一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

花冷え

2018-03-24 09:07:40 | 季節


        このところの寒さにウグイスは声をひそめ、
        桜も自重してつぼみを開かなかった。

        それでも東京では平年より9日早い開花宣言
        だったとか。

        カマクラはちょっと僻地だから
        開花はいくらか遅れたが、
        ここ2~3日、あちこちで花びらを見せはじめた。

        しかし、
        この季節になると毎年ニュースになるほどの
        開花宣言、
        外国の人にとっては異様なものだそうだ。

        (新聞からの情報だが)
        明治時代に来日した米国の女性旅行家・
        シッドモアさんは、
        著書『日本・人力車旅情』にこう記している。

        「桜のつぼみが顔を出し、膨らみ、徐々に
         花開く、これは一般大衆の主要な関心事である。
         だから地元紙は開花予報などの速報を
         毎日伝える」

        老若男女、誰からも愛される桜だが、
        そこには、花開いて数日しかもたない花だからこそ、
        愛(いと)おしい気持ちが湧いてくるのだろう。
   
        イギリスに長年住んだことのある知人の話だと、
        英国にも桜はあって、
        1ヶ月も咲いているそうな。
    
        それだからかどうか分からないが、
        桜だからといって、誰もことのほか大騒ぎすること
        はないらしい。

        いや、私の云いたいことはそんなことではなかった。

        いくら寒くても、
        自然というものは、ちゃんと帳じりを合わせて、
        季節がくるとちゃんと花を咲かせる、
        ということだった。

        この季節になると、
        毎年、そのことに驚かされるのである。


        ※ やっと開いた、隣家の庭の桜