一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

なぜ、かくも赤くなる

2018-10-20 08:49:13 | 自然


  
      歩いて買物に行く途中に、
      農家の方が丹精して手入れしている畑がある。

      そこは以前、バラ園のビニールハウスがあったのだが、
      数年前に廃業して
      現在は畑として使われているので広大な土地。

      奥の方に、野菜は少しあるものの、
      そのほとんどは季節ごとの草花で埋めつくされている。

      その手入れのゆきとどいた畑に感心しながらも、
      よほど花好きのご主人と奥さまなのだろう、   
      とも思っている。

      昨日、通ったら、
      ほうき草(正式にはコキアという名称)が
      見ごろだった。

      ほうき草は赤くなる前の薄緑色も素晴らしい!


      そして赤くなったら、
      それはそれで、目を奪われそうなほどの見事さ!
      

      コキアよ、
      なぜ君はかくまでも赤くなる?

      科学的にいえば、
      いくらでも証明されるであろうが、
      一瞬、詩人になった気分で
      足をとめ、しばらく見とれてしまう。

      自然界の妙(みょう)とは不思議なものだ。
      誰が見ていようと見ていまいと、
      時期がくれば花を咲かせ、
      それもつかの間、
      花も散り、葉っぱを落とす。

      そして、春がくるまでじっと待つ。

      じっと時期が来るまで待つことのできないのは
      人間。
      挙句の果てに悪あがきをするのだなあ。
     
      詩人の果ては、
      いつもこんな嘆息で終わる。