蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

チームバチスタの栄光(小説)

2010年01月11日 | 本の感想
チームバチスタの栄光(小説)(海堂尊 宝島社)

小説を読むより先に映画を見た。映画の感想で書いたように、映画版に対する世間の評価はあまり高くないようだが、私はけっこう良い作品だったのでは、と思った。

原作を読んでみて、映画版の評判が悪いわけがわかったような気がした。
主役二人(田口と白鳥)のイメージが原作と映画であまりにかけ離れているのが大きな原因だろう。
原作ではさえない窓際族と変態的な官僚として描かれている二人が、映画のキャストは竹内さんと阿部さんなんだから、それだけでも違和感アリアリ(桐生のみ、原作と映画のイメージがかなり近いと思う)。

謎解きは、正直いってあまりぱっとしたものではなくて、言ってしまえばありきたりなのだが、このシリーズが人気あるのは、やはり主役二人の際立つキャラのおかげだろう。
いろいろと事情はあるのだろうけど、映画はそこのところをあまりに軽視していたように思う。

繰り返しになるが、原作と切り離して見れば、映画はそこそこ良い出来だったと、私は思った(映画版の感想でも書いたけれど、映画版の第一の謎解きはとても鮮やかだった)。
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