一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

松本輝夫著『谷川雁』 

2014-06-28 18:15:45 | 読書


      松本輝夫(「雁研」代表)の新刊が
      出て、先週の日曜日には神保町の
      冨山房で出版記念会があった。

      大学教授、ジャーナリスト、ラボ関係
      者等が大ぜい集まって賑やかな会と
      なった。

      谷川雁といえば私も、
      『谷川雁のめがね』を新旧2冊出して
      いるので、無関係ではない。
      あらためて谷川雁とは何者かを考える
      機会となった。

      詩人なのだが、それだけで収まる人物
      ではない。思想家でもなく、教育者で
      もなく、実業家であるはずはなく、
      まして革命家ではない。

      当日の参加者はそれぞれの分野で影響
      を受けた人たちで、
      (必ずしも直接に会ったことがなくて
      も著書などで)
      スピーチもいろとりどりであった。

      私はラボテューターをしていたとき、
      直接、その謦咳にふれて、びりびりと
      した感触はなまなましいものとして
      今でも残っている。

      
      それだけにトータルで語ることは難し
      いのだが、
      その点、本書は谷川の北九州時代から
      東京のラボ時代、それから黒姫の活動
      (十代の会~宮沢賢治)
      へと目が注がれて、
      谷川雁を総括するにはふさわしい本
      となっている。

      これまで谷川雁とは何者か分からなか
      った人は、是非読んで欲しい本だ。

        松本輝夫著『谷川雁』
            永久工作者の言霊
          (平凡社新書 ¥880+税)