Sunday Song Book #1396

2019年07月14日 | Sunday Song Book

2019年07月14日プレイリスト
番組史上初のピンチ・ヒッター、宮治淳一氏をお迎えして
「『ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ』特集」
1. MUSIC BOOK / 山下達郎 "フォー・ユー" '82
2. NICE FOLKS / THE FIFTH AVENUE BAND "THE FIFTH AVENUE BAND" '69
3. HEY EVERYBODY / RAMONA KING '65
4. THAT'S HOW (IT'S GONNA STAY) / THE MOCKINGBIRDS '65
5. (WHAT'S SO FUNNY 'BOUT)PEACE,LOVE AND UNDERSTANDING / BRINSLEY SCHWARZ "NEW FAVOURITES OF" '74
6. GO OUT WALKING / THE SOUL SURVIVORS '68
7. LUCKY LADYBUG / THE 4 SEASONS '63
8. MASHY / THE ROUTERS '62
9. THAT IS ROCK & ROLL / THE COASTERS '59
10. YOU TALK TOO MUCH / JOE JONES '60
11. パレード / 山下達郎 '76
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■内容の一部を抜粋
・近況
「え〜さて、私、山下達郎。6月よりツアーがスタートいたしまして、おかげさまで声のコンディションはこの十年で最良でありまして。これはいいライヴができるなと思ったのも束の間。好事魔多し。風邪を引いてしまいました。医者に行ったところ気管支炎と診断されました。え、長いライヴ生活の中でこういうことは今までにも何度かありまして。大抵の場合は何本かライヴをやってるうちに次第に回復してくるものだったのですが。今回悪いことに症状がなかなか改善しません。え、私は現役生活44年の間、風邪でライヴを中止したことは今まで一度もありませんでした。しかしながらさすがに最近は回復力が落ちてきてるようです。んなわけでベスト・コンディションへと体調回復するために、一定程度の休養が必要と判断しまして、大変心苦しく残念ではありましたけれども、一昨日と昨日、12日13日の中野サンプラザ公演を中止させていただくことになりました。楽しみにしておられたみなさん、誠に申し訳ありません。心よりお詫び申し上げます。今日の番組はいつものように前倒し収録しておりますので、この段階ではこの二公演につきまして今後の方針が決まっておりませんが、放送されてる本日の時点ではホームページ等で告知させていただいている予定です。よろしくお願い申し上げます。え〜番組の方も東京に戻れない等、諸事情重なりまして、先週前もって録音済みのいわゆる雨傘プログラム[日曜日で棚からひとつかみ]お届けしました。え〜今週もそんなわけで声の調子が万全でありませんので、サンデー・ソングブック27年の番組史上初めてピンチヒッターをお願いすることにしました。お手伝いいただくのはサンソンのリスナーのみなさまにはお馴染みの宮治淳一さんです。宮治さんはワーナーミュージック・ジャパン、ストラテジック部門のプロデューサーであり、洋楽オールディーズ、特にエレキ・インストの大家としてその名を轟かす、ご自身もラジオ日本でオールディーズ番組のレギュラーをお持ちの私の長年の友人です。数年前よりワーナーミュージック・ジャパンから大挙リリースされておりますナゲッツ・シリーズ。ガール・グループ・ナゲッツ、ソフト・ロック・ナゲッツ、サーフィン・ホットロッド・ナゲッツ、そして私との共同作業の昨年のドゥー・ワップ・ナゲッツ。これらすべての企画・選曲・制作をされてる方です。で、本日は昨年秋にリリースされましたワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.5から7までと、今年春にリリースされましたVOL.8から10までの6作品の中から、制作を担当された宮治プロデューサー自らの解説によりお楽しみいただきます。サンソンのリスナーのみなさまには喜んでいただけると思います。それでは宮治さんよろしくお願いします」と達郎さん。

・PERFORMANCE 2019
7月12日(金)、13日(土)、中野サンプラザホール公演中止について詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/live/

・MUSIC BOOK
本日の一曲目は宮治淳一さんの選曲で1982年のアルバム『FOR YOU』から「MUSIC BOOK」。神奈川県茅ヶ崎市出身の宮治さんはあまり海には行かないそうだが、たまに行くと達郎さんのアルバム『FOR YOU』のメロディがバンバン流れてくるそうだ。

・NICE FOLKS
フィフス・アベニュー・バンドはニューヨーク出身の6人組。ケニー・アルトマン、ピーター・ゴルウェイ、ジョン・リンドという全員ソロ活動ができるような人たちが集まったグループで、それが災いしたのか1969年にアルバム一枚出しただけで解散してしまった。当時はアメリカのリプリーズ・レコードから出ていたが、アメリカでも売れておらず日本盤は出なかった。それから十年後にワーナーの名盤復活シリーズで日本盤が初めて出た。ほとんどの人はそれで聴くことができ、ミュージシャンを中心にフィフス・アベニュー・バンドの人気が上がった。今日オンエアしたA面(LPは二枚組)の一曲目「NICE FOLKS」はワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.5のタイトル曲にもなった。

ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.5「NICE FOLKS」は'60年代の真ん中から'60年代の終りまでのアメリカン・ミュージックを集めているそうだ。25曲収録。

・HEY EVERYBODY
ラモーナ・キングの「HEY EVERYBODY」。曲を書いてるのはキング / ゴーフィン。ラモーナ・キングはサンフランシスコ出身の女性アーティスト。ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.5「NICE FOLKS」収録。

・THAT'S HOW (IT'S GONNA STAY)
ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.6はブリティッシュ・ポップ。ザ・モッキンバーズは後に10ccに入るグレアム・グールドマンがいたバンド。当時19歳のグレアム・グルードマンはモッキンバーズをデビューさせるために二曲持っていた。今日オンエアした「THAT'S HOW (IT'S GONNA STAY)」と「FOR YOUR LOVE」。「FOR YOUR LOVE」はヤードバーズに歌われて大ヒットしたが、「THAT'S HOW (IT'S GONNA STAY)」は全く売れなかった。その後、ホリーズの「BUS STOP」を書いて有名になった。

・(WHAT'S SO FUNNY 'BOUT)PEACE,LOVE AND UNDERSTANDING
ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.6から。ニック・ロウが率いるブリンズリー・シュウォーツが1974年に出したシングルで「(WHAT'S SO FUNNY 'BOUT)PEACE,LOVE AND UNDERSTANDING」。「愛と平和と相互理解について語ることがそんなにおかしいことなのか」とどんな時代にも通じる歌で、ニック・ロウは今でもこの曲を歌っている。1974年だからブリンズリー・シュウォーツにイアン・ゴムが入った頃。盟友のデイヴ・エドモンズがプロデュース。当時はそんなに売れなかったが、'90年代に入って映画『ボディガード』のサントラでカーティス・スティガーズが取り上げて、全世界で4,200万枚売れたことから、作者のニック・ロウに思いがけない印税が入ることになった。ニック・ロウはようやく自分たちの音楽が認められたと喜び、当時のブリンズリー・シュウォーツのメンバーに少しその印税を分けてあげたという逸話がある。

・GO OUT WALKING
ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.7は「LOVELAND」というタイトルでR&B、ソウルのコンピレーション。1967年にケニー・ギャンブルとリオン・ハフがフィラデルフィアで最初のヒット「EXPRESSWAY TO YOUR HEART」を出した。ブルー・アイド・ソウル・グループのソウル・サヴァイヴァーズのヒットだった。1968年にソウル・サヴァイヴァーズがアトコに移籍して出したシングルが「GO OUT WALKING」。

・LUCKY LADYBUG
ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.8「SH-BOOM」。これはドゥー・ワップ・ナゲッツ3枚の続編的な意味合いのコンピレーション。ドゥー・ワップ・ナゲッツよりメジャーな曲が多い。ザ・フォー・シーズンズの「LUCKY LADYBUG」はビリー&リリーのカヴァー。ボブ・クルーとフランク・スレイが曲を書いている。フランキー・ヴァリ( &ザ・フォー・シーズンズ)といえば奇跡の再来日公演が決まった。9月10日、11日が東京、13日が大阪。「これぞ東海岸型粋でございます。彼はもう85歳くらいになりますので、ひょっとすると最後かもしれない。これはみなさん本当に行っといたほうがいいと思います。自分たちにとっての冥土の土産になるんじゃないかと思うくらい素晴らしいものでございます」と宮治さん。

・MASHY
ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.9は「GO! GO! NIAGARA SPECIAL PART.1」。大瀧詠一さんが1975年にはじめた「GO! GO! NIAGARA」でかかった曲が収録されている。「GO! GO! NIAGARA」は朝の3時からはじまるオールディーズ講座という感じだったとか。大瀧詠一さんが「GO! GO! NIAGARA」をはじめるちょっと前にNHKで「DATE with EACH」というタイトルで番組をやったときの一曲目、ザ・ルーターズの「MASHY」。エレキ・インスト。FENで'60年代の終わりから'80年くらいまでやっていたジム・ピューター・ショウのオープニングが同じザ・ルーターズの「LET'S GO」という曲で、大瀧さんはわざとそのシングルのB面をかけたという。

・THAT IS ROCK & ROLL
ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.9は「GO! GO! NIAGARA SPECIAL PART.1」から。ザ・コースターズの「THAT IS ROCK & ROLL」。1979年12月に新宿のルイードで行われたシャネルズのライヴを宮治さんは観に行ったとか。その当時まだシャネルズはデビューしておらず、どちらかというとステージの上でやってる人より下で観ている人のほうが少ない時代。早川書房に勤めていた萩原健太さんと二人で観に行ってシャネルズが「THAT IS ROCK & ROLL」をやったそうだ。その後にサンタクロースの格好をした大瀧詠一さんが登場して二人ともびっくりしたという。

・YOU TALK TOO MUCH
ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.10は「GO! GO! NIAGARA SPECIAL PART.2」。ニューオリンズ音楽に造詣が深かった大瀧詠一さん。ジョー・ジョーンズの「YOU TALK TOO MUCH」はもともと本人がファッツ・ドミノに書いたが、歌ってもらえず仕方なく自分で歌ったらヒットしてしまった。

・パレード
宮治さんにとってのデザート・アイランド・ディスクNO.1の『NIAGARA TRIANGLE』から山下達郎の「パレード」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2019年07月21日は、引き続き「『ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ』特集」
(スペシャル・ゲスト:宮治淳一氏)
http://www.tatsuro.co.jp
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