蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

悪童たち

2024年05月25日 | 本の感想
悪童たち(紫金陳 ハヤカワ文庫)

映画「ゴールデン・ボーイ」がとても良かったので、原作を読んでみた。

映画の舞台は沖縄で登場人物は日本人だったが、原作では中国(上海あたり?)なので、映画はかなり翻案したんだろうなあ、と思って読み始めた。
しかし、映画のストーリーはかなり原作に忠実だった。最初のうちはただの子供にすぎなかった主人公の朱朝陽(ジュー・チャオヤン)が、次第に「悪童」化(悪童というには凶悪すぎるかもしれないが)していく過程が、原作、映画ともに上手に描かれていた。

解説によると、本作は厳良(本作では犠牲者の一人のおじ)を探偵役にしたシリーズものの一作だそうなのだが、本作では出番は少なく、ほぼ朱朝陽の独り舞台だった(で、厳良をあまり目立たせていないことが成功している)。

本書では、最初から最後まで漢字表記の人名にルビがふってある。最初1回だけルビをふることが多いと思うのだが、このおかげでとても読みやすかった。かえって鬱陶しいと感じる人もいるのかもしれないが・・

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