津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■150石取・・5石5人扶持

2018-05-18 07:18:56 | 徒然

 随分以前の話だが、あるお若い女性の方からお問い合わせが在った。
1石は金額にするとどのくらいかとの質問だったが、「1石≒1両≒10万円」と大まかにご返事したら、「我が家は150石取だったそうですが、年収1500万円ですか?、家来を何人か抱えて・・・そんなものですか」と電話の先にため息がきこえるようだった。
慌てて「手取りは2、3割くらいですよ」と申し上げて、縷々説明をした。
「え~~~」と絶句しておられたのを思い出す。

  最近文政期の「御家中手取米」がくわしく記されている史料に出会った。
  これによると150石では
     熊本居・役付31石8斗手取(在宅・役付31石)
     熊本居・無役31石手取(在宅・無役30石2斗)     

又あるかたは、我が家の禄は「5石5人扶持」とあるが、先祖はそれなりの奉公をしているのに納得がいかん、とお冠である。
こちらはご老人、色々窺うと元々は100石取であると言われる。
そこで例として、家禄の相続には免許状五つ以上取得しなければならない事、また相続の過程で相続者が幼少である時は、ある年齢までは「切米+扶持米」が支給されることをご説明した。
どうやら藩政末期に当主が亡くなられ、幼少の男子が相続をしたが後者の状況ではないかと思われる。
「5石5人扶持」で明治を迎えられたのが納得いかないといった風情であった。

  こちらも同様上記資料には次のようにあった。
     御切米取5石取、2石8斗手取
  又1人扶持は1日5合であるから(350日×5合)5人=8石7斗5升になる。
  合わせて、切米2石8斗+扶持米8石7斗5升=11石5斗5升

  ちなみに100石取では
     熊本居・役付26石3斗手取(在宅・役付25石7斗)
     熊本居・無役25石5斗手取(在宅・無役25石7斗)  

諸家の歴史をのぞき見していると、悲喜こもごもの有様を垣間見ることになる。
現在それぞれの御宅が恙なくお過ごしの御様子何よりの事である。

 

コメント
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