蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

高校生ワーキングプア

2020年11月23日 | 本の感想
高校生ワーキングプア(NHKスペシャル取材班 新潮文庫)

副題は「「見えない貧困」の真実」。
ファストファッションで上手に着飾り、スマホを持ち歩く高校生の外見は貧困を連想させず、援助を必要としていることがわかりづらいことを指している。

アルバイトで懸命に家計を支え、きょうだいを親代わりに面倒みて、勉強もがんばる、そんな模範的?貧困高校生の実例がいくつか挙げられていて、それはそれで涙を誘うほどけなげではあるのだけど、そうじゃない貧困高校生だっているよね。まあそういう人は取材に応じてくれないのだろうけど、ちょっと片手落ちかなあ、という気もした。

取り上げられている家庭の特徴は、親子、きょうだい間の関係性がとても良好なことだ。目の前に立ちはだかる困難が家族の絆を強めるせいだろうか。
裕福な家庭でも家族の関係性が希薄だったり、いがみあっている例も多そうで、あらためてしあわせの定義を考えてみたりした。

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