身分帳(佐木隆三 講談社文庫)
殺人罪で長年旭川の刑務所に収監されていた山川は出所して、弁護士の紹介で東京で暮らし始める。高血圧の持病があって思うように働くことができないが、近所の人と摩擦を起こしながらも、親切に世話をしてくれるひとも現れ、苦戦の末に自動車免許もとって生活が軌道に乗るかに思われたが・・・という実話に基づく、ほぼノンフィクションといえる内容。30年くらい前に出版され絶版だったが、西川美和監督で映画化されることになり復刊されたもの。
「身分帳」というのは「収容者身分帳簿」のことで、服役者の履歴などが記載されたもの。
かつて暴力団の幹部で、抗争で相手を殺害し、刑務所では「反則太郎」と呼ばれるほど態度が悪く、怒りっぽくてすぐ手が出そうになる、そんな、できればお近づきになりたくないような山川に対して、周囲の人は意外なほど親切でフレンドリーに接してくれたことに、ちょっと驚いた。
主人公が服役中に起こした裁判記録や刑務所に入所されるときに渡される手引き(心得などを記したもの)などがかなり長目に引用されているのだが、一見、無味乾燥な文面ながらじっくり読むとなかなか味がある内容だった。(まあ、著者から見て魅力があると思われる部分を引用しているからだろうけど)
殺人罪で長年旭川の刑務所に収監されていた山川は出所して、弁護士の紹介で東京で暮らし始める。高血圧の持病があって思うように働くことができないが、近所の人と摩擦を起こしながらも、親切に世話をしてくれるひとも現れ、苦戦の末に自動車免許もとって生活が軌道に乗るかに思われたが・・・という実話に基づく、ほぼノンフィクションといえる内容。30年くらい前に出版され絶版だったが、西川美和監督で映画化されることになり復刊されたもの。
「身分帳」というのは「収容者身分帳簿」のことで、服役者の履歴などが記載されたもの。
かつて暴力団の幹部で、抗争で相手を殺害し、刑務所では「反則太郎」と呼ばれるほど態度が悪く、怒りっぽくてすぐ手が出そうになる、そんな、できればお近づきになりたくないような山川に対して、周囲の人は意外なほど親切でフレンドリーに接してくれたことに、ちょっと驚いた。
主人公が服役中に起こした裁判記録や刑務所に入所されるときに渡される手引き(心得などを記したもの)などがかなり長目に引用されているのだが、一見、無味乾燥な文面ながらじっくり読むとなかなか味がある内容だった。(まあ、著者から見て魅力があると思われる部分を引用しているからだろうけど)