蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

名短編、ここにあり

2008年05月17日 | 本の感想
名短編、ここにあり(北村薫 宮部みゆき 編 ちくま文庫)

北村さんが編んだアンソロジー「北村薫のミステリー館」を読んだ時、その選択のシャープさ、並のアンソロジーにはない非凡さ、センスのよさにすいぶん感心したおぼえがあります。(特に奥泉光さんの「滝」は素晴らしい小説だと思いました)

「北村薫のミステリー館」でも巻末に北村さんと宮部さんの対談形式の解説がついていたので、同じような性格のアンソロジーかと期待して読んでみたのですが、どうも選ぶ対象に限定があった(小説新潮の特集から選んだものらしい)ようです。

そのせいか、どの作品も、まあ確かに面白いのですが、ちょっとモッサリした感じというか、有体にいうと古くささがありました。
その中で吉村昭さんの「少女磔刑」は、かなり古い作品ですが、現在の感覚でよんでも新鮮さとか斬新さがあって良い小説でした。
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