一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

福島からの便り

2011-09-14 20:42:23 | 雑記



    友人知人から送られてくる近況や写真など、
    どれひとつとっても明るいニュースはない。
    これが現状なのだろう、みんな精一杯頑張
    っているのだものと思う。
    そして、せめてこちらが元気を出してエネ
    ルギーの発信源にならねばと思いつつ、
    ややもすると、暗くなる気持ちに負けそう
    になる。

    そんなとき第一原発の近くから南会津に避
    難している姉のところの息子一家からお礼
    の葉書が送られてきた。
 
    抜粋すると、
    「3月13日、只見町にはまだ2mの雪が
     ありました。短い春、夏、そして秋へと
     季節は移り、もう大震災から半年……
     原発事故による避難生活を送る中、たく
     さんのお心遣いをいただき、心より感謝
     申しあげます」
    とあり、奥只見の山をバックに夫婦と子供
    3人の写真がうつっている。

    さらに、
    「縁あって訪れたこの地で、人のつながり
     の大切さを感じ、雪国ならではの丁寧な
     暮らしぶりを学んでいます」
    とつづき、
    現在、夫は環境放射線測定の仕事に就き、
    妻は近くの農園で米とトマト作りの手伝い
    をしているという。
    「下を向きそうなとき、たくさんの応援者
     がいることを心の支えにして頑張りたい」
    
    また、7月末には只見町を記録的な豪雨が
    襲い、土石流や浸水などの被害があったこと
    を気づかい、
    「お世話になっている農園のお米を大切な人
     に食べさせたい。初めての米作りを通して  
     ここの米を応援したい」
    と綴っている。

    姉のところは百年以上もつづいた果樹園なの
    だが、今回の原発問題で一家中で南会津の
    只見町に避難しているのである。
    おそらく2時間くらいの制限帰宅があったくら
    いで家にも帰れない状況ながら、
     この明るさ!
     前向きの姿勢!
    強じんな精神そのもので、これはどこから
    くるのだろうと驚いている。

    はてさて、この「笑顔担当」だという嫁さんは
    (結婚前)都会のOLをやっていたのでは?
    と思うのだが、たしかなことは分からない。
    (ン十年前に結婚式に出たときの記憶)

    おまけに葉書の表書きには、
    「固定電話がないので郵便、メールで連絡
     いただけるとうれしいです」
    と添えられていた。