蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

滅びの前のシャングリラ

2022年05月09日 | 本の感想
滅びの前のシャングリラ(凪良ゆう 中央公論新社)

高校2年生の江那友樹は、学業も容姿もぱっとせず同級生からパシリとしてこき使われていた。大型隕石の地球落下が確定的となり、大災厄が近づいている世界で、友樹の豪放磊落な母、生き別れでヤク○の父、友樹の同級生で美女の藤森、藤森が熱心なファンである歌手のLoco、を連作形式で描く。

隕石落下直前の世界を舞台にするという設定は、とてもよくみるので、筋立てに相当な工夫か意外性がないと興味が続かない。

本作は隕石落下直前という設定がなくても十分に成立しそうなストーリーだし、どこかで読んだような感が強くて、正直、少々退屈だった(世評ではかなり高い評価を得ていることを知っていたので期待値が高すぎたせいかもしれない)。

最終話「いまわのきわ」での流行歌手の心理描写は、「なるほど、そんな感じなのかもしれないな」と思えた。
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