蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

約束

2018年07月14日 | 本の感想
約束(ロバート・クレイス 創元推理文庫)

爆薬を含む化学製品を作る会社の幹部から、会社のカネを横領した社員(エイミー)の探索依頼が探偵(エルヴィス・コール)にもたらされる。コールはエイミーの息子(テロの被害者で故人)の友人が住んでいたと思われる家を張込みする。別の案件でロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ巡査と相棒のシェパード犬:マギーもその家の捜索に訪れるが、その家から逃げ出したと思われる白人男性を追うが・・・という話。

アメリカ製のテレビドラマや映画のノベライズのような内容で、定期的?にヤマ場が発生し、犬と人間の絆、探偵やその友人たちのハードボイルドぶり、料理に関するちょっとした蘊蓄、二転三転するプロット、等々、計算しつくされた構成・筋書きだったと思う。

なので、ドラマを見ているように最後まで楽しめるのだけど、読み終わると何も残らないような気がして、少しさみしいのだった。「読み終わると何も残らない」というのも著者の狙いの一つなのかもしれないが。

翻訳者によると、本書はスコットものの人気作の続編であると同時にコールものの長いシリーズの最新作でもあるようで、長くこれらのシリーズを読んできた人であれば、もっと楽しめるのだと思う。

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