最近、写真と言えばデジカメと写メール、それに小型ビデオが幅をきかせている。人気スッポットでは、あちこちで「はいポーズ」とやたらと撮りまくっている姿を目にする。保育園や学校行事などでは、自分の子供を主人公に人目もはばからず飛び出して撮りまくる親バカも、珍しくはない。報道記者にでもなった気分でいるのだろうか。
そんな中「庄内コンタックスクラブ」最後の写真展が、余目の響ホールで開催された。同クラブは、昭和54年にコンタックスカメラの愛好者が写真技術の向上と、交流を目的に設立され約30年にわたって活動を続けてきた。プロの写真家を招いた撮影会や、会員による展示会などを企画してきたが、親組織のコンタックスクラブが今年3月で解散したことに伴い、今後は「庄内フォトクラブ」に改名し、フィルムカメラの愛好会として活動を続ける事になったと言う。
今回の写真展は、静かな中に気品溢れる作品が多かった。特にクラブの会長である佐藤実さんの作品は、野山を歩き、シャッターチャンスを逃さない、プロの域に達している堂々たるものであった。雪も渓谷も樹齢を重ねた木々も美しさに溢れていた。写真は撮る人の心を表現しているのだと、つくづく感じた。