蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

還暦からの底力

2022年05月18日 | 本の感想
還暦からの底力(出口治明 講談社現代新書)

大学生が就職する時、大学における学力は問われないので大学生は勉強しない。社会人になっても大切なのは社内調整と会社にいた時間なので、勉強しない。だから日本は低学歴社会になってしまった。
会社での意思決定がエピソードベースになっていて、ファクトに基づくエビデンスベースになっていない。
遅く帰宅して「食事・風呂・寝る」から、早く会社をひけて「人・本・旅」で人と会ったり学習したりすべき。

定年があるから、老後の資金が心配になり、貯蓄性向が高くなって消費が伸びない。年齢に関係なく能力に応じていつまでも働けるようにすれば解決する。
健康寿命を伸ばすには働くことが一番。家にいて運動しようとしてもサボりがち。仕事に行けばイヤで動かざるをえないから。
ヤングサポートオールドという考え方が間違っている。年齢を給付基準にせずに本当に困っている人にサポートを集中すべき。
日本の社会保険はまあまあよくできているし、賦課方式なので国家が存続する以上、一定の給付が続くはず。
・・・といったような趣旨だと思う。

まあ、大学の学長で印税が洪水のように振込まれてくる著者のような人なら、いくつになっても仕事やおカネの心配はないだろうけど、誰でもそうなれるわけではないしなあ。

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