東京で「最近の米事情について」農水省高官と勉強会をした。講師に農林水産省 大臣官房政策審議官 今井敏さんである。今井審議官は、平成2年から3年間山形県で農政課長を歴任しその後本庁に戻り、大臣官房を中心に農林水産省の中枢を担ってきた農政の第一人者である。私が県議になった時には、県に在職していなかったが先輩議員は「おお」「ややあ」と旧知の挨拶を交わしていた。県の農業事情を熟知している審議官と意見交換できることは、願ってもない事だった。
審議官の話を要約すると「昭和37年をピークに米の消費量は減り続け現在は半分になった。価格維持のため減反政策を採り続けて40年、もう限界にきた。水田には米の作付けを増やすために飼料用米と米粉用米の作付けを増やし、食料自給率を上げるのが今の政策だ。これに10アール当たり5.5万円補助金を交付する。今までの大豆、麦、飼料作物と併せて水田をフル活用し、これに取り組まない農家には、メリットを付与しない」
私は「分かりにくい農政はダメだ。シンプルがベスト。米価は高くなくても安定している事が、生産意欲を高める。面積補助金制度は、捨て作りの温床だ。努力が報われる価格形成をしないと新しい芽は出ない。いずれにしても、農家に意欲が湧く政策を願いたい」と申し上げた。農業の活性化は、国も地方も急務の課題だ。