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津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■遣欧使節団が歌った歌

2025-04-28 06:54:09 | 歴史

 過日ご紹介した「リリーマルレーンを聞いたことがありますか」の著者鈴木明氏は、維新前夜‐スフィンクスと34人のサムライという本も出されている。この中に「チョンキナ」という歌が紹介されている。
 もう20年ほどもなろうかと思うが、ある施設の設計に携わって建物が完成した後、オーナーである数名のドクターと「直会」だといって、某市の料亭での宴会に招待を受けた。

暫くすると年配のドクターが「歌おう」と立ち上がり、中居さんに耳打ちをして三味線の伴奏が付き、まるで呪文のような歌を歌われた。
それが「チョンキナ」という俗謡であった。
その後の説明によると江戸で「拳」をやる時の歌ということだった。
すっかり忘れていたのだが、昨日そのことを思い出してページをめくりこの歌の歌詞を再確認した。

   

       チョンキナ チョンキナ
       チョン チョン キナ キナ
       チョンがなのさで チョチョンがホイ

Youtubeで調べてみると上方座敷歌の研究というサイトに記録されていた。

「維新前夜」という本は文久3年12月29日から元治元年7月22日にかけて、幕府がフランスに派遣した遣欧外交使節「横浜鎖湊談判使節団」の記録を底本にしている。
出発直後は慣れぬ船旅に疲れ切っているが、この「チョンキナ」の話は第一寄港地の香港での話である。
揃って食事をしているとある英国人が一行を日本人だと知ってピアノでこの「チョンキナ」を演奏し始めた。
みなが驚いて歌い始めたというのである。そして一行の通弁役で16歳の益田進(後の孝=鈍翁)がアコーディオンで伴奏をはじめ、さらに驚くとともに喜びが頂点に極まったようだ。
そんな中に三宅復一という16歳の少年がいる。明智一族で細川家家臣の三宅藤兵衛の後胤で幕末の著名な医師・三宅艮斎の嫡男である。
当ブログでご紹介している「本能寺からお玉ケ池へ」でお馴染みの人物である。
途中ではエジプトのスフインクスの前で集合写真などをとり、これがこの本の表紙を飾ったりしているが、若者らしく一人スフインクスに駆け上った処を記録されてしまっている。
その三宅も「チョンキナ」を大声で歌ったと紹介されている。Youtubeをみると落語家の某氏が出囃子に使ったりされてもいた。
簡単に覚えられそうなメロディーだが、スナックにでも出かけて歌うとしたら、ひんしゅく物かはたまた大受けするかどちらだろう。

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