一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

特攻隊長との恋

2014-08-10 21:51:56 | 雑記


      九州や四国で大雨をもたらした台風11号、
      みなさまのところでは大丈夫でしたか。
      
      関東地方では午前中、雨がいったんやみ、
      薄日も差してきたので、今のうち!と
      思って、散歩兼買物に出た。
      いつもの森を抜け、坂を登り下りして。

      蝉がかしましい。ミ~ンミ~ン ジ~ジ~、
      中にはシャカシャカといったクマゼミ?
      のようなものもいて、そこに誠に晩稲
      (おくて)のウグイスが加わる。

      蝉よ、鳴け鳴け、ひと夏のいのち。
      私も気ばかり急いて、足がついていかず。

      そして、お店に入ったとたん、土砂降り。
      帰りはびしょぬれになりました。
      (折りたたみ傘は持っていたけど)


      さて、もう一つの「特攻隊長との恋」を
      新聞でみた。

      投稿者は東京在住の89歳の女性。

      実家は4~5人の学生を下宿させ、糊口を
      しのいでいた。
      18歳だった彼女は一人の学生と出会った。

      色の浅黒い彼は、初めから積極的で、まる
      で求婚する雄鳥のようだった。
      (と書いている)

      彼女はとまどいながらも惹かれていき、
      アイロンがけは他の誰よりも丁寧に、壁に
      掛かる学生服にひそかに頬を寄せるなど
      して……。
     
      (昔は下宿屋がアイロンかけもしてくれた?)

      9月、彼は飛行学校に入るため、繰り上げ
      卒業して旅立った。
      彼女は家族といっしょに見送ったのだが、
      雑踏の中、彼がいきなり近づいてきて、
      彼女の左手を取り、強く握りしめて、
      それが最後に。

      その後、彼は特攻隊の隊長となり、南の
      空に散ってしまった。

      彼女の左手には、今もって彼の思い出が
      しっかり残っていて、8月がくるといつも
      涙する。

      ……といった文章である。
      特攻隊といったら、帰還するなんて例外
      中の例外で、ほとんどがこのように心中を
      吐露することもなく、海の藻くずとなって
      くだけ散っていったのだろう。

      切なく哀しい、そして美しい思い出である。