蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

さまよう刃

2008年09月30日 | 本の感想
さまよう刃(東野圭吾 角川文庫)

主人公の娘は、未成年の少年たちに強姦されたあげくに注射された覚醒剤のショックで死んでしまう。
主人公は、密告者から犯人の住所を教えられ、そこで娘の強姦シーンを撮影したビデオを見つけて逆上し、ちょうど帰ってきた少年の一人を殺す。
主人公は、逃げたもう一人の少年を追って長野のペンションをあてもなく探索するが・・・という話。

ミステリというより、未成年犯罪に関する意見をいろいろ書き並べた、小説形式の評論みたいな内容だった。

このような課題に答えがみつかるわけもなく、本書の結末も相当に中途半端。

長めの小説で、中盤の長野で探索する場面はかなり間延びしていたので、そこを我慢して読んできた読者に(ありがちで安易であっても)カタルシスを感じさせるようなエンディングにしてくれてもよかったと思う。

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