蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

海翁伝

2015年07月12日 | 本の感想
海翁伝(土居良一 講談社文庫)

瀬戸内の豪族河野氏の末裔である蠣崎季広とその息子の慶広が、時の権力者との交渉によって、北海道で幕末まで続く松前藩を確立するまでを描く。

あるベストテンものの本で推奨されていたので、読んだ。

戦国期~江戸初期の交易や航海の様子が描かれているのかと思っていたのだが、大半が蠣崎(後の松前家)の内紛や、秀吉や家康の機嫌取りに終始する慶広周辺の行動ばかりで期待はずれだった。
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めぐり逢わせのお弁当

2015年07月12日 | 映画の感想
めぐり逢わせのお弁当

インド・ムンバイでは、会社に勤める人の多くが専門業者が配達する弁当(家庭で作られたものの他、業者の作ったもののある)を昼食にしている。
損害保険の査定・支払事務を長年勤めて退職間近のサージャンは、妻を亡くているため、いつも業者の作った弁当を配達してもらっているが、ある日いつもより格段にうまい弁当が届く。
実はこの弁当は、イラという女性が、(関係が冷え込んでいる)夫の関心を引こうと手をかけて作ったものが誤配されたものだった。サージャンは食後の弁当箱に「ちょっと塩辛かった」という手紙を入れ、そこから二人の弁当箱を通した文通が始まる・・・という話。

インド映画というと陽気で騒がしく大団円は底抜けのパッピーエンドというイメージを持っているのだが、本作は最後まで静かで落ち着いた雰囲気で進むし、結末も余韻を残したものになっている。
特に、家族を亡くし長年慣れ親しんだ職場からも離れようとしているサージャンの、初老を迎えた男の悲哀がしんみりと伝わってきた。

以下は、本筋とは関係ないが印象に残ったところ。
・4段にわたるムンバイ風?の弁当はとてもおいしそう。一度(弁当として)食べてみたい(おそろしく辛そうだけど)。

・弁当配達の専門業者は独特のノウハウを持ち、めったに誤配しないそう。映画で見る限りはとてもそうは見えないのだが・・・

・サージャンのオフィスはすべて紙で事務処理しているみたいでコンピュータが見当たらない。現実もこうなるのだろうか?ムンバイはITが極度に発達しているイメージをもっていたのだが・・・

・インドの人は今でも(箸やスプーンなどではなく)手指ですくって食べるんだなあ。妙においしそうにみえた。

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