一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

天たかく、食(じき)分と命(みょう)分

2018-10-21 08:19:53 | 雑記


      涼しくなって食欲も増した。
      うれしいことである。

      夏の間は何を食べてもいまいちだったから、
      美味しいと思えることは幸せでもある。

      かつては、
      少なくとも50代までは、
      カロリーを考えながら食べていたことを思うと、
      感慨ひとしお、といったところ。


      この間、新聞のコラムでこんな記事をみた。
      (毎日新聞「余禄」から引用)

      道元禅師(どうげんぜんじ)はある時、
      弟子に貪欲を戒めてこういったという。

      「人々みな食分あり、命分あり」

      食分は人が一生に食べる物の総量。
      命分は寿命の長さ。

      それらはあらかじめ決まっているから、
      より多く求めても無駄だというのだ。

      ある僧があの世へ行くと、
      閻魔(えんま)大王が
      「こいつはまだ命分があるから帰せ」
      という。

      すると冥界(めいかい)の役人は
      「命分はあるが、食分は尽きている」
      といった。

      閻魔大王は
      「ならばハスの葉を食べさせよ」

      というわけで、
      生き返った僧はハスの葉で余命をつないだ
      というのだ。

      要は、
      「衣食をむさぼるなかれ」
      というわけか。

      人の寿命を、食べる総量で表すのは中国からきた
      発想らしいが、
      必ずしも間違っていないような気もする。

      ならば、
      日々の食を減らすと、その分長生きする計算
      だが、そううまくもいかないだろう。

     ただいまの私は、
      美味しいと感じる食事を貪ることなく、
      ほどほどに食べたい。
美味しく食べられることに感謝しながら。