一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

彼岸過ぎまで七雪(ななゆき)

2017-03-29 13:48:00 | Weblog


       新聞で「彼岸過ぎまで七雪」ということわざがある
       ことを初めて知った。

       春の彼岸が過ぎても雪がたびたび降るという意味で
       「彼岸過ぎても七はだれ」
       ともいうのだそうだ。

       「はだれ」というのも初耳だが、
       万葉の時代からある由緒ある言葉で、はらはら降る
       雪のことだとか。

       また新潟県の魚沼地方では
       「彼岸の塗り雪」
       ともいい、汚れて黒ずんだ積雪の上に春の雪が
       積もって美しく雪化粧するさまをいうらしい。

       こんな美しい表現のある春雪だが、
       今回の悲惨な雪崩は一瞬にして身も凍るような事故
       であった。

       栃木県那須町のスキー場で高校生と教師8人の命を
       奪った雪崩による事故。

       太平洋上で発達した低気圧により、夜半から朝の間に
       現場近くでは30㎝以上の積雪があったという。

       その新雪が古い積雪の上を一気に走り下る表層雪崩
       だった。

       亡くなった生徒7人は高校の山岳部員で、どんなにか
       山を愛し、自然が好きで、雪もいとわない、純粋で
       さわやかな青年だったろうと思うと、涙がこみあげて
       止まらなくなる。

       春はおだやかそうでいて、いっぺんに天候が荒れくるう
       ことも珍しくない。
       
       そういえば、
       「彼岸ざくら」
       というのも春の雪模様の荒天をいうのだと、今回知った。

       取り返しのつかない事故で、ご遺族の方々の悲しみを
       思うと胸がつかえるが、
       せめて亡くなった高校生のご冥福を祈りたい。


       ※ かろうじて救助された高校生に「眠るな」と激励
         しながら雪山を降りる救助隊の新聞写真