津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

御大工棟梁善蔵(より)聞覺控

2009-09-03 16:45:18 | 徒然
 熊本県立図書館蔵書に、沢田延音の「民政記録」というものがある。1958年と図書館の検索記録にあるので著作権も切れている。現物にお目にかかると、なんと15㎝×19㎝ほどの大きさで、用紙に手書きされホッチキス止めされた、厚さ20㎜ほどの手控帳のようなものであった。この本(?)に所収されている「御大工棟梁善蔵(より)聞覺控」は、熊本城築城当時の様子が、喋り言葉や熊本の方言を交えて書かれてあり、研究者も良く引用する貴重な史料である。表紙ともで21頁に及ぶものだが、沢田氏の手書きの文字がまるで「棟梁善蔵」のものであるかのように踊っている。熊本城の建設地は、現在地の前は富合町杉島が候補地であったことは随分以前にご紹介したが、その説がこの「聞覺」から出ていることも今回始めて知った。いささかくせのあるくずし字で、読むのに苦労するが是非とも皆さんにご披露したいと思っている。
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ツバキ城築城記

2009-09-03 16:39:24 | 書籍・読書

ツバキ城築城記

発行:日経BP社
著者:藤森照信
定価:本体2,000円+税


私がご紹介するからといって本物の御城では有りませんぞ。いつもケッタイな作品を作って話題を呼ぶ、建築家・藤森信照東大教授の設計による、「てっぺんにツバキが見事に花をつけた芝が一面に植えられた屋根を持つ」建物の建設記録である。究極のエコロジカルで変な(?)建物は、氏の旺盛な遊び心が満ち満ちていて羨ましい限りである。

【本の内容】
建築・自然についての原理主義者、野蛮ギャルド、フジモリの心意気-もっと植物を!もっと屋根を!君知るや伊刀は大島・ツバキ城フジモリ流“植物の建築化”の粋を見よ。

【目次】
ナマコ壁決戦
夜明け前の土マンジュウ
一人親方焼酎工場の中味
ピサ→コル→丹下→大島?
下屋のヒミツ
足場パイプ構造の誘惑
なんたって四五度の振り
復活したクリ普請
自力仕上げでクリを究める
ナマコ壁の行方
屋根にもっと植物を
縄文建築団登場!
左官のケリはライト流
縄文建築団、木と格闘!
本丸“草ナマコ”攻防戦
椿咲き、芝は芽吹いて

【著者情報】
藤森 照信(フジモリ テルノブ)
1946年長野県生まれ。東北大学建築学科卒業。現在、東京大学生産技術研究所教授。主な作品に「神長官守矢史料館」(1991年)、「タンポポハウス」(1995年)、「ニラハウス」(1997年、日本芸術大賞)、「秋野不矩美術館」(1998年)、「熊本県立農業大学校学生寮」(2000年、日本建築学会作品賞)、「高過庵」(2004年)など。著書には『明治の東京計画』(毎日出版文化賞)、『建築探偵の冒険東京篇』(サントリー学芸賞)などがある
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