蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

魔法飛行

2024年04月16日 | 本の感想
魔法飛行(加納朋子 創元推理文庫)

短大生の駒子は、知り合いの作家:瀬尾さんにすすめられて身辺の出来事を小説風に綴るようになる。短大の講義で会った風変わりな同級生?の話、近所の交通事故現場に幽霊が出るという話、学園祭の受付をしていた駒子がテレパシー現象?を目撃する表題作、を集めた駒子シリーズの短編集・・・
かと思いきや、(著者の作品によくあるパターンだが)各短編に通底する謎かけがあって、最後の章でそれが解決される作りになっている。

この、最後に明かされる謎解きが、まさに日常の謎にふさわしいような何でも無いことなのに、明かされてみると、なるほど!と意外性と納得性に満ちているのであった(もっともイマドキだとストーカー犯罪に近い行為なのだが・・・)。
このあたりが、根強い人気の秘密なのだと思う。

表題作の「魔法飛行」の由来(シャガールの有名な絵)の解説も印象に残った。
コメント
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