、女性は判決日を含む6日間の全日程に参加し、殺害現場のカラー写真を見た初日の3月4日の審理で休廷中に嘔吐。夜も写真がフラッシュバックして就寝中に何度も目が覚めるなどの症状が出始めた。3月下旬に県内の病院で急性ストレス障害と診断され、現在も治療中という。


●元裁判員:ストレス障害発症、国賠提訴「制度は違憲」主張
              毎日新聞 2013年05月07日
強盗殺人罪などに問われた被告に死刑を言い渡した今年3月の福島地裁郡山支部の裁判員裁判で裁判員を務めた60代女性が「急性ストレス障害(ASD)」と診断された問題で、女性が7日午前、慰謝料など200万円の国家賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
裁判員制度を「憲法違反」と主張、裁判員法を成立させた国会の責任も追及する。
2009年5月に裁判員制度が始まって以降、裁判員経験者が制度の是非を問う初の裁判となった。【三村泰揮、栗田慎一】

 女性は毎日新聞の取材に、「新たな苦痛が伴う提訴にためらったが、制度が国民のためになっていないと思い決断した」と語った。

 訴状によると、女性は証拠調べで見せられた被害者2人の遺体の刺し傷計24カ所すべてのカラー写真などが頭から離れず、不眠症や吐き気、フラッシュバックなどに苦しむようになった。
「裁判員メンタルヘルスサポート窓口」に電話し、地域の保健所を紹介されたが対応してもらえず、3月22日に福島県内の病院でASDと診断された。

 女性側は、裁判員になったためにASDになったと主張。
裁判員制度が苦役からの自由を保障した憲法18条や、個人の尊厳や職業選択の自由を認める同13、22条に反するとし、法案提出から3カ月弱の審議で成立させた衆参両院にも過失があったと訴えている。


 裁判員制度を巡っては、覚せい剤取締法違反罪などに問われ、1審で懲役9年の判決を受けた外国籍の被告が、上告審で「制度は下級裁判所の裁判官は内閣で任命するとした憲法80条や同18条などに違反する」と主張したが、最高裁大法廷は11年11月に「合憲」と判断している。
女性の代理人の織田信夫弁護士(仙台弁護士会)は「今回の訴えは裁判員経験者が起こしたもので事案が異なる。新たな憲法判断が必要だ」と語った。

 ◇解説…「心理的負担」重い問いかけ
 裁判員制度が憲法に違反するかどうかについては、最高裁が既に「合憲」と判断しているため、専門家は、今回の訴訟で踏み込んだ議論にはならない可能性も指摘する
一方で、裁判員を務めたことで心に傷を負った女性の「容易に拒否できず、裁判中に心理的負担を受ける制度そのものの見直しが必要」との問いかけは重い。

裁判員は、審理で負担を感じても、守秘義務があるため周りに打ち明けることが難しい。提訴した女性の異変には家族が気付いたが、同様のケースが他にも潜在している可能性は否定できない。

 裁判員のストレス障害を巡っては、別の裁判員経験者が10年12月、法廷に臨床心理士を待機させることなどを盛り込んだ提言書を最高裁に提出し、「心のケア」の重要性を訴えた。
だが、女性が今年3月に相談した最高裁の「裁判員メンタルヘルスサポート窓口」は全国に3カ所しかなく、地方の裁判員には利用しにくい仕組みだった。

 裁判員制度が始まってから今月21日で4年。「国民の義務」が抱える課題に国が真摯(しんし)に向き合ってきたのか。その姿勢が問われている。【三村泰揮】

● 「コメント控える」=元裁判員提訴で福島地検
                時事 (2013/05/07-18:20)
 福島県在住の元裁判員の女性が、裁判員裁判で証拠の遺体写真を見るなどしたため急性ストレス障害(ASD)を発症したとして、慰謝料など200万円を求める国家賠償訴訟を起こしたことについて、渡辺ゆり福島地検次席検事は7日、
「内容を承知していないのでコメントは差し控える。
 今後とも、裁判員の心理的負担にも十分に配慮しつつ、適正な立証に努めていきたい」とした。




●「自分で最後にしてもらいたい」=提訴の元裁判員女性
        ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年 5月 07日
 強盗殺人事件の裁判員裁判で「急性ストレス障害(ASD)」になったとして仙台地裁に提訴した元裁判員の女性は7日、関係者を通じて「裁判員に選任された結果、心身に障害を受ける人がこれ以上出てもらいたくない。自分で最後にしてもらいたい」とするコメントを出した。

 女性は国家賠償訴訟を起こした目的を、「慰謝料を請求することではなく、自分と同じ犠牲者を出さないためで、裁判員法の違法性について判決をもらうためだ」と説明した。

 自宅療養中の現在の体調にも言及し、吐き気や食欲不振、物事に集中できない状況が続いているほか、日中も裁判で見せられた写真やテープレコーダーの声が聞こえ、夜中には何度も目が覚めてしまうとした。 
[時事通信社]

●【裁判員提訴】 精神的負担どう軽減 「ケア拡充」「辞退、弾力的に」
                産経 2013.5.7 22:00
 裁判員が遺体写真や凶器を目にする可能性もある裁判員制度では、当初から裁判員の精神的負担が懸念されていた。最高裁は相談窓口を設けているほか、遺体写真を白黒で表示するなど審理の現場でも負担緩和の工夫が重ねられてきたが、関係者からはケア体制の拡充を求める声も上がる。

 最高裁が裁判員経験者を対象に行ったアンケートでは、過去4年間いずれも半数以上が「非常によい経験と感じた」と答えたが、一部で「現場写真は覚悟していない者にとってはきつかった」などと回答。精神的負担を感じた様子も浮かび上がった。

 裁判員裁判を担当した経験のある裁判官は、「遺体写真を白黒で映したり、写真でなく刺し傷の位置を記した遺体のイラストを証拠として調べるなどしていた」と工夫を明かす。

 裁判員に選任後も、身体や精神に著しい不調が生じれば、申し出て審理から外れることは可能だ。この裁判官は「審理中などの様子があまりにつらそうな場合は、裁判官から『大丈夫ですか? 続けられますか?』と意向を確認することも必要だろう」とみる。

 一方、甲南大学法科大学院の園田寿教授(刑事法)は「証拠はそのまま見せるのが原則で、写真を白黒などに加工すれば犯行の残虐性などの要素が伝わらなくなる恐れがある」と指摘。「遺体写真などを見たくない人については、辞退を現状よりも広く認めてもよいのではないか」と話す。

最高裁が設置する裁判員メンタルヘルスサポート窓口の利用件数は3月末時点で230件。
うち172件がメンタルヘルスに関する相談だった。2
17カ所の提携先で5回まで無料カウンセリングが可能で医療機関の紹介も受けられるが、紹介例は4件にとどまる。

 最高裁の竹崎博允(ひろのぶ)長官は会見で「必要があれば今まで以上のケアを講じていくことも考えねばならない」とも言及。
市民団体「裁判員ネット」代表の大城聡弁護士は「カウンセリングの回数制限をなくすなどのケア拡充に加え、審理中も各高裁に臨床心理士を常駐させるなどの環境を整える必要がある」としている。


コメント ( 0 ) | Trackback ( )