蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

羊飼いの暮らし

2020年05月06日 | 本の感想
羊飼いの暮らし(ジェイムズ・リーバンクス ハヤカワ文庫)

イギリス北部、いわゆる湖水地方で家族零細経営で羊飼いを代々営む著者の生活ぶりを季節ごとに分割した章立てで描くノンフィクション(とうか自伝)。

私は、羊飼いの主な収入は羊毛だと思っていた。しかし、本書によると、羊毛はほとんど収益にならず、逆にお金を払って引き取ってもらうことすらあるそうだ。羊飼いの収入は羊肉と優秀なタネ羊?を他の羊飼いに売ることで得ているそうである。これが本書を読んで一番意外だったこと。

二番目は牧羊犬が非常に優秀であること。優秀な牧羊犬なくして大量の羊を放し飼いにすることはできないそうである。

著者は義務教育では劣等生だったらしいが、読書好きで独学でオックスフォード大学へ進学する。現代の日本では考えにくい進路(例えると、中卒で学校嫌いの不良少年が家業の農業に従事しながら、高校や予備校に通うことなく、小論文とか面接で能力を認められて東大に入学するみたいな感じ?)イギリスの教育環境の多様性や成熟みたいなものを感じた。これが三番目の感想。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お友だちからお願いします | トップ | 日本語びいき »

コメントを投稿

本の感想」カテゴリの最新記事