蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

競輪という世界

2021年02月11日 | 本の感想
競輪という世界(轡田隆史ほか 文春新書)

「ギャンブルレーサー」を愛読していた頃は、実際の競輪をよく見ていたけど、最近はグランプリを見るくらいになっていた。

2020年もグランプリしか見ていないのだが、このレースは、実に競輪らしい競輪で、ほぼ2周先行した脇本をマークした平原が、4角でまくってきた清水を派手にブロックした。脇本と平原は別地区で、前に踏めば悲願のグランプリ初制覇確実と思われた局面でブロックした平原に「競輪道を見た」という賞賛が集まった。
レース後のインタビュウでは「あれだけ長い距離を駆けてもらってゴール前だけ「いただきます」とはいかない」なんて主旨のことを言っていた。(もっとも、平原はマークを守るために競った場面もあり、実は千切れる寸前だったのでブロックにいった、という見方もあるが・・・)

そんな、競輪ならではのディープな挿話を期待して本書を読んだのだが、内容は入門者向けという感じだったので、ちょっとがっかりした。
面白かったのは6章の「地方と競輪」で草創期の競輪事業(誰でも登録すればレースに参加できて自分の自転車を持ち込んで競走した、とか、「ケイリン」ではなく「キョウリン」と読んでいた時期があった、とか)の話が興味深かった。

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