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てらまち・ねっと



 旅費などについて「定額方式」という制度がある。
 自治体や国には顕著で、民間でも一部にあるらしい。
 出張のとき、定額の宿泊費より安い宿に泊まって飲み代をまかなったり、浮いた差額を「イン・マイ・ポケット」したりもあるらしいことは、昔から言われていた。

 それに関して、「議会」はヘンなところで、応召旅費・費用弁償(会議などがあるときの「自宅から議会」=役所までの旅費)とかも定額が多い。
 政務調査費で規定の旅費なども。
 しかも、議会はその額が常識を逸脱している例が少なくない。

 その議会の定額旅費に違法の判決が昨日12月1日に仙台で出た。
 画期的な判決。
 原告の仙台オンブズのコメント
 「県議会の改正後の政務調査費施行規程を初めて違法無効と判断したもので,他の関連訴訟への影響も大きい」

 ここ山県市の議会は、会議で登庁の際の費用弁償はもちろん政務調査費も、選挙公営費も廃止した。
 でも、維持している自治体議会が圧倒的。

 ところで、略称・自治ネット=「無党派・市民派 自治体議員と市民のネットワーク」では毎年1月に自分たちで企画してユニークな市長との懇談や自治体の政策・事業などの視察を行っている。

 来る2009年1月は私が企画を担当。
 今回、議員や自治体の法律の認識を深める目的をメインにした。
 自治体法務、政策法務や議員の法律知識のこと。

 1月8日には国立市。担当課には裁判にまでなった国立の景観を大切にするまちづくりや訴訟のことなども説明してもらう方向。天気が良ければ駅から市役所までの街並みも説明を受けながら歩く。
 その後は、市長との話し合い。時間の許す限り(長く)とお願いした。
 そんな組み方にした。

 2日目は他の自治体へ。
 議員の政務調査費の課題の研修も入れるよう組む。
 ・・・後はまた報告。

 3年前は、会員と公募の市民ら10数人。
 一昨年、昨年は会員だけで視察した。
 今度の私の企画は会員以外の公募参加も含めて行うことで承認されているので、まとまったらまた報告しよう。
 興味ある人は「1月8日、9日」を手帳に書いて。

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ここのところ7位、8位あたり

 「定額旅費」をgoogleで検索すると ⇒ 定額旅費

●宮城県知事に返還請求命じる=定額支給方式「合理性欠く」-政調費訴訟・仙台地裁  時事 2008/12/01-18:00
 宮城県議会の6会派などが2005年度の政務調査活動の旅費を水増し受給したとして、仙台市民オンブズマン(十河弘代表)が村井嘉弘県知事を相手に、6会派などに水増し分返還を請求するよう求めた訴訟の判決が1日、仙台地裁であった。畑一郎裁判長は請求通り、村井知事に約8800万円の返還を請求するよう命じた。
 宮城県は条例で、政調活動に掛かった旅費について、距離に応じて一定額を支給する簡便計算方式を採用。オンブズマン側は「支給額の方が多いため、6会派などは実費との差額を不当に得ている」と主張していた。
 畑裁判長は「法令上、政調費は政治調査活動に必要な経費、実費とされているが、同方式は自家用車購入費や維持費等も含めて基準が作られており、合理性を欠く」と判断。支給額と実費の差額は不当な利益とした。

●県議会政調費訴訟「簡便旅費」再考迫る  2008年12月2日 読売新聞
 2005年度の県議会政務調査費(政調費)を巡る訴訟で、仙台地裁は1日、移動距離1キロ・メートル当たり90円で算出する「簡便計算方法」の基準は「実費とかけ離れている」と断じ、原告が主張した県職員の基準との差額の返還を請求通り認めた。県議会は04年4月に、「応召旅費規定」の政調費への準用を改め、簡便計算方法を採用したが、新たな基準も違法とした判決は、政調費にかかる旅費支給方法の再考を迫った。

 畑一郎裁判長は判決で、「簡便計算方法」については、「多くの議員が自家用車を利用して政務調査活動をしており、実費精算は困難」として容認した。
 しかし、「1キロ当たり90円」の基準は、車検費や車両の維持費を考慮、有料道路通行料や駐車料金を一律4000円などとして決められたが、畑裁判長は「実費に近づけようと検討された形跡はなく、合理性を欠く」と断じた。さらに畑裁判長は、基準の算出根拠を知りながら、政調費を返還しないのは「悪意の受益者」と厳しく批判。県議に支出された約1億1016万円のうち、県職員の基準(1キロ当たり37円)との差額は「不当利得」とし、原告の請求通り差額約8840万円の返還を求めるよう命じた。

 オンブズマンの十河弘代表は「またも巨額の水増し請求が指摘された。市民の常識で判断した裁判所に敬意を表したい」と評価。「県議会は判決を真摯(しんし)に受け止め、簡便計算方法の運用を直ちに中止して、再出発すべき」とした。
 県議会は自家用車を利用した際の政務調査費について、本会議や常任委員会に出席する旅費を定めた「応召旅費規定」を準用し、50キロ・メートル未満=1万800円など5段階で一律支給していたが、2004年4月から移動距離に応じて一定額を支給する「簡便計算方法」を導入した。

 地裁は昨年11月、03年4月分の県議会政調費返還訴訟で、「旅費は実費支給が原則」とし、応召旅費規定の準用を違法としている。
 一方、県議会が実費支給に近づけようとした簡便計算方法の算出基準は、「県議の交通事故は公務災害にあたらず、すべて自己負担になる」などを考慮し、乗用車の購入費や任意保険料、冬用タイヤ購入費なども含まれている。

●「全面敗訴」に県議困惑 宮城県議会政調費訴訟  河北新報  2008年12月02日火曜日
 2005年度に支給された政務調査費(政調費)訴訟の仙台地裁判決で1日、調査研究旅費を支給する際に用いてきた県議会独自の「簡便計算方式」は「算定方法が不合理」と否定された。「全面敗訴」の県議会。判決の余波は、政調費の見直しにとどまらず、議員が議会に出席した際に支払われる応召旅費(費用弁償)の支給方法の見直しにも及びそうだ。

 簡便計算方式による県内日額旅費は表の通り。「1キロ当たり90円」と定めた単価と「定額支給4000円」を基に、1日の移動距離に応じて五段階で支給している。
 地裁判決は、簡便計算方式を採用すること自体は「合理性がある」と認めたが、現行の支給額に「自家用車の購入費、維持費を考慮するのは合理性を欠く」「実額との乖離(かいり)が著しい」と指弾した。

 原告の仙台市民オンブズマンによると「他の都道府県では、1キロ当たりの単価を18―37円で計算するのが主流であり、県議会はあまりにも突出している」という。
 最大会派「自民党・県民会議」の中村功会長は「上級審の判断を仰ぐまで、何とも言えない」と口をつぐむが、議会内には「簡便計算方法でよいのか。判決をよく吟味して考える」(公明党)「他県の例を参考に再検討は必要」(社民党)と、見直し論が急速に高まっている。

 判決の影響は応召旅費にも及ぶ。議会内では現在、5段階の定額制だった応召旅費の支給を見直し、交通費実費と定額分を合わせる仕組みが検討されている。
 だが、この試算でも実費分の単価は政調費と同じ「1キロ当たり90円」と設定。「裁判で否定された単価は採用できない」(ベテラン県議)との声が広がっている。高橋長偉議長は、今週中に各会派の代表者を集め、今後の対応を話し合う。

●旅費定額支給再び否定 宮城県議会政調費訴訟   河北新報 2008年12月02日火曜日
 宮城県議会独自の「簡便計算方式」による県内旅費の定額支給の是非が争点となった2005年度政務調査費(政調費)訴訟の判決で仙台地裁は1日、実費相当超過分を違法とした昨年11月の03年4月分政調費訴訟の判決に続き、旅費の定額支給を否定した。司法が「議会の裁量」を大義名分とした水増し支給を許さず、実費精算主義に立脚する姿勢をあらためて鮮明にした。

 特に今回は、不合理な簡便計算方式の算定根拠を知りながら、旅費を受け取った会派や議員を「悪意の受益者」と断罪。一連の県議会政調費訴訟の判決で初めて、不当利得の未返還に対する利息というペナルティーまで課した。

 判決は1キロ当たりの単価が90円の簡便計算方式を批判し、国や多くの自治体が基準としている「1キロ37円」を実費相当と推認。「自家用車は専ら政調活動用」などとする議会側の説明に、「自家用車は私的活動が主とする全国都道府県議会議長会の認識と正反対」などと疑問を呈した。

 簡便計算の考え方を採用すると、政調費で300万円超の自家用車を6年に1回購入できることなどの不当性を指摘した判決は、納税者の県民には極めて分かりやすく、納得できる判断だろう。

 非課税の政調費は議員の既得権益ではなく、議員は既得権益を享受できる特権階級でもない。県議会は、不当判決として控訴するか、同方式の規定改廃に踏み切るかの判断を迫られる。今後の議会のスタンスは、選良たちが真にどちらを向き、どこに立脚点を置いているかをみる試薬になる。(報道部・若林雅人)

◎県議会困惑 知事、司法判断を批判

 宮城県議会の政務調査費(政調費)から支出される県内調査研究旅費の使い方を「お手盛り」と断じた仙台地裁判決に、県議会には1日、困惑が広がった。「不当判決だ」と徹底抗戦を誓う議員がいれば、返還請求額を見てがくぜんとする議員も。政調費の在り方に疑問符を突き付けた判決の影響は小さくない。

 「大変厳しく、議員への配慮を欠く判決だ。客観的に見てほしかった」。県議会に政調費を返還請求するよう命じられた村井嘉浩宮城県知事は緊急記者会見で司法判断への批判を繰り返した。

 村井知事は訴訟対象となった2005年の10月まで現職の県議だった。自身も約60万円の支出が「不当利得」と指摘され「政調費に見合った活動をしていた。一般質問など議会活動に反映させていた」。元同僚への気遣いと自らの支出の正当性をない交ぜにして語気を荒らげた。

 別の訴訟で原告の仙台市民オンブズマンを「訴訟テロ」と決めつける陳述書を提出した最大会派「自民党・県民会議」の安藤俊威議員。「議会が議決した政調費条例を否定する判決はおかしい。司法は地方分権を一切顧みず、地方自治を認めないのか」と悔しさをにじませた。

 判決が示した返還請求額は計約8830万円。民主系会派「改革みやぎ」の坂下賢議員は議員別で実費との差が最も多い257万円だった。「返還となれば会派で相談しなければ…。自分一人でどうこうできる額ではない」と困惑していた。

 県内調査研究旅費は現在も簡便計算法に基づき支給されている。議会内に「見直しもやむなし」との声が広がる中、高橋長偉議長は「各会派と協議の上、対応したい」とのコメントを出した。

◎「控訴せず返還を」オンブズ会見

 「県民感覚に依拠し、一点の曇りもない」。1日に仙台地裁であった宮城県議会政務調査費返還請求訴訟の判決後、原告の仙台市民オンブズマンは、全面勝訴に上気した表情を浮かべて記者会見に臨んだ。

 十河弘代表は「議会の多数で決めたことなら何でも許されるという態度を、判決は断罪した」と指摘。「県議会は控訴を断念して返還すべきだ。改めるべきを改め、再出発してもらいたい」と語った。

 オンブズマンの試算では、簡便計算方式で支給された旅費と、県職員の旅費規定(1キロ37円)で実費精算した場合の差額は年間9000万円近くに上る。庫山恒輔元事務局長は「2004年度の導入以降、既に数億円が不当に支出されている。直ちに是正しないと、県民から総すかんを食らうだろう」と話した。

●「実費超す旅費、違法」宮城県議会の政務調査めぐり判決  朝日 2008年12月1日20時8分
宮城県議会の05年度の政務調査費に違法な支出があったとして、仙台市民オンブズマンが村井嘉浩知事を相手取り、6会派と無所属議員6人に実費を超える旅費約8830万円を返還させるよう求めた訴訟の判決が1日、仙台地裁であった。畑一郎裁判長は「旅費条例が定める実費を超える差額は不当利得」と指摘し、原告側の請求通り全額の返還を求めるよう命じた。

 訴訟では、調査研究にかかる高速道路料金や駐車場代などの旅費について、「1日50キロ未満の移動に一律7千円を支給する」などと定めた条例施行規程の「簡便計算方法」が、条例や実費を原則とする地方自治法の規定に反するかどうかが争点だった。

 オンブズ側は、宮城県職員が自家用車で出張する際の旅費を定めた条例の基準(1キロあたり37円)を超える支出を違法と主張していた。
 畑裁判長は、実費精算が困難な自家用車による移動については「条例が簡便な計算方法を許容することも合理的」としつつ、県議会の簡便計算方法が車の購入費や保険料、車検費などの維持費を算定の根拠としている点を「一般的な旅費の実費の概念からかけ離れている」と指摘。1キロ37円を超える全額を違法な支出と認めた。
 県議当時の自身の違法支出も認定された村井知事は「議会活動ができなくなっていく」と反発。控訴については「県議らと話し合って決める」としている。

●宮城県議会旅費:地裁が返還命令 不当利得と認定  毎日 12.02
 宮城県議会の05年度分の政務調査費(旅費)に違法な支出があったとして、仙台市民オンブズマン(十河弘代表)が村井嘉浩知事に対し、県議会6会派と無所属の県議6人に支出分の一部を返還請求するよう求めた住民訴訟の判決が1日、仙台地裁であった。畑一郎裁判長は、条例に基づき支給された県内旅費は「本来、考慮すべきではない車両購入費などを考慮し、実費と著しく乖離(かいり)している」として、支給額と実費(推定)との差額すべてを不当利得と認定、請求通り約8833万円を返還請求するよう命じた。

 判決で畑裁判長は、「自家用車の購入費や保険料などの維持費も含めて算出した支給方法は社会通念上、一般的な旅費の実費の概念からかけ離れている」と指摘、実費との差額分を利息も含めて返還請求するよう命じた。
 原告側は会見し、「差額の利息分も含めた判決は極めて異例で完全な勝訴判決。旅費の支給方法について宮城を視察している全国の自治体にも影響するだろう」と語気を強めた。【比嘉洋】

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宮城県議会の最近のブログ記事
完全勝訴! 宮城県議会政務調査費8830万円返還命令!
仙台市民オンブズマン管理者 (2008年12月 1日 23:32)

 12月1日(月)午後1時10分,仙台地裁第2民事部は,オンブズマン完全勝訴の判決を下しました。返還を命じた額は,何と8830万円です。議会の多数で「お手盛り」をして,水増しの基準(簡便計算)を作っても,基準(簡便計算)そのものが違法無効だと,明快に述べてくれました。多数の横暴を断罪し,市民の利益を守った正当な判断です。

 今回の訴訟対象は平成17年度分の政務調査費(旅費のみ)ですが,この1年の旅費だけで8830万円もの水増しが行われていたのです。平成16年度以降現在まで,この水増し基準(簡便計算)に基づいて毎年8000万円以上の違法支出がなされていたのです。このような事態は一刻も早くやめさせる必要がありました。 そこで,オンブズマンはこの17年度分の訴訟において,争点を簡便計算に絞っていたのです。本日の判決はオンブズマンの問題意識に正面から答えてくれたもので,高く評価できます。

 この判決は,県議会の改正後の政務調査費施行規程を初めて違法無効と判断したもので,他の関連訴訟への影響も大きいと思われます。
 オンブズマンの判決後のコメント→ 地裁2民判決へのコメント081201.pdf
 地裁2民の完全勝訴判決はこちら→ 平成17年度県政務調査費判決H19(行ウ)17号.pdf
簡便計算の問題点についてはこちら →

報道によれば,村井知事は「議会活動ができなくなっていくと反発している」とのことです。村井知事は県議会議員出身で,まさに水増しの基準(簡便計算)に賛成した張本人です。もうそろそろ議員の立場は卒業して,本来の知事の立場を考えていただきたいものです。知事の立場からすれば,裁判所の違法判断を重く受け止めるべきで,たとえ議員が相手だとしても,違法な公金支出は一刻も早くやめさせるべきです。                     
                   そごう



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