蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

映画の朝ごはん

2024年05月21日 | 映画の感想
映画の朝ごはん

沖田修一監督作品が好きで、DVDになった「0.5の男」のメイキングのような作品があると聞いて、検索してみると本作がでてきた。ちょうど週末(2024/05/19)に大泉で上映会(アニマプロジェクトのイベントとのこと)があることを知って見に行った。

朝ごはん、というのは、ポパイという練馬区にある仕出し屋さん?のおにぎり弁当のことで、大きめのおにぎり2個に黄色いたくあんと唐揚げかゆで卵がつく。このポパイの工場内作業や事務所での予約取りの様子、それに社長さんのインタビュウが主軸。

ではあるものの、それは全体の3分の1くらいで、残り3分の1が黒沢清監督などが語る日本現代?映画史(Vシネマの功績とか)、あと3分の1が「0.5の男」の裏方(制作進行)の竹山さん、その上司?の守田さんなどを描いた内容。「0.5の男」のロケで雨が降った後、保育園の園庭の水たまりを排水して乾かすシーンなんかは「こりゃ大変だ」と思えた。

本筋とは関係ないのだが、インタビュウで登場した内藤剛志さんの話が面白かった。朝方、新宿西口にロケバスが集結していて、間違えて別の作品のロケバスに乗ったのだが、乗っているスタッフが皆顔見知りで挨拶もするのでそのまま(間違った)目的地へ向かってしまった、そうである。
かつて、新宿西口の集合場所は、旧スバルビル前が普通の?映画、すぐとなりの旧安田生命ビルがピンク映画というふうに暗黙のうちに決められていたという話も面白かった。

ポパイの工場内の作業は、まあ、普通かな、という感じだったのだが、社長が伊藤園のウーロン茶黒缶を大きな鍋(で沸かした熱湯)に、ドボドボドボと放り込んで加熱しているシーンに意外感?があった。そしてこうして温められた缶は練馬から新宿に運んでも、なお触れないくらい熱いという。

ベテランの制作進行の人(福田智穂さん)の話が印象的で、ロケ弁の温かさとかメニューの多彩さなど、細かいところに漏れなく裏方が気配りすることで、現場は盛り上がっていい作品ができる・・・みたいな話だった(と思う)。

上映会のあと、志子田監督と竹山さん、福田さんのトークショーがあった。竹山さんは(自分でも言っていたが)上映作品内と比べるとかなり貫禄がついて別人のようだった。

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