一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

光の春

2011-02-06 17:13:18 | 季節
    冬来たりなば春遠からじ

    立春以降、いくらか暖かい日が続いている
    が、まだまだ油断できない。
    とはいっても日差しは明るく、光の春と
    いったところであろう。

    (北の地域ではまだドカ雪との格闘が続いて
    いるというのに)、二宮(神奈川)の吾妻山
    公園はごらんのように(1月末で)菜の花が
    満開である。
    鎌倉に蟄居して周囲何キロかをウロチョロして
    いる間に、春はとうに来ていたのだ。
    菜の花といえば、
 
     菜の花や 月は東に 日は西に
                与謝蕪村

    の句がすぐに思い浮かぶ。
    一面の菜の花はいかにも春らしい情景といえる。
    いまではすっかり観賞用となってしまったが、
    かつて菜種油は非情に貴重なものだった。

    江戸時代から明治にかけて照明用の油の多くが
    菜の花のタネ(ナタネ)から採っていたという。
    農民は裏作や農地に菜の花を栽培し、それを油
    問屋に売って手っとり早い現金収入源としたら
    しい。
     
    そういえば樋口一葉も灯火を惜しんで読書や、
    賃稼ぎの縫物をしていたのだった。
    仕立物を仕上げてから机に向かうのだが、
    眠くてちっとも書けないとなげいている。
    才女の一葉にしてこの悩み、いわんや凡人に
    おいてをや。