蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

分類思考の世界

2010年02月06日 | 本の感想
分類思考の世界(三中信宏 講談社現代新書)

ある新聞の書評欄で絶賛されていたので読んでみた。

しかし、なかなか読み進めなった。難解というよりは散漫というか中途半端で、初心者にやさしく、というより、マニアに面白話を、みたいな内容に思えた。

生物を分類するというのは、人間がそれぞれに勝手な基準(外見が似ているとか)で分類しているだけで、数学的、物理的な基準が存在しているわけではない。
しかし、人間は(生物に限らず)グループ分けして個々のモノを関係づけたがる本性みたいなものがあるみたいで、分類せずにはいられない。しかし、すべての人を納得させる客観的基準がないからその矛盾に苦しむことになる。
ひとつの解決法として「本質主義」というものがあるという。あるものを定義する本質がある、とする考え方で、例えば、人の性格は血液型という「本質」によって決まる、とするようなものがそれにあたる。

筆者は、「本質主義」を批判しているのだと思う(分類される物にばかり注目せず、分類する方のバイアスを研究すべき、という梗概が裏表紙にある)が、そうでないような記述もあって、よくわからなかった。
コメント
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